【子どもの受験】「この子には後悔してほしくない」臨床心理士が教える、過去の自分を重ねない方法

家族・人間関係

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2026.08.12

臨床心理士・公認心理師のyukoです。子どもの受験期間には、親自身の後悔や失敗体験、「同じ思いをさせたくない」という気持ちが子育てに入りこんできます。「私だったらこうする」「子どもには後悔してほしくない」と願う愛情が、過度な期待や不安になってしまうことも。親自身の過去をどう整理し、目の前の子どもとどう向き合えばいいのかを考えます。

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今見ているのは娘自身?それとも過去の自分?

小5の娘はあと1年半で受験本番。娘の受験が近づくと、自身の過去を鮮明に思い出す。第一志望に届かなかったあのとき、「もっと頑張っていれば」。だから娘には同じ思いをさせまいと、「今日は勉強しなくて大丈夫?」「そのペースで間に合う?」と、つい声をかけてしまう。娘から「自分でやってるから大丈夫」と不機嫌に返され、ふと、自分の過去と娘を重ねてしまっているかもと感じた。

考える女性出典:stock.adobe.com

「もっと勉強しておけばよかった」「あのときなんでもっと頑張らなかったんだろう」
親自身が悔しい経験や後悔を抱えていると、「わが子には同じ思いをさせたくない」と願うもの。
問題なのは、その気持ちがあることではありません。
親自身の過去の記憶によって、目の前の子どもを冷静に見られなくなると、親子関係に影響が出ることもあります。
親自身の気持ちの整理の仕方と、家庭での関わり方を考えていきます。

 「この子には同じ思いをさせたくない」は自然な親心

「教育コンプレックス」と聞くと、学歴のレベルや親の厳しい教育を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、今回カギになるのは、親自身の「過去の後悔」が現在の子育てに入り込んでしまうことです。

たとえば、

子どもが少し勉強を後回しにしただけで、「このままでは私と同じになる」という未来まで見えてしまう。
すると、親は「今」の子どもではなく、「あの頃の自分」に反応してしまう。
子どもに声をかけているようで、実は昔の自分を助けようとして、感情的になってしまう。

悩む子ども出典:stock.adobe.com

親が多少感情的になるのは自然なことですが、不安や焦りを強く子どもにぶつけてしまうと、子どもが息苦しくなってしまいます。
親の不安を子どもに託さないようにするには、どうすればよいのでしょうか。

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 親の過去と子どもの現在を切り分ける3つの方法

「心配」を言う前に、目の前の事実を見る

「この子、このままで大丈夫かな」と不安に思ったら、まずは頭の中で事実だけを並べてみます。

たとえば、

  • 今日は宿題を終えている
  • テストまで、まだ1週間ある
  • 昨日は30分以上机に向かっていた

ここに、「このままだと困る」「きっと後悔する」といった予想は入れません。
どうしても気持ちが入ってしまう場合は、AIに気持ちの整理を手伝ってもらうのもひとつ。
「親自身の過去」「今感じている不安や焦り」「子どもの現在」「目の前にある事実」。これらを分けて考えられると、子どもへの声かけや態度にも余裕がうまれやすくなります。

「私だったら」をいったん脇に置く

親の過去と子どもの今を重ねているとき、親は無意識に「私だったら」と考えてしまいます。
「私ならもっと焦る」「私なら絶対やる」「私なら後悔する」。
知らず知らずのうちに「私」が主語になっていると、子どもに不安をぶつけてしまいます。

会話する親子出典:stock.adobe.com

そのため意識的に「あなた」「子ども」を主語に話す必要があるんです。
「あなたはどう思ってる?」「〇〇の今の調子はどんな感じ?」

親自身の物差しを少し脇に置くだけで、子どもの考えが見えてくることがあります。

 焦った日は、教育の話をしない

親自身が不安や焦りを強く感じている日は、子どもへの声かけも自然と強くなります。

たとえば、

  • 仕事で嫌なことがあった日
  • 受験の記事を読んで不安になった日
  • SNSで「○○中学合格」という投稿を見た日

そんな日は、教育について話さないと決めるのがおすすめです。
不安に思っていても、ぐっと心の中に留めてみてください。

翌日になると、「昨日ほど気にならないな」と思うことが少なくないからです。
声をかける、やる気を引き出す、勉強を促すことだけが子どもへのサポートではありません。
「今日は見守る」と決めるのも、子どもにとって大事な支えになるんですね。

「この子には同じ思いをさせたくない」。
その願いは、子どもを大切に思うからこそ生まれるもの。
けれど、その気持ちが強くなりすぎると、親は目の前の子どもではなく、過去の自分を見始めてしまいます。

子どもは、親の後悔をやり直す存在ではなく、一人の人として、自分の人生を歩いていく存在です。
子どもに過去の自分を重ねるのではなく、子どものそばで見守る伴走者として、子どもを応援していけるといいですよね。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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