【助産師に教わる性教育3】実践編!「赤ちゃんはどうやってできるの?」にどう答える?

家族・人間関係

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2021.05.07 更新

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編集Tが小5長女とやってみた!

「命の誕生」に関する長女の思い込みに愕然

小学5年生の長女がいる私(編集T)は、これまで子どもと「性」や「命」のはなしをすることを避けてきました。
長女が幼いときは、「赤ちゃんってお腹から出てくるの?」とか「結婚しないと赤ちゃん産めないよね?」と私に聞くことがあったのですが、そのたびに誤魔化していました。私の態度を見て、長女は「ママにこのはなしをするのはご法度」と感じるようになったようで、私にそんな質問をすることもなくなってしまいました。
小学5年生になった今、どうやら長女は「赤ちゃんは女の子の体にすでにいて、結婚するとその中の1人が自然発生的に大きくなる」と思い込んでいるよう。この現状に、私も「このままではいけない」と、焦りを感じるように。そこで、直井先生へのインタビューをきっかけに、この問題と向き合ってみることにしたのです。

1年も前に生理について学校で教わっていたことが判明

 直井先生のおはなしを聞いた後、「ママ、今日生理なの?」と長女が聞いてきたので、思い切って「生理のはなしって、学校で習った?」と尋ねてみました。すると、「小4で習ったよ」と、そっけない返事が返ってきました。この日の会話はこれで終了してしまいましたが、娘は約1年前にはすでに生理の授業を受けていたこと、そしてそれを私には伝えていなかったことがわかりました。

 ママ友に聞いてみると、その人のお子さんは「今日さー、生理のはなしを聞いたんだよ」と言ってきたとのこと。私が今まで子どもに「そのはなしやめてー」という雰囲気を出してしまっていたことを改めて反省…。

出産について、後ろ向きな発言も。でも、一歩ずつ前進!

 そこでまた別の日に、直井先生に教わったように、「あなたのことが大好き」というメッセージを前面に出しつつ、出産について話してみたところ、「赤ちゃんは可愛いけど、産むのは怖いからやだ」「生理は面倒だから来なくて良い」という、後ろ向きな発言も。「赤ちゃんはおへそから生まれる」という謎の発言もあり、「それ、授業でどう教わったんだ?」という疑問も残りました。

 ひとつひとつ、「赤ちゃん産むの怖いんだね。でも、赤ちゃんってめっちゃかわいいし、ママがそうなように、生まれてきたら幸せのステージ上がるかもよ?」とか「おへそからじゃなくて、お股から出るんだよ。そこはとっても大事な場所だから、パンツで隠して、絶対見せちゃだめだよ」などと話すことができました。

 まだ深いはなしはできておらず、彼女は何をわかっていて、どんなふうに受け止めているのか、わからない部分もあります。でも、最初に「ママ今日生理なの?」から始まって「生理って習った?」と聞き返した我が家の「性教育1回目」から、少しずつ話せる時間が長くなってきました。

 最初の日は「習ったよ」の一言で、正味10秒で強制終了された会話でしたが、今では5分くらい話せるようになりました。我が家では一歩を踏み出したばかりですが、その一歩を踏み出して、本当に良かったと思っています。これからも、この調子で続けていくつもりです。

***

目線を変えて工夫することで、子どもに話しにくいと思っていたことが、ぐっと伝えやすくなりますよ。ぜひ実践してみてください!

教えてくれたのは、直井亜紀さん

直井亜紀先生

助産師。一般社団法人ベビケア推進協会代表理事。
2児の母。2010年より中学3年生対象「いのちの授業」が埼玉県八潮市の必修授業に取り入れられる。関東地方を中心に、小・中・高校で命や性をテーマとした講演活動を精力的に行うほか、企業や専門職向けセミナーの講師も多数務める。第39回母子保健奨励賞受賞。令和元年度内閣府特命担当大臣表彰受賞。自身が企画、歌手を務めたCD「あかちゃんのうた」が童謡ランキング1位を獲得。2020年9月には『わが子に伝えたい お母さんのための性教育入門』(実務教育出版)が出版され、大きな反響を呼んでいる。

 

マンガ:ゆむい
『わが子に伝えたいお母さんのための性教育入門』より

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