「いじめの加害者」になったわが子。親の適切な対応方法とは?

家族・人間関係

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2024.10.01

臨床心理士・公認心理師のyukoです。ニュースや身近な例を見て、「子どもがいじめの被害者になったらどうしよう」と想像した経験はありますか? 一方「子どもがいじめの加害者になったら」はどうでしょう。子どもがいじめをする側だったとき、どのように対応していけばよいのか考えてみます。

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え?うちの子が友だちをいじめてる?

ある日担任の先生から電話が。「〇〇さんについてご相談したいのですが。〇〇さんが最近、クラスで仲良くしていた子とそりが合わなくなったのか、他の数名と一緒にその子を仲間はずれにしたり、無視をすることがあると聞いて。その子が少し学校に来づらくなっているので、何か関係があるのかを考えております。ご家庭で〇〇さんは何かお話されていますでしょうか。」

いじめ出典:stock.adobe.com

学校に入学するとき、クラスが変わるとき、多くの親御さんは「うちの子うまくやっていけるかな、いじめられたりしないかな?」と心配するでしょう。
しかし、いじめられる子よりも、いじめる子の方が多いのが実態。

自分の子がいじめをしている側かもしれないと知ったとき、どのように対応していけばよいのでしょうか。

子どものいじめを知ったとき、親はどうすればいい?

第一に、親が「事実を受け入れる」こと

子どもが誰かをいじめているかもしれないとわかったとき、事実をすぐに受け入れるのはなかなか難しいもの。

  • 昔から手がかからず、誰にでも優しいわが子に限ってそんなことするはずがない。
  • 学校では家と別人のような振る舞いなのかな?
  • 育て方を間違えたのだろうか。いじめをするなんて信じられない。

悩む母親出典:stock.adobe.com

わが子がいじめの被害者となってしまったときよりも、加害者であるときの方が受け入れにくいともいえます。被害は「誰にでも起こりうる可能性があるもの」である一方、加害は、「その子自身の行動が招いた結果」だからです。

なぜ未然に防げなかったのか、サインを見過ごしてしまったのだろうか、親がよくない影響を与えたのだろうか。そのような親の自責の念と、子どもを疑いたくなる気持ちが入り混じり、親子の話し合いが難しくなるときもあります。

まずは感情的になりすぎないよう注意しながら情報を整理していくのが必要です。子どもを問い詰めて白状させる姿勢ではなく、「どんなことがあったのかまずは教えてほしい」と冷静に問いかけます。両親が同席したほうが話しやすいか、ママかパパのどちらかのほうが話しやすいかは、子どもの性格に合わせて考えていくのがよいでしょう。

【NG】「子どもの性格が悪い」と捉えること

たとえ暴力をふるっていなくても、無視や陰口、仲間はずれなど、相手の心を傷つけるような行為はいじめです。軽い気持ちだったとしても、友だちと一緒になってやってしまったとしても、その行動の理由があったとしても、全て言い訳に過ぎず、いじめであることには変わりありません。

しかし、「いじめをした子=性格が悪い子」ではありません。
いじめをした子は「過ちをおかした子」です。

親が「うちの子はいじめをするような子だったんだ。そんなに性格が悪い子に育ってしまったんだ」と認識してしまうと、その後の悪循環にも繋がっていくので危険なんです。親が子どもを信じられず、今までとは違う見方で見たり、接し方を厳しく変えてしまうと、家庭内で子どもが息苦しさを感じるように。すると、家庭外にストレスのはけ口を求め、さらなるよくない行動に繋がるケースもあるからです。

いじめは簡単に許されるものではありませんが、人は過ちを起こすもの。まずは親子ともに子どものおかした過ちを認め、これから何ができるのか前を向いて考えていくのが大切です。

話し合う親子出典:stock.adobe.com

対応はケースによって様々。まずは先生と相談を。

いじめと一口に言っても、その後の対応はケースによって様々です。

誰に、どの程度のいじめ・嫌がらせを、どのくらいの期間行ってきたのか。他に関わっている子はいるのか、相手は今どんな状況にあるのか。その情報を整理して、対応を考えるのは学校の役割です。

相手の親御さんと連絡が取れる場合、元々知っている場合は特に、すぐにでも動き出さないといけないと思いがちですが、一旦冷静になりましょう。よかれと思って行った対応が火に油を注ぐものとなったり、悪気のない不用意な発言や態度で問題がよりこじれてしまう場合もあるからです。

学校や担任の先生と話し合い、現時点ではどのように動いていくのが最善であるかを検討する必要があります。「子どもの一番近くにいる保護者ではあるけど、子どものしたことについては十分把握していないから知っていきたい」という姿勢で向き合っていけるとよいでしょう。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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