今回教えてくれたのは、マンダム 広報部 根岸沙英さん(左)と、心理学 専門家 晴香葉子先生(右)。さっそく汗・におい対策について紹介します。
汗やにおいの悩みには「予防ケア」がカギ
満員電車や人と近づく場面で、自分の汗のにおいが気になる……。そんなときに、周囲の目が気になって不安になる方も多いですよね。では、どのような対策をするとよいのでしょうか。
根岸さんによると、汗のにおいケアには大きくわけて「予防」と「対処」があり、より重要なのは「予防」のケアなのだと言います。
根岸さん「においが発生するメカニズムは、汗や皮脂と皮膚上にいる細菌が混ざることで生じるため、汗や皮脂を減らすことが効果的なアプローチのひとつになります。汗や皮脂を減らす対策として、発生するものを減らす“予防”と、かいた汗をふき取ったり洗い流す“対処”があります。
特に発汗量が多いワキの部位には、外出前の朝の身だしなみとして、予防に効果的なロールオンなどの直塗剤型を取り入れることをおすすめします。」
やりがちだけど逆効果!汗やにおい対策の「NG行動3選」
自分の汗やにおいが気になると、つい慌てて対処したくなりますが、間違ったケアは逆効果になることもあるそうです。根岸さんに、やらないほうがいい3つのNG対策を教えていただきました。
NG1.汗をふき取らずに制汗剤を塗る
根岸さん「汗をそのまま放置したり、汗の上から制汗剤を塗り重ねることはおすすめしません。もしも外出先などで汗やにおいが気になった際には、ボディペーパーや濡れたタオルなどでふき取って清潔な状態にリセットしてから制汗剤を使用すると、より効果が持続しやすくなります。」
NG2.制汗剤を狭い範囲だけに塗る
根岸さん「特にワキなど、汗とにおいが発生しやすい箇所にはロールオンタイプの制汗剤が適しています。狭い範囲だけに塗るのではなく、二の腕から脇腹までをイメージして、しっかりと広範囲に塗布して乾かすことが大切です。」
NG3.水分補給を控える
根岸さん「汗をかくことは大切な生命維持機能なので、汗をかきたくないからと水分補給を控えることは、絶対に避けてください。」
実は、においだけじゃなかった。汗が与える意外な「2つのデメリット」
汗は体温調節のために欠かせないものですが、晴香先生によると、実はにおい以外にも私たちの印象や行動に影響を与えることがあるとのこと。汗がもたらすデメリットには2つのポイントがあると言います。
1.印象に影響してしまう
晴香先生「汗の絵文字が困ったときの表現に使われるように、汗をかいている姿は『自信のなさ』や『焦り』といった劣勢な印象につながりがちです。
さらに、『汗をかいていることを気づかれたくない』という思いから不安や緊張が高まってしまうことも。不安を感じると交感神経の働きが活発になるため、血圧の上昇、心拍数や呼吸数の増加といった変化に加えて、ますます発汗が促進されてしまうことも考えられます。」
2.パフォーマンスが低下してしまう
※マンダム 2025年3月「汗に関する調査」
晴香先生「汗が気になることで、パフォーマンスが3割以上も下がると答えた人が多数いることが調査(※)の結果からもわかっています。これは『二重課題干渉』と呼ばれる現象で、私たちは二つの課題に同時に取り組むと、どちらのパフォーマンスも低下するという傾向があるのです。汗のことに気を取られてしまうと、いつも通りの力を発揮するのが難しくなってしまうことがあります。」
汗をかきやすい人こそ意識したい「服装のTPOと好印象コーデ」
汗をかきやすい人にとって、暑い時期の服選びは悩みの種。服装も意識すると、印象大きく変わるのだと晴香先生。清潔感を印象づけるためには、服装の選び方にコツがあるそうですよ。
晴香先生「暑い日はつい後回しになってしまうこともありますが、季節を問わず、服装のTPOは大切なマナーです。汗をかきやすい人でも、機能性と心理効果に注目すれば、その場に相応しい好感度の高いコーディネイトが可能です。
肌に直接あたるインナーやノースリーブのワンピースなどは、汗をしっかり吸い、速乾性が高い素材のものを選ぶと快適に過ごせます。さらに、黒、紺、白など、汗が目立ちにくい色のものを選んでみましょう。そこに、シチュエーションに合わせて羽織ものを合わせるのがおすすめです。透け感のある涼し気な色のものを選べば、視覚からの心理効果で爽やさが相手にも伝わり、好印象につながります。」
汗やにおい対策をすることの「3つのメリット」
最後に、前もって汗やにおい対策をすることで得られるメリットを晴香先生に教えていただきました。
1.心理的な安心感が得られる
晴香先生「『汗対策ができている』という事実が、心理的な効力感を高めてくれます。緊張して汗が出てきても、事前の準備が安心感につながり、心の状態に起因する“緊張汗”のコントロールにも効果的です。」
2.パフォーマンスが安定する
晴香先生「対策ができていれば、汗に気をとられずに済み、仕事などの目の前のことに集中することができます。余計な不安にとらわれず、いつも通りのベストなパフォーマンスを発揮しやすくなります。」
3.ポジティブな第一印象を与えられる
晴香先生「汗やにおいの不安がないことで、相手にネガティブな印象を与えてしまうという心配が減らせます。清潔感や爽やかさ、自信のある第一印象を築くことができます。」
汗やにおいの悩みは、見た目だけでなく心や行動にも影響を与えるもの。だからこそ、予防ケアや服装の工夫で、快適さと好印象の両方を手に入れられるとよいですね!