教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん

株式会社コレット代表取締役。心理学、脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)/最新刊『私は私を幸せにできる』(KADOKAWA)がある。
幸福度が高い人が実践している「思考をオフにする習慣」5選
冬は、外の静けさとは裏腹に、心の中で“思考の渋滞”が起きやすい季節です。予定や人間関係、将来のことなど、あれこれ考えすぎてしまってモヤモヤしていませんか?
そんな中でも、幸福度が高い人たちは“考えすぎ”をやさしくリセットし、自分を見失わない工夫をしています。今回は、脳を整え、心を軽くする“思考オフ習慣”を5つご紹介します。
1.5分の書き出し習慣で「脳のメモリ掃除」をする
頭の中に溜まった不安や予定を紙に書き出すことで、脳は「もう覚えていなくていい」と判断します。これは、心理学でいう“アウトプット効果”です。
夜寝る前や空いた時間に5分だけ、「気になること」や「今日の気づき」を書き出してみましょう。脳が安心し、感情の整理も自然と進んでいきます。
2.考える時間を「あえて区切る」
脳は、繰り返し考える“反すう思考”が得意です。特にマイナスなことは、つい延々と考えてしまいますよね。幸福度が高い人は、そんな脳の習性にどう対処すればいいのか、自分なりの答えを持っています。まずは「考える時間を決める」ことで、脳の疲労を防いでみませんか?
たとえば、「悩むのは15分だけ」「夜9時以降は考えるのではなく、別のことをする」など、ルールを作りましょう。こうすると、脳が“考え終わる安心感”を覚え、自然と切り替えられるようになります。
3. 「五感で今を味わう」時間を持つ
考えすぎているとき、人は“今ここ”を生きていません。温かいお茶を味わう、湯船で香りを感じる、冬の星空を見上げる——そんなふうに、五感で今を味わい、冬の寒さも季節を楽しむきっかけに変えてみましょう。
五感に意識を戻すと、脳内ではセロトニンが分泌されて思考が静まり、「今の自分とつながっている」という安心感が戻ってきます。
4.考えを「自分の内なる声」として聴く
考えすぎる人ほど、頭の中の思考を“事実”として信じ込みやすい傾向があります。一方で幸福度が高い人は「今の私は何を感じている?」「本当はどうしたい?」と、思考の裏にある“自分の感情”に耳を傾けることが得意です。
ノートに「私は〇〇と感じている」と書くだけでも、それが事実なのか、ただ自分がそう思っているだけなのかを整理することができます。思考を“自己理解”の時間に変え、自分の内なる声を聴くことは、最大のメンタルケアになります。
5.夜の「思考オフ儀式」をつくる
幸福度が高い人は、1日の終わりに“脳のスイッチを切る”ルーティンを持っています。照明を落とす、アロマを焚く、その日に感謝した出来事を3つ書く、お気に入りの本を読むなど、あなたの脳がリラックスできる儀式を習慣化してみましょう。
そうすることで、脳は「これをしたら休む」と覚えるため、副交感神経が優位になり、深い眠りにつながります。同時に、翌朝のリセット力も高まっていきますよ。
考えすぎを「やさしくリセット」する習慣を
“考えすぎ”を無理に止めようとする必要はありません。思考を自分の内側から外に出し、本音や気持ちを冷静に見つめることで、脳は静かに整っていきます。
冬の夜は、自分と向き合いながら、心をそっと温める“思考オフの時間”を過ごしてみてくださいね。





