白髪染めに移行するタイミングは?
――ちらほらと全体に白髪が混じる状態までは、おしゃれ染めの茶髪で乗り切ることができるんですね。でも白髪の量が増えてくると白髪染めへの移行が必要になりますね。
久保さん:全体に白髪が出る人は茶髪にすることでしばらくは乗り切れますが、こめかみやもみあげなどに部分的に固まって白髪が出るタイプの人もいます。その場合は白髪染めで部分的に染めるなどして、黒い地毛との色味の差を出さないようにします。しばらく部分染めを続けてみて、顔回りの生え際に白髪の分量が増えてきたと感じたら、髪全体の白髪染めをスタートする時期だと思います。
――白髪染めは「カラー」というメニューを選べばいいんですよね?
久保さん: 髪全体を染めるときには「カラー」を選んでください。通常のヘアカラー以外にも、ヘアマニキュア、ヘナ、オーガニック、ハーブ、海藻など様々な種類があるので、スタイリストと相談して自分に合うものを探してみるといいですね。その後「髪が伸びて白髪が目立つ生え際だけを染めたい」場合は、「リタッチ」や「部分カラー」を選んでください。
伸びた部分だけを染める「リタッチ」や「部分染め
――1度カラーをすれば、次からは伸びた部分だけを染めてもらえるんですね。
久保さん:リタッチというメニューは、髪全体の根本の1~2センチだけを染めることを言います。実は技術が必要な割に利益率はあまりよくなく(笑)サロン側にとっては少し厳しいのですが、それでもこのメニューを上げているサロンは良心的だと思いますよ。
――自分で染めたり、他店で染めた髪のリタッチもお願いできるんでしょうか?
久保さん:もちろん対応します。他店で髪全体を染めたお客さまがリタッチに来られた場合、他店が染めた色味に合わせて白髪をリタッチしないといけないわけで、かなり神経を使います。染める手間としては、髪全体を染めるのと変わらないですし、実はかかる時間もほぼ同じなんです。でもリタッチは現状維持のための施術で、印象が大きく変わるわけではないので、高い料金をいただくわけにはいきません。サロン側としては、手間と技術が必要な割に……という実情はあります(笑)。ですから、そのメニューをだしているサロンはお客さまのニーズに答えようという意気込みが強いと考えていいと思います。
――リタッチをするにしても毎月のことになるので、コストが気になるのですが……。
久保さん:サロンによっては、リタッチの他に「部分染め」という、さらに安価なメニューを出しているところもあるので注目してください。部分染めは全ての髪の根本を染めるリタッチと違って、顔回り、分け目、つむじなど目立つところだけをリタッチすることで、さらに料金は安くなります。
――リタッチがメニューにあるサロンに行って「顔回り、分け目、つむじだけを」と伝えるといいですか?
久保さん:髪全体を染めたサロンでなら対応してくれると思いますし、予め問い合わせてみれば新規でも対応可能なサロンもあります。
白髪染めの明るさ不足にハイライト
――ところで、白髪染めはおしゃれ染めと比べると、暗い色が多いですよね。明るい色の髪が好みの人にとっては「好きな色に染められない。」という問題があります。
久保さん:白髪染めは暗い色でしっかり白髪を染める必要があるため、どうしても選べる色も少なく暗い色味になりますが、顔まわりなどにハイライトを入れると印象を変えることができます。ハイライトとは、髪の1部分の色を抜いて明るめのカラーを入れることです。この部分のカラーチェンジをすれば、またガラリとイメージが変わります。
――白髪になっても、明るめの茶髪で白髪をぼかしたり、白髪染めをスタートしてもリタッチや部分染めでコストを抑えることもでき、ハイライトを使えば髪色のイメージチェンジも可能なんですね。
久保さん:白髪が生えるというのはどうしてもネガティブなことに感じてしまいがちですが、これをきっかけに「新たなヘアスタイルと出会う転換期」と思い、ポジティブに楽しんでいただきたいと思います。
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お話を伺ったのは……久保彰成さん
マンツーマンのプライベートサロンZAZのオーナースタイリストとしての活動のほかに、さまざまな事業経営やコンサルタント業務もこなす。多くの事業を手掛けながらも「自分の本分は美容師。ZAZでサロンワークをしている時が一番楽しい!」と言い切る、実は職人肌の昭和62年生まれ。個性的な髪型は天然パーマとのこと。ふくろうのなっちゃんとゆるゆると戯れるのがオフの日課。
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