「子どもがゲームばかり…」イライラする前に試したい“3つの声かけ”

家族・人間関係

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2025.07.30

夏休みになると「ゲームばかりして……」という悩みが増えませんか? ついイライラして「もうやめなさい!」と言ってしまう前に、子どもの心に届く声かけを試してみませんか? 家事シェア研究家で1児の父である僕が、わが家で実際に効果のあった3つの方法をお伝えします。

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「ダメ!」の前に、まず子どもの気持ちを受け止める

ゲームをする子ども出典:stock.adobe.com

僕も娘のゲーム時間については、本当に悩んでいました。

「1時間だけね」と時間を決めたり、「もうお終い!」と声をかけたりしていたのですが、まったく効果がない。それどころか、ゲームを辞めるときの娘の悲しそうな表情を見ていると、なんだか僕が大切な物を取り上げてしまっているような気持ちになってしまって……。

そんなとき、ふと気づいたことがありました。娘にとってゲームは、単なる「遊び」ではないということです。

よく観察していると、子どもってゲームも勉強も、そもそもそこに大きな違いはなさそうです。ゲームをしていたかと思えば、宿題をやっていたり。解けない問題に苦しんでるかと思えば、クリアできないゲームで苦しんでいたりする。

もしかして、頑なに「ゲームしてないで勉強しなさい!」と親が言い続けることで、「ゲームは遊びで、勉強はやらされること」になっていくのかもしれない。

そもそも、娘が嬉しそうにしているときは「達成感」を味わったとき。この嬉しい気持ちは、ゲームだけの世界ということでもないようでした。

そして、小学生になった娘は、友達とオンラインでつながってマイクラなどを楽しむことも。外で公園で遊ぶのもキツイこの季節。そうやってゲームの世界でコミュニケーションを取ることも大切なのかもしれません。

【声かけ1】時間を意識させる言葉

時間を意識する出典:stock.adobe.com

「あと30分で終わりにしなさい」と言っても、なかなか効果がないのはなぜでしょう? それは、時間を「押し付けられている」と感じるからです。

そこで僕が試したのは、子どもに時間の主導権を渡す声かけでした。

「キリのいいところまで、あと何分くらいかかりそう?」

この質問をすると、娘は自分でゲームの進行を確認して「あと15分くらい」「このステージが終わったら」と答えてくれます。そして不思議なことに、自分で決めた時間はちゃんと守ってくれるんです。

「何時にやめなさい」ではなく「あと何分くらい?」。この小さな変化で、子どもは「自分で決めた約束」として時間を意識するようになります。

もちろん、最初はうまくいかないこともありました。「5分って言ったのに、もう20分経ってるよ」という日も。でも、そんなときは「時間って難しいよね、どうしたらいいかな?」と一緒に考えるスタンスで話をしました。

子どもも「タイマーを使う」「時計を見やすいところに置く」など、自分なりの工夫を提案してくれるようになり、だんだん時間を守れるようになっていきました。

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【声かけ2】ゲーム以外への好奇心を刺激する

ゲーム以外の楽しさを学ぶ出典:stock.adobe.com

ゲームを「やめさせる」のではなく、「広げる」という発想も効果的でした。

娘が料理を作ってキャラクターに食べさせるゲームを楽しんでいたとき、「今度一緒に本物のそこに出てくるクッキー作ってみる?」と誘いました。すると目を輝かせて「つくる!!」と大興奮。他にも、幼稚園のころですが、僕が触っているPCが羨ましかった娘と一緒に段ボールでPCを作ったりもしました。

夏休みなら、時間もたっぷりあります。「そのゲームに出てくる虫、本物を探しに行かない?」「ゲームの舞台になってる場所、調べてみよう」など、ゲームをきっかけに新しい体験へつなげることができます。

大切なのは、無理強いしないこと。「ゲームも楽しいけど、他にもこんな楽しいことがあるよ」という提案のスタンスで声をかけてみてください。

【声かけ3】親子の時間を自然に作る声かけ

親子で話す様子出典:stock.adobe.com

最後にお伝えしたいのは、一緒にゲームをすることの効果です。

「パパといっしょにやろう」と言って、実際に娘と一緒にゲームをしてみました。すると、娘は先生になったような気持ちで、得意げに操作方法を教えてくれます。

そんな時間を過ごしていると、娘の方から「パパ、今度また一緒に遊ぼう!」「今日は、ゲームじゃなくて違うことしたい」とひとりで黙々と遊ぶのではなく、一緒に何かをやろうという傾向が強まっていきました。

「ゲームをやめて手伝って」ではなく「一緒にやろう」。この声かけの違いで、子どもは「選ばされている」のではなく「選んでいる」という感覚を持てるようになります。

娘と一緒にゲームをして気づいたのは、子どもたちは決して「ゲームだけ」をしたいわけではないということ。親が自分に関心を持ってくれて、一緒に何かを楽しんでくれることを、実はとても求めているんです。

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著者

三木智有

三木智有

NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家/子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。著書に『家族全員自分で動く チーム家事』がある。

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