バッテリーのもちが悪くなってきたら、寿命のサイン!
これまでより早く電源が切れてしまったり、急に電源が入らなくなったり。スマホのバッテリーで一喜一憂したことがある方は多いのではないでしょうか?
「使用年数が2年を超過していて、正しく充電を終えても使用できる時間が著しく短くなっている場合は、バッテリーが寿命を迎えたと考えていいでしょう」と話すのは、総合家電エンジニアの本多宏行さん。
「スマートフォンのバッテリーは、リチウムイオン充電池が主流です。リチウムイオン充電池は自己放電が少ないのが特徴ですが、まったく放電しないわけではありません。使用頻度や使用時間に関わらず、使用年数が経てば自然と劣化していきます。その目安は2年ほどかと思います。2年を超えると、バッテリーのもちに影響が出ると考えられます」
残量ゼロまで使うのはご法度! 10%未満にしないのが長持ちさせるコツ
では、スマホのバッテリーの劣化を防ぎ、なるべく長く使うには、どうしたらいいのでしょうか?
本多さんは、「完全放電、つまり電池残量ゼロまで使いきるのはご法度!」と話します。
「リチウムイオン充電池は、完全放電すると電池の寿命が減ったり、場合によっては復活させられなくなることも。
一度失われた寿命を取り戻すことはできません。従いまして、各種メーカーはそのことを熟知しているので、ほとんどの機種では電池残量20%を切ると警告表示が出る、10%を切ると赤字表示になるなど、ユーザーの注意をひくように設計されていると思います。
ふだんから電池残量10%未満で使用しない・保管しないように、余裕をもって充電しましょう」
総合家電エンジニアが伝授!「正しい」スマホの充電方法
電池残量10%未満で使用しないことに加えて、スマホの充電で気をつけるポイントはあるのでしょうか?
「充電しながらゲームをする、動画サイトを視聴することは控えましょう。ゲームや動画再生を楽しんでいるときにスマホ本体が熱くなったことがある方もいるかもしれませんが、それだけバッテリーを消費して“フル稼働”しているということです。
ゲームや動画再生しながら充電することは、人間でいえば、マラソンしながら食事をしている状態。充電池の寿命が短くなるだけでなく、スマホ本体への影響も考慮して、充電しながらの使用は避けてください」
本多さんのおすすめは、充電するときに“スリープモード”を活用すること。また、利用できる機種であれば、非接続型の充電器を使用すると、フルチャージしたときに自動的に充電を中止くれるものが多いため、過充電によるバッテリーの消耗を防げるそうです。
リチウムイオン充電池は、コードレス掃除機やコードレス電話の受話器、電動自転車など、幅広く家電に使われています。正しく充電して、少しでも長く使いたいですね!
教えてくれたのは
総合家電エンジニア 本多宏行さん
テックマークジャパン株式会社業務部クレームチームチーフ
大手自動車ディーラーでメカニックを経験した後、1999年に延長保証会社・テックマークジャパンへ入社。一貫して、延長保証の修理精査業務に携わっている。取り扱い製品は、家電全般、住宅設備(給湯器、換気扇、温水洗浄便座等)、パソコン、車など多岐に渡る。多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア(正式資格名称:家電製品総合エンジニア)」資格を保持し、チームを牽引する。
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