つい口を出してしまって後悔。「子どもの主体性」を育てる“3つのヒント”

家族・人間関係

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2026.02.21

臨床心理士・公認心理師のyukoです。まじめでしっかり者の親御さんほど、「つい先回りしてしまう」と後悔を口にされる方が多いです。先回りして導くのは悪いことばかりではありませんが、子ども自身が決断していくのことも大切なこと。先回りしたくなる気持ちを、どう手放していくかを考えます。

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また先回りしてしまったと後悔。

受験校を絞りきれていない小5の娘。中学のパンフレットを見ていたので、「今の成績ならこのあたりが無難だよね。通学の面で考えるとこっちだし、でも部活動の数だと……」とつい話し出してしまった。「後から困らないようにちゃんと考えよう」と伝えると、娘は少し疲れた表情で「うん、今日はもういいや」と部屋に行ってしまった。後から「また先回りしてしまった」と反省。でも後悔してほしくない、失敗してほしくない気持ちとはどう付き合えばよいのだろう。

思春期の子どもと親出典:stock.adobe.com

多くの親御さんは「口出ししないほうがいい」と頭ではわかっています。
それでもつい、先回りして声をかけてしまう方は多いのではないでしょうか。

たとえば、

  • 忘れたら困ると思うと、先に声をかける
  • 失敗が見えると、回避ルートを提示してしまう
  • 考え始めた瞬間に、「それよりこうしたら?」と口が出る

先回りして声をかける親御さんは、必ずしも過干渉なわけではなく、段取り力が高く、先を読むのが得意な人が多いです。
また、自分が苦労してきたからこそ、「同じ思いはさせたくない」という気持ちが強い方もいます。

しかしその「善意の先回り」が、いつの間にか子どもから「考える時間」や「決める余地」を奪ってしまうことも。
先回りしたくなる気持ちとの付き合い方を考えてみましょう。

 失敗させたくない。遠回りしてほしくない。その思いが、いつの間にか“考える役目”も親が担ってしまうことがあります。

先回りを手放すための、3つのこと

「決断の責任」を先に引き受けない

親は無意識のうちに、「失敗したら立ち直れるかな」「後悔させたらかわいそう」と、まだ起きていない未来まで心配してしまいます。
その結果、「それはやめた方がいいんじゃない?」「こっちの方が無難だよ」と、安全そうな選択肢を差し出してしまう。

一見、子どもに選ばせているようで、実は失敗しない道を親が決め、責任も親が背負っている状態です。
これが続くと、子どもは 「決めるのは怖い」「うまくいかなかったら申し訳ない」と感じやすくなります。

そのため、

  • 「どれを選んでも、今は練習みたいなものだよ」
  • 「あとで変えてもいい前提で考えてみよう」

など、責任を軽くしてあげることで、子どもは選択しやすくなります。

会話する親子出典:stock.adobe.com

責任をとるのは親ではない、でも子どもも責任をとりきらなくてよい。
難しい境界ですが、クッションになる言葉を挟んで一緒に考えてあげられるとよいでしょう。

「迷っていい時間」をつくる

迷っている時間、迷っている自分が苦手な人は多いです。

親が待てない場合は、「自分と子どもは決める時間の長さ、決め方のタイプが違うのかな?」と一度立ち止まって考えてみるのがおすすめ。
子ども自身が、“迷っている状態”を引き受けられず「もう、これでいいや」「ママが決めて」など選択を投げ出そうとする場合は、一旦保留の時間をあえて作ることが必要です。

  • 「3日間、お互いに考えてみよう」
  • 「決められないことは、ダメじゃないよ」
  • 「白か黒じゃなくて、グレーな答えもありだよ」

迷っている状態、悩んでいる状態も肯定してあげると、子どもは自分自身でしっかり考えることができてきます。

「親の意見」は最後に、短く添える

親が伝えたい考えがあるときは、最後に短く添えるくらいがよいでしょう。

  • 子どもの考えを最後まで聞く
  • 「そう考えた理由」を確認する
  • 最後に一言だけ、親の視点を足す

会話する親子出典:stock.adobe.com

たとえば、「たしかにそうだね。私はこういう見方もあるかな、と思ったけどどう思う?」など。
このとき、「いや、やっぱり自分の思うようにしたい!」と子どもが言えるくらいの余裕をもった尋ね方をするのが重要です。

説得ではなく、追加情報くらいのポジションで添えるのが肝。
この微妙な距離感が、“干渉”と“支援”の境目になってきます。

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子どもの人生、誰がハンドルを持つ?

先回りを手放すのはたしかに不安です。
しかし代わりに「あなたの人生のハンドルは、あなたにある」と伝えることができます。

結果がうまくいかなくても、「だから言ったでしょ」ではなく、「ちゃんと自分で決めたのが偉かったよ」と伝えられたら親子ともに満点です。
答えは親が知っているものではなく、子ども自身の中で育っていくもの。
そんな風に考えながら、先回りを手放していけるとよいでしょう。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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