子どもが不安定になりやすい春。見逃さないでほしい「3つのサイン」

家族・人間関係

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 子どもが不安定になりやすい春。見逃さないでほしい「3つのサイン」

2024.03.10

臨床心理士・公認心理師のyukoです。春は親子ともに進級や人の移動(異動)、新生活の準備など慌ただしくなりやすいですよね。そんな変化の時期、子どもは不調をきたしやすくなるんです。忙しい中でも見落としたくないSOSサインを考えていきます。

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春は変化と悩みの季節

年末年始からもう2か月が経ち、終業式も近くなってきましたね。
春は進級だけでなく、友達の転校や部活の代替わりなど、様々な変化がある時期。そんな春は、子どもが悩みやすい時期でもあるんです。

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一方で大人も年度末は職場で人事異動があったり、兄弟の入学準備などが重なると、慌ただしくなりますよね。

ばたばたしていると、つい子どもが元気なくても「気のせいかな?」と見過ごしてしまいがち。注意したい子どもの様子や声のかけ方について考えていきます。

春に多い子どもの落ち込み。注意しておきたい3つのサイン

1.まずは睡眠・食事の乱れに要注意

気温の高低差で体調がすぐれなかったり、いつも通りの時間に起きれなくなる子は多いです。

そんな中で見過ごされがちなのですが、寝つきや途中で起きる頻度、熟睡感まで影響が出ている子は要注意。
悶々とするような悩みがあったり、朝までぐっすり寝れない不調がある場合は、子どもの話に耳を傾け、手立てを考えていく必要があります。

また、冬になると食欲が増え、温かくなるにつれて少し落ち着いてくる子も多いです。
体重の著しい増減がある、食べても食べても足りないと言ってくる、食事を残すことが増えたなどの変化には注意が必要。
学校での様子やかかりつけの医師に相談してみてください。

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成長期なので「少し多いかな」くらいの量を美味しく食べていけるのが一番よいかと思います。

2.いらいらする・怒りっぽくなる

反抗期かな? と思い、見逃してしまいやすいのが気分の不安定さ。

子どもが落ち込んでいたり、気力がないと、親は心配になりやすいのですが、イライラをぶつけられると「なんなの?」と感じて不調のサインと気づきにくいんです。

抑うつと聞くと、エネルギーがなくなり、泣いたり落ち込んだりする様子を思い浮かべますよね? ですがイライラや不機嫌も、ときに抑うつ症状のひとつとして現れるケースも多いんです。

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些細な出来事や指摘に反応する、機嫌のコントロールが難しい、きっかけがないのにイライラしているなどの様子には要注意。

身近で見ている他の大人や兄弟、先生に相談し、変化を見ていく関わりが重要です。
何もなかったとしても「ただの反抗期」と済ませず、ストレスについて話し合うのは支えにもなってきます。
「ストレスがイライラとして表に出ているのかも?」という視点を頭の隅に置いておくのが役立つでしょう。

3.集中力の低下、成績の落ち込み

机に向かうとぼんやりしている、勉強のやる気がでない、塾に行きたがらない。これらも子どもの抑うつに見られやすいもの。

親から見ると、「やりたくないからさぼってるのでは?」「ゲームはできてるんだから勉強もできるはず」と思えるのですが、「やりたくても気力がわかない」子も多いんです。

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また、成績の急な落ち込みや変化にも要注意。
勉強に身が入らなくなるようなストレスを言えずにいたり、SOSのサインとなっているかもしれません。
「ちゃんとやりなさい!」と叱る前に一歩立ち止まり、「集中しにくい?元気でない?」などの声掛けがあるとよいでしょう。

親子ともに忙しい春の時期も、子どもとのコミュニケーションは変わらず時間を作っていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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