イライラ・ピリピリの空気になる一歩手前が肝心!
わが家はケンカもなく、よく会話もするいわゆる仲良し夫婦だと思います。
それでも、お互いがそれぞれの事情でイライラしていたり、家の中の空気がピリピリすることはあります。人間だもの……ではないですが、それ自体は仕方がないですし、当たり前のことです。
そうしたときに、そのままイライラ、ピリピリを放置して臨界点まで行ってしまうのか、その手前で元に戻るのかというのは大きな違いです。
その戻り方に、いくつかコツがあるのです。そのコツをお伝えします。
まずは「自分の心を整理する」
当たり前なのですが、自分が冷静になっていないと一触即発になってしまいます。
パートナーとの心の距離を縮める前に、まずは自分の心を穏やかに整えるようにしたいところ。
でもそれは、けして「我慢する」「なかったことにする」などではありません。それでは自分に負担がかかりますからね。
そんな時におすすめは、とにかく「書く!」。
とりつくろわないで、心のままに書いたほうがいいですよ。誰が読むわけでもないですから。
例えばこんな風に。
「いつも忙しそうで話しかけにくい、本当にそんなに四六時中忙しいの?」
「質問されたから答えているのに、それに対して返事が返ってこない、聞いているのか?」
「こっちが家事や仕事を片付けているのに、長時間ダラダラしている姿を見るのが苦痛」
「仕事中だからと静かにしていなくてはならないのが息苦しい」
こんな理路整然としなくても「疲れた」「寝たい」「ご飯作りたくない」などの"自分が今感じている気持ち”を根こそぎ書けばいいんです。
「自分の心の中の感情を紙に書き出す」というのは心理学では定番の心の整理方法ですが、その効果はさすがです。
いぜん、妻と意見が真っ二つに割れて議論になりかけたとき、いったん時間を空けてその間自分の気持をiPhoneのメモに全部書きだしたことがありました。書いているうちに、気持ちもすっきりするし、相手へのイライラも不信感も消えていくのがわかりました。
この書き出すということは、まるで自分の感情や相手への不毛な攻撃的要素をふるいにかけて、大切なメッセージだけを手元に残すような作業でした。
夫との心の距離を詰めようと、いきなり夫へアプローチをかける前に。
まず、紙やスマホに全部書き出して、自分の心を整理してみてください。
基本は「感謝のコミュニケーション」を心がける
自分の心の整理がある程度できたら、いよいよ夫との距離を詰めていきます。
今回は、はっきりとした原因のあるケンカではなくて、普段の何気ない態度から夫婦の間の空気が悪い、という時を前提にしています。
そんなときに効果的なのは「感謝のコミュニケーション」です。
これまで色んな男性側の話を聞いていて感じたのは「家の中で蔑ろにされていると感じる=さみしさ」を感じている人が結構多いということです。
「子どもとママとの間には空気とか暗黙の了解とかがあって、自分の居場所がない気がする」
「ずっと家にいると、異物のようになった気がしてしまう」
「家にいるとなんとなく落ち着かない」
実際にこういった声をよく聞きます。その結果、空気のように存在感を消すパパもいれば、威圧感で自分の存在と居場所をアピールする人と、タイプは色々ですが、居場所のなさを感じているのは間違いがない様子。
褒めるより喜ぶ
そこで有効なのが「喜ぶ」ということ。
家事シェアのコツにも共通するのですが、大人は「褒めてもらいたくて」家事をするわけではありません。でも「喜んで」もらえたら、自分の存在価値を感じることができるんです。
だから「自分がやってもらったら嬉しくなること」をお願いしてみましょう。
家事でも育児でも、何かをちょっと取って、でもいいし、休日に遊びに行く場所を調べてもらうでも、外食をエスコート(調べて連れて行ってもらう程度)でもなんでもいいのです。
そして、褒めるという評価ではなくて、喜ぶという自分の気持を伝えるコミュニケーションを心がけてみてください。
同じように、自分も夫が「こうしたら喜ぶかな?」ということを少しやってみてください。
肩揉みでも、アイスを買うでも、子どもと一緒にお手紙を書くでも、なんでもいいのです。
きっと、結婚する前の恋人時代は自然と「喜んでもらえたらうれしいな」と思って色々とやっていたと思うのです。
その時と同じでなくていいですが、その気持を持ってコミュニケーション取ることはとっても大切なことだと思うのです。
三木 智有
NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家 子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。初の著書『家事でモメない部屋づくり(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)』は好評発売中!
三木さんに聞く、ストレスなく家事シェアする方法をチェック!
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