教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
自己肯定感の低い人の「3つの口癖」
1.「あの人はいいな」
自己肯定感が低い人は、自分の存在や立ち位置に不安を抱えています。必然的に人が気になってしまうのです。
フィルターをかけて世の中を見てしまい、「自分は生き辛いのに、他人は恵まれている」と感じることも。“隣の芝生は青く見える”というように、私たちの脳は、他人のいいところだけを拾う脳の習性があります。
どんな人も人生の中で良いこと悪いこと両方起きているのに「周りの人は幸せそうだ」と思ってしまうのです。
私も今でこそ「楽しそうだね」なんて言われますが、虐待されていた頃は毎日いつ命を絶ってもいい……くらいに思っていました。
人のことは表面だけでは分からない、過去何があったかは分からないことを理解しておきましょう。
2.「やっぱり〇〇した方がよかった」(過去を悔やむ)
せっかく自分で考えた決断を“後悔の種”にする。自己肯定感が低い人は、このような思考のスパイラルを使っています。
例えば友人との会話に対して……「あの言い方は良かったのだろうか」
行きたい場所を選んだら……「やっぱりBの場所にすればよかったかな」
料理を決めても……「やっぱりもう1個のメニューも良かったかも」
このように後悔することも少なくありません。
就職先も「親に勧められた企業のがよかったのかな」など、人生の決断の大きなことまで大小関係なくです。
“自分なりに考えた結果だ”と認める練習をして、結果がイマイチだと思ったら“次は〇〇にしよう”と、未来に気持ちの良い決断ができるように活用すると良いでしょう。
3.「でも」
私たちの脳は、言葉の指示通りに動きます。「でも」と言うと、脳は言い訳を探しに動いてしまうのです。
- 旅行に行きたい、でもお金がない
- 頑張りたい、でも大変そう
- 私もいきたい、でも時間がない
せっかくの最初のポジティブな思考を「でも」の後の言い訳でストップさせてしまっているのが分かると思います。
そして結局何も変わらないまま、自己肯定感も上がりません。
最初にお伝えしたように、私たちの脳は言葉を受け取り、指示を出す。その言葉に沿ったイメージを出す機能があります。
それにも関わらず、自己肯定感が低くなる言葉ばかりを口にしていたらどうでしょう。口にするたびにイメージが出て、マイナスの刷り込みも行われてしまいます。
しかし、反対の言葉で上書することも可能です。
「〇〇がしたい、どうしたらできるだろう」とそのまま出来る方向へ思考を伸ばすと、誰でも考え方は変えられます。
言葉の練習だと思って、どうしたらできるかな?何からできるかな?と考えてみてはいかがでしょうか。