【助産師に教わる性教育3】実践編!「赤ちゃんはどうやってできるの?」にどう答える?

家族・人間関係

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2021.05.07 更新

わが子の年齢が思春期に近づくにつれて、ますます気になる「性教育」。「大事なことだけど、恥ずかしくて自分ではとても教えられない…」なんてモヤモヤしている方も多いのでは? そこで、小・中学校や高校で「性」や「いのち」の授業をしている助産師の直井亜紀さんに、編集部がインタビュー。意外にも「自分にもできそう!」「簡単そう!」と思った「性」の伝え方を、3回にわたってお届けします。3回目の今回は、子どもと「性のはなし」「命のはなし」がしやすくなる話し方を、具体的に教わります。これを知っておけば、子どもの質問や言動にも、もう戸惑いません!

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前回までのお話の中で、性教育ってそもそも何? 性教育の知識の部分は学校任せで大丈夫? など親として知りたいことを色々と聞くことができました。今回は実際にある子どもからの質問に対する具体的な回答を聞いてみました。

子どもに「性」や「命」について聞かれたら、こう答えよう!

ーー子どもに性に関する質問をされて、戸惑う親は多いと思うのですが…

直井先生:不意打ちで質問されると戸惑いますよね(笑)。気をつけたいのは、「そんなこと知らなくていい!」と子どもの疑問を否定したり、ネガティブな答え方をしたりすること。そういう対応をすると、子どもから「親に性の話しをするのはNGだ」と思われてしまいかねないからです。いつか思春期になり性的な悩みをもったときに「親には相談できない」と思われてしまったら悲しいですよね。「うまく答えることができなくても、いっしょに考えたい」姿勢が大切だと思います。

では、子どもからの質問に対して、話しやすい表現のコツをお教えしますね。具体的に「こんな質問をされて困った!」ことはありますか?

ーー「赤ちゃんって、どうやって生まれてくるの?」という質問にはどう答えればいいですか?

直井先生:年齢によって話し方を変えると話しやすいですよ。5歳までだったら「おなかからうまれてくるんだよ」という説明で十分です。

ーーもっと大きい子の場合はどうでしょう?

直井先生:「生まれ方には二通りあるんだよ」と正しく伝えたいですね。
さらに、○○ちゃんが生れたときはね……と具体的に伝えるときに、こんな表現はいかがでしょうか。

経腟分娩で生まれたのであれば、「女の人の体にはいのちの通り道があってね。おしっこやうんちが出るところの真ん中にあるんだよ」という伝え方。また帝王切開であれば「おなかのおへその下に窓を開けて、お医者さんや看護師さんがお迎えに来てくれたんだよ」という表現が分かりやすいですよ。

ーー「なぜ、女の子だけ生理があるの?」という質問にはどう答えればいいですか?

直井先生:「女の人の体はいつか赤ちゃんを産むかもしれないから、長い時間をかけて体が準備するのが生理だよ」と伝えるのはいかがでしょうか。
ちなみにわたしは、自分の娘に「生理は毎月体から来るお手紙」だと教えました。「今月も元気だったよ」とか、「量が多いけれど、今月は疲れてるんじゃない?」とか、生理は体と向き合うきっかけにもつながります。また、もしも「生理って痛いの?」と聞かれたら、「痛い人もいるみたいだけど、ママはたいしたことないよ」のように答えてあげたいですね。「痛み」や「イライラ」など、ネガティブなイメージを親から刷り込まないようにしたいですね。

ーーでは「セックスって何?」と聞かれた場合はどう答えたらいいですか?

直井先生:この質問は「言葉の意味を知らずに尋ねているのか」、または「意味を知ったうえで、大人の反応を楽しんでいるのか」によって答え方が異なります。前者の場合は「赤ちゃんが生まれるために大切なことだよ」と、後者の場合は「学校で教わるよ」とサラっと答えればそれで十分です。

ーー「パパとママはセックスしたの?」と聞かれたら?

直井先生:びっくりしますよね。その質問には、「したわよ」とサクッと答えればいいです。もしも「いつしたの?」「何回したの?」と質問が続くようだったら、「プライバシーの内容だから、家族にも話す必要ことではないのよ」と答えればいいのです。あくまで毅然と、これが大事です。

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