海藻を食べると免疫力が上がる?!
実は、海藻の摂取量と免疫力には相関があるのをご存知でしょうか。
栄養科学分野の権威あるジャーナル「Nutrition Reviews」によれば、日本での新型コロナウイルスの感染拡大が欧米に比べて緩やかなのは、海藻を豊富に摂取する生活スタイルが影響している可能性があるという記述も。
海藻を摂取することで腸内環境が改善し、直接的および間接的に抗ウイルス作用が活発になります。
海藻の成分の中でも、特に免疫効果や抗ウイルス作用があるとされるのが、「フコイダン」、「水溶性食物繊維」、「カルシウム」の3つです。
「海藻」の3つの嬉しい成分
1.フコイダン
海藻に含まれるフコイダンという成分は、ウイルスに対する抗体をつくるのを促すほか、免疫作用の中心になるナチュラルキラー細胞の働きを高める効果があります。
海藻の中でも特にもずくやめかぶなどの褐藻に多く含まれ、実際に海藻を摂ることで、インフルエンザウイルスに対する抗体の産生能がアップしたという研究結果も出ています。
2.水溶性食物繊維
腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えることができます。
水溶性食物繊維はキノコや大麦などにも含まれますが、海藻に含まれるものは体内でゲル状になるため、最も善玉菌のエサとなりやすいと言われています。
免疫細胞の70%は腸に存在しますので、免疫力アップには、腸内環境の改善が重要です。
3.カルシウム
海藻にはビタミンDの吸収を助けるカルシウムが豊富に含まれているので、積極的な摂取が必要です。
ビタミンDには、免疫機能を調節する働きがあります。
体内に侵入したウイルスや細菌などに対して、過剰な免疫反応を抑制し、必要な免疫機能を促進します。このため、かぜやインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症、悪化の予防にもつながることが分かっています。
適切な摂取量とは?
海藻には体によい様々な栄養素がありますが、たくさん食べればいいということではありません。
海藻に含まれるヨウ素は甲状腺ホルモン合成に必要な栄養素ですが、摂りすぎると甲状腺機能の低下を引き起こす可能性があります。
厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準」では、ヨウ素の推奨量は1日0.13mg(成人・男女、妊婦・授乳婦は除く)とされています。
例えば生タイプのめかぶであれば33g(市販品1カップ程度)、板海苔6.2g(全形サイズ2枚)とされています。
一気にたくさん食べるのではなく、適切な量を毎日の食事の中に取り入れ続けることが大切です。