ブランドの力を活用して、自分自身をブランドに変えていく
無駄なぜいたくをする必要はありませんが、外見などの「かたち」から自分を変えていくことはとても大切なこと。とくに服は、きちんとしたブランドの服を着ることをおすすめします。
笑ってしまうような実験があります。ブランドのロゴがついた服と、ついていない服を着た人がそれぞれ街頭アンケートをしたところ、ブランドの服を着ていない人には7人にひとりしか応じなかったのに対し、ブランドの服を着ていた人には、なんと半数以上の人が応じたというのです。そのくらい、人はブランドものを着ている人を大事に扱おうと思うわけですね。
また、寄付金を募った場合でも、ブランドのロゴがついている服とついていない服を着た人で、倍額ほどのちがいが出たという実験結果もあります。寄付金を集めるときは、むしろブランドのロゴはないほうが良さそうに思えますが、実際はブランドのロゴがついた服を着た人のほうに、たくさんのお金が集まったのです。
つまり、「この人に寄付すれば自分をいい人だと思ってもらえるかも」「こっちの人と親しくなったほうが得かも」と、多くの人が思ったということ。ブランドの服を着ることで信頼性が高まり、なにかしら「評価に値するもの」を持っている人だと思われるわけです。
ならば、ブランドの力を利用しない手はないと思うのです。まだ自分自身がブランドにならないうちは、「かたち」としてのブランドを活用してみる。そうして、少しずつ慣れていくことで、自分自身がブランドになっていけばいいのです。
逆にいうと、世間で名前がそのままブランドになっているような人たちは、自分の名前をブランドにする努力を、ずっと続けてきた人たちなのです。
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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。
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