無気力な息子。このままで大丈夫?
小5の息子は長期休みに入ると予定のない日はゴロゴロ過ごしがち。友達に誘われれば出掛けるけど、自分から声をかける素振りはなく、ダラダラ漫画を読んだりスマホを見たり昼寝したりする時間がほとんど。中3の娘は予定をたくさん詰め込んで遊びにでかけているのに、このままで大丈夫かな?
家でゆっくり過ごしがちな子の親御さんからは「うちの子ダラダラしてばっかりで……」と心配する声をよく耳にします。元気ないのかな? 友達とうまくいっていないのかな? 子どもってもっと活発なものなのでは? と不安になる気持ちもあるかもしれません。
しかし、無気力に見える時期には大切なサインが隠されていることも。夏休み、ダラダラ過ごす子とどのように関わっていけばよいのかを考えてみます。
無気力の背景には「成長」と「準備」が隠れている
9~12歳は身体も心も休息に変化する時期。
この時期は思春期前夜とも言われていて、身体が思春期に入る準備をしているんですね。成長スパートにさしかかる前段階であり、日中無気力になったり、睡眠欲が強くなる子も多いんです。
また、心も疲弊しやすい時期で、特にこの情報社会の中では休息を要するのが当然ともいえます。自分がどう見られているか、友達と比べて劣っているのではないか、学校で話題のゲーム進めないと……。自意識や他者との比較意識が強まる時期であることに加え、SNS社会特有の人間関係に心が疲弊しやすいんですね。
やる気スイッチではなく、「チャージタイム」に目を向けて
無気力、怠惰と捉えるのではなく、「エネルギーをチャージしている」と捉えるのも大切。子どもは大人よりも元気に見えますが、気づかないうちに頑張りすぎていたり、脳が休まっていないことも。
思春期にさしかかる時期、子どもの口数が減り、親は子どもが何を考えているのか見失いやすくなります。無気力で何を考えているかわからなくなったときは、子どもの言葉を、変換して捉えてみるのもおすすめ。
- 疲れた→気を張っていた
- めんどくさい→モチベーションがわかない
- どうせ無理→自信がない
- 何もしたくない→心も体もオーバーヒートしている
赤ちゃんが日中に刺激を受けすぎると夜に眠れなくなるように、小学生も日々の情報が多すぎると心が落ち着かず、休むことが難しくなってしまうんですね。
チャージタイムの作り方
まずは、子どもがどんなところにエネルギーを使っているのかを考えます。多くの人は、ゲームのしすぎ、夜更かし、スマホの見過ぎと判断しがちですがそれだけではありません。
日常には様々なストレスが潜んでいます。
- グループLINEで「返事遅いと無視って思われるかも……」と焦ってすぐ返信。
- 習い事が終わって帰宅したら19時すぎ。「疲れた」って言ったら「まだ若いんだから」で片づけられた。
- オンラインゲーム中、ちょっと負けただけで「足引っぱんな」と言われて、落ち込んだ。
大人は身体の元気具合に目を向けがちですが、心の充電がどれくらい消耗しているかにも気を配る必要があります。
そしてこのことは、大人にも当てはまります。「今日何もしてないのに疲れるな」「しっかり寝たはずなのに身体が重い」。そのような日は、頭や心のバッテリーがチャージされていない場合もあるんですね。
親子ともに、
- 1週間のうち1~2日は空白の日を作る。
- 1日1~2時間家の中のデジタルをオフにする。(スマホ・PC、テレビのリモコンは別室に)
- 「子どもは子どもなりに頑張ってるのかな」と小言を控える。「私も頑張ってる」と自分を甘やかしてあげる。
エネルギーがチャージされれば、子どもは自然と活力を取り戻していきます。情報過多といわれる今の世の中とうまく付き合っていくには、情報を制限する意識がけも重要。この夏休みは、親子でダラダラ、ゴロゴロ、ぐうたらする時間も作ってみてくださいね。