教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
「成長し続ける人」と「停滞する人」の違い
毎日が同じことの繰り返しのような気がして、自分の成長が止まっているように感じることはありませんか?
「成長し続ける人」と「停滞する人」の間には、自分自身へのアプローチの仕方に大きく3つの違いがあります。成長を感じられる、成長し続ける人になるための、ポイントとあわせて、お届けします。
1. 自分なりの目標を設定している
成長し続ける人は、 明確な目標を持っています。
目標の内容は、必ずしも人生の大きなものばかりではありません。「今日は掃除を10分で終わらせよう」「今週は〇時間は休もう」というような自分なりの目標を設定し、目標を達成するための具体的な計画を立てています。
これによって、自分の外側に起こる出来事に振り回されにくくなり、自分でコントロールする意識がつくのです。研究によると、目標を持つことはモチベーションを高め、達成感を得やすくなることも分かっています。
一方で、停滞する人は日々のルーティンや、やらないといけないことに追われ、イライラが重み重なりストレスを感じやすくなります。計画性を欠くと成長を実感しにくくなるため、自分でコントロールできるものがあるかを見つけることから始めましょう。
2. アドバイスを受け入れて感謝できる
成長し続ける人は、他人のアドバイスを素直に受け入れ、それを改善に活かします。フィードバックを受け入れることでパフォーマンスが向上することが、研究結果にも示されています。
また、もらったアドバイスに対する感謝も忘れません。アドバイスを受け入れようとする思考は、柔軟性と臨機応変に対応する力を育むのです。
その反対に、停滞する人はフィードバックを拒否して自分のやり方に固執する傾向があるため、改善のチャンスを逃してしまいます。感謝の心を持たずにいると、次にアドバイスを受ける機会を自ら避けてしまう悪循環に陥ることに。
自分にない視点を得られる機会があることは、当たり前ではありません。 アドバイスは必要ないと思っている人は、何かひとつでも「参考にできるものはないか」を探す意識を持つことが大切です。
3. 失敗も楽しむ
成長し続ける人は、失敗を恐れず、新しい挑戦に積極的です。
失敗を「学びの機会」「目標に一歩ずつ近づくための経験」と捉え、自分自身で成長を促し続ける思考パターンを持っているのです。失敗を経験をしたほうが、学習効果が高まることが研究でも分かっています。
一方、停滞する人は失敗を恐れて、新しいことに挑戦しようとしません。挑戦を避けることで、経験の幅や貴重な成長の機会を逃してしまうのです。
もうひとつ大切なポイントは、失敗することによって止まってしまうと、継続的な学習ができないということ。
成長し続ける人は、失敗から新しい知識やスキルを学ぼうとし、学習に前向きで脳も活性化します。新しい学びは、脳がワクワクしてくれるのです。何かを行ったときは、その場で「失敗」「成功」といった判断をするのではなく、ひとつの経験だと捉える視点を身につけていきましょう。
過去の自分を超えることを「成長」と捉える
幼少期から視覚と聴覚の障害を持ちながらも世界各地を訪問し、障害者のための教育と福祉の発展に尽くしたアメリカの教育家・社会福祉活動家のヘレン・ケラーは「成長とは、常に自分を超えることである。」 と述べています。
他人や周りと比較するのではなく、“過去の自分”からの成長を目指して進んでいけると、さらに素敵ですね。