「子どもが挑戦しなくなる」親の無意識の声かけ

家族・人間関係

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2026.03.04

臨床心理士・公認心理師のyukoです。一見、厳格で叱責の多い家庭の子ほど失敗を避けると思われがちですが、実は逆。優しくて思いやりのある家庭で育ってきた子が失敗を恐れ、挑戦しないケースも多いんです。子どもが挑戦しなくなる家庭に共通する親の関わり方を考えます。

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子どもを守るための「無理しなくていいよ」

五年生の息子。「やっぱり人気の体育委員の立候補、やめとく」とぽつり。クラスの係決めで迷っていたはずだった。理由を聞くと、「他の子が選ばれて、落ちたら恥ずかしいし」。私はとっさに「そっか、無理しなくていいよ」「確実なのにしなよ」と返した。安心させたかっただけ、傷ついてほしくないし。しかしその後、”挑戦する機会”を手放させてしまったのかもとモヤモヤ。

悩む親出典:stock.adobe.com

高学年くらいになると、子どもは自分の立ち位置をよく分かっています。
できること、できないこと。人気のある子、目立つ子。
その中で「失敗しない選択」を選ぶ子が増えています。

「失敗しない選択」をしやすい子の家庭での“ある反応”が積み重なっていることがあります。
どんな反応が、子どもの挑戦を妨げてしまうのか。どんな関わりが子どもの挑戦を引き出すのかを考えてみます。

挑戦を避けたくなる心理とは?

失敗しない選択を選ぶ、挑戦を避ける子の家庭で多いのは、叱責や説教ではありません。むしろ逆で、一見優しい声かけです。

  • 「無理しなくていいよ(無理かもしれないならやめときなよ)」
  • 「挑戦するなら本気でやりなさい」
  • 「あなたならできると思ったんだけどな」

どれも正論で、期待で、悪気はありません。
しかし、これらの言葉には共通点があるんです。
それは、”挑戦=評価される場”であり、”やるなら結果を出さなきゃいけない”という点。

挑戦するということは、結果を求められる。
その思考が癖づいていると、結果が読めないことに手を出しづらくなります。

では、どのような関わり方であれば、子どもの挑戦したい力を支えていけるのでしょうか。

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“挑戦を止める反応”から、”挑戦しようと思える”関わりへ

結果ではなく、動機に注目する

  • 「文化祭の演劇、オーディション受けてみようかな」→「受かる可能性あるの?」
  • 「ダンスやってみたいな」→「長続きするの?」

向き合う親子出典:stock.adobe.com

このような声かけは、「挑戦=勝算のある賭け」に繋げます。
言われてみると、そこまでの勝算はないかもしれないと感じると、挑戦を控えやすくなるもの。

代わりに、「やってみたいって思ったんだ」「どんなところに惹かれたの?」と動機に注目してあげられるとよいでしょう。
動機が強まりチャレンジする覚悟ができたり、挑戦のための計画を自分で立てられたりと、意欲に繋がる関わりとなります。

他人と比べるのではなく、自分軸で考える

  • 「今回の選抜もダメだった」→「でも他にも落ちた子いるでしょ?」
  • 「テストの結果、いまいちだった」→「平均点よりは上だからいいんじゃない?」

一見優しい言葉なのですが、勝ち負けが基準になっている声かけです。
他の人と比べて考える軸ではなく、自分軸に持っていくのがポイント。

代わりに、「自分としてはどう感じてる?」「前の自分と比べるとどうだった?」などと声をかけてみてください。
”挑戦=他人との競争”というイメージから、”挑戦=自分の成長につながる経験”に変えていけるといいですよね

親の心配は脇に置いておく

  • 「委員長やってみたいけど、自信ないなあ」→「じゃあ副委員長にしとけば?」
  • 「上のクラス行きたいけど、ついていけるか不安」→「今のままでいいんじゃない?」
  • 「自分から誘ってみたいけど、断られたら嫌だな」→「無理して誘わなくていいよ」

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子どもを想い、傷ついてほしくないと感じる方こそ、かけてしまいがちなこれらの言葉。
安心の提供となっている一方、”失敗する可能性は避けたほうがよい”と伝えていることにもなってしまうんですね。

子どもから不安がでたら、すぐに不安を消してあげるのではなく、「もし失敗したときの予防策」を一緒に立てるのもひとつ。
「もしうまくいかなかったらどんなプランにする?」と、予防策を立てておけると、安心して挑戦に向かえます。

子どもに傷ついてほしくない、子どもを守ってあげたい。
そんな優しい親心に、子どもは支えられてここまできたことと思います。

しかしこれからは、「うまくいかなくても大丈夫」「傷ついても立ち直れる」。
挑戦して、失敗しても、終わりじゃないと思える心を育てていくのも大切
です。
子どものもつ力を信じて、前向きな挑戦を支えていけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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