教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)より新刊発売。
人生をつまらなくする「3つの行動」
私たちの脳は、日々をなんとなく過ごしていると、いつの間にか「人生がつまらない」と感じてしまうことがあります。実は、その感覚の背後には、無意識のうちに繰り返されている行動パターンが隠れているのです。
今回は、「人生がつまらなくなる」行動パターンについて解説します。
1. スマホ依存、ネガティブな情報にばかり目を向けること
テレビのニュースやSNSのネガティブな話題を毎日チェックするのが習慣になっていませんか? スマホはとても便利ですが、片時も離さずに画面を見ていては、現実の素晴らしい世界が色あせてしまいます。
脳科学的にも、人間の脳は危険や不安を感知しやすい「ネガティビティ・バイアス」を持っているため、無意識に悪いニュースを追い求めてしまう傾向にあることが分かっています。これが積み重なると、ありがたい毎日を送れていることや楽しい瞬間を見逃がしやすくなり、日常生活を暗く感じてしまう原因に。心が疲れないように、意識的にポジティブな情報にも目を向ける工夫が必要です。
2. ルーティンに固執し、新しい体験を避けること
毎日同じ時間に起きて、同じ道を通り、同じ仕事や家事を繰り返す 。ルーティンは安心感を与えてくれますが、過度に固執すると「新しい体験」が失われてしまう原因になります。
脳は新しい刺激に反応して活性化する習性があるので、マンネリは脳の機能を低下させてしまいます。心理学の研究には、「挑戦や新しい経験」は幸福度を高めることが示されています。適度な負荷は脳にとってのご褒美であり、鍛えるのに最適な方法です。いつもとは違うカフェに行く、ちょっと遠回りをして新しい道を通る、趣味を増やすなどの小さな冒険を取り入れてみましょう。
3. 他人と自分を常に比較すること
他人と自分を比べることは自然なことで、脳の習性でもあります。しかし、過度に比較すると心理的ストレスが増え、人生の楽しさを奪うことになります。特にSNSでは、他人の幸せな側面のみが強調されて見えるので、「自分には何もない」と感じてしまいがちです。
他人と比較する習慣は、自己肯定感を著しく下げ、充実感を失わせる原因になるとされています。自分の成長を測る基準を「他人」ではなく「過去の自分」にすることが、心の健康を保つ秘訣です。SNSを使うときには、〇〇を探すため、〇〇を見るためなど、明確な目的をもつようにしましょう。
小さな行動の積み重ねが人生を楽しくする
人生がつまらなく感じる背景には、無意識にとっている行動が深く関係しています。「日常の見方を変える」「新しい経験を取り入れる」「他人と比較しない」などの小さな意識改革が、大きな変化をもたらすこともあります。
哲学者アリストテレスの言葉「幸福とは、行動の結果である」にあるように、今から始められる小さな行動が、未来の楽しさを作り出します。まずはできることから始めていってくださいね!