教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん

株式会社コレット代表取締役。心理学、脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)/最新刊『私は私を幸せにできる』(KADOKAWA)がある。
幸福度が高い人が実践している「パートナーとの心を近づける3つの習慣」
長く一緒にいるパートナーとの関係は、放っておくと「空気」のように無色透明になるか、「義務」のように重たくなるかのどちらかになりがちです。
しかし、世の中には、何年経ってもお互いを慈しみ合い、一緒にいることでエネルギーを循環させている「幸福度の高いカップル」が確かに存在します。彼らは、特別な記念日に豪華な演出をしているわけではなく、日常の「1分」の使い方が驚くほど丁寧だという特徴があります。
今回は、幸福度の高い人たちが実践している「心を近づける習慣」を3つご紹介します。
1.「背中への声かけ」を「顔を見て1分」に変える
関係が冷えきる最大の原因は、会話の“質”の低下です。「ご飯できたよ」「〇〇しておいて」といった、業務連絡だけが行き交う日常。幸福度が高い人は、そこに「1分間の温かさや思いやり」をさりげなく差し込んでいます。
大切なのは、家事をしながらの“ながら会話”を卒業すること。相手が帰宅したときや自分が外出するとき、一度手を止めて、相手の目を見て1分だけ話す。たったこれだけで、脳は「自分はこの人に大切にされている」と強く感じられるようになります。
実践のヒント
「おかえり」だけでなく、「今日、顔色いいね」や「外、寒かった?」など、相手のコンディションに触れるひと言を添えてみましょう。小さな気遣いや気づきが、信頼を深めることにつながります。
2.「正解」よりも「感触」を共有する
つい人は問題解決に走りがちですが、幸福度の高い関係では、論理よりも「感情の共有」が大切にされています。今日あった出来事の“正しさ”を議論するのではなく、「そのとき自分がどう感じたか」という“心の感触”をシェアすることが、関係を深めるカギになるのです。
また、「マイクロ・スキンシップ」、つまり、言葉以外でのコミュニケーションが多いのも特徴です。すれ違いざまに肩に手を置く、テレビを見ているときに膝が触れる。そんなさりげない接触が、ストレスを和らげるホルモンである「オキシトシン」を分泌させ、言葉以上に「味方であること」を伝えます。
実践のヒント
「今日ね、ちょっといいことがあって、あなたに一番に言いたかったんだ」。この「あなたに一番に」というひと言は、相手の特別感をくすぐり、二人の心理的距離をぐっと縮めてくれます。
3.「凪(なぎ)」の状態を、最高の贅沢な時間と捉える
意外に思われるかもしれませんが、幸福度が高い人は、無理に場を盛り上げようとしません。沈黙が流れても、それを「気まずさ」ではなく「平穏」として楽しみます。 お互いに別々のことをしていても、同じ空間にいるだけで「満たされている」と感じられる——。そんな“凪”の時間を心地よく共有できるのは、相手への深い信頼があるからこそです。
実践のヒント
無言の時間が流れたときこそ、「静けさならではの心地よさ」を感じてみてください。沈黙が至福のひとときに変わると、人生に贅沢な時間が増えていきます。
「理想」を追うより、「今」を耕す
パートナーシップは、一度完成したら終わりという「建物」ではありません。日々少しずつ手を入れて育てていく「庭」のようなもの。派手なイベントは、あくまでも彩りです。本当に大切なのは、今日という一日の終わりに、相手の目を見て、その存在をねぎらうといった小さな積み重ねです。これが、5年後、10年後のあなたの幸福度を支える「深い根」になります。
愛は、激しさよりも、「深さ」と「静けさ」の中にこそ、真の信頼の強さが結ばれていくものです。今この時間が当たり前ではないことを忘れずに、毎日を慈しみながら過ごしていきたいですね。




