約束を守らないから信用できない。どうしたらいい?
小学5年生の息子。ゲームは1日1時間と決めているが、気づけば過ぎていることが多い。外に遊びに出かけるときの門限も17時に定めているのに、少し過ぎて帰ってくることがほとんど。最近は「あと10分だよ! あと5分!」と口うるさくなってしまったり、外出時は「どこ行くの? 何時に帰るかわかってる?」としつこく言ってしまう。本人を信じたいが、日に日に口うるさく厳しくなってしまっている気がする。
小学校高学年くらいになると、“本人の主体性に任せる”、“自分のことは自分で管理させる”のが理想とされています。
しかし親御さんからよく聞くのは「この子をまだ信用できない」という言葉。
子どもの主体性を伸ばしていくためには、「親が子どもを信じる→見守る→主体性が育つ」過程が必要です。
どのように子どもを信じ、見守っていけばよいのでしょうか。
「信じられない」は、子どもの問題だけではない
「この子を信用していいかわからない」と不安に感じている親御さんは多いと思います。
信用できないというと一見、「子どもが危なっかしい」「自分自身を制御できない」など子ども側の問題に思えますが、実は「親自身が、信じ方がわからない」のかもしれません。
親はどうしても守られなかったときや失敗したときに強く意識が向くもの。
すると、「また同じことが起きるのでは」という予測が先に立ち、結果として制限が強くなります。
しかし逆転の発想で、「先に信用する視点」をもつのが有効になってくるんです。
では、どのように視点を変えていけばよいのでしょうか。
子どもを信じるために、親が先に視点を変える
「守らせる前提」から「調整する前提」へ変える
「約束は守らせるもの」という考えから「約束は一緒に調整するもの」に変えてみるのが第一歩です。
たとえば
- ゲームの時間:「1時間だから終わり!」→「あとどれくらいで終われそう?」
- 帰宅時間:「17時までに帰ってきなさいよ」→「今日行くのはどこ? 何時に出られそう?」
- 宿題:「早く終わらせなさい」→「いつなら取りかかりやすそう?」
ルールを緩めるのではなく、子どもが自分で調整する経験を増やす関わりを入れるのがポイント。
押し付けられる感覚から、自分で選んだ感覚にしていくのが大切なんです。
「疑う質問」ではなく「前提を信じた質問」にする
約束が守られていないと、つい“どうせまた守れないのでは”と疑った質問になりやすいもの。
しかし子どもは疑われていると感じると、反発心や“どうせ自分は”という気持ちから余計に約束を守らなくなってしまうもの。
- 「ゲームは時間通りに終わるつもりあるの?」→「今日はあと何分くらい?」
- 「本当にその時間に帰ってくるの?」→「帰る時間、どうやって気づけそう?」
- 「宿題どうせやってないでしょ」→「宿題は何時くらいにやる?」
同じ内容でも、問い方によって伝わるメッセージは大きく変わります。
不信感ではなく、信頼を前提にした問いかけをすることで、“親は自分を信用してくれてるんだ”と前向きにとらえられます
任せる、失敗する、立て直す
信頼を育てる上で欠かせないのが、「少し任せて、少し失敗する」経験をどう扱うかです。
たとえば
- 帰宅時間を5分だけ遅れてしまう→「遅れそうなとき、どうすればよかった?」と振り返る
- ゲームをやめる時間を過ぎてしまう→「あと5分で終わるために、どんな合図があるとよさそう?」と具体策を一緒に考える
- 友達との約束をうっかり忘れる→「次はどうしたら忘れにくい?」と尋ねて工夫を考える
「だから言ったでしょ」ではなく「じゃあ次どうする?」と切り替えることが大切。
先回りして防ぐのではなく、「任せる→失敗する→立て直す」経験が、自分で調整する感覚を育てていきます。
信頼は「結果」ではなく「関係のつくり方」
子どもを信じることは、簡単なことではありません。
だからこそ、難しいかもしれませんが「子どもが約束を守るのが先」ではなく「親が信じるのが先」にしてみる。
そうすると子どもは「管理される側」ではなく、「信じられている側」として振る舞い始めます。
そしてその結果、「一緒に作った約束を守れるようになる」「自分で考えて動けるようになる」。
子どもが変わってほしいとき、先に親が変わってみると、意外な突破口になることは多いです。
子どもと一緒に成長する感覚を味わっていけるといいですよね。



