筋肉痛は放っておくしかないと思ってない?
筋肉痛が起こったら、ひたすら大人しくしているしかない……と思っている方もいるのではないでしょうか?
実際に、筋肉痛が起こったときも「特になにもしない」という人が多いかもしれません。
動くことで、激痛を伴うような場合は安静にすることをオススメしますが、大抵の筋肉痛の場合、痛みをとるための簡単なセルフケアをおこなうことで、治りを早められる可能性があります。
筋肉痛が起こる原因を理解する
そもそも、筋肉痛の原因を知らない人もいるかもしれません。
実は筋肉痛は、「医学的にもはっきりとしたメカニズムが解明されていない」のです。
筋肉痛はときに激しい痛みを伴うため、体に悪いことが起こっていると思いがちです。
しかし、筋肉痛は使われていなかった筋肉細胞が、運動や慣れない動きによって壊され、それが治るため(成長するため)の過程であるとの説が、医学の世界でも現在、有力説とされています。
久しぶりに筋トレをしたときなどに筋肉痛が起こるのは、トレーニングの効果が出ている証拠であり、筋肉痛自体は悪いことばかりではありません。また「歳をとっている方が、筋肉痛の症状が後になって出てくる」というのも、実は医学的には解明されていない都市伝説的な情報です。
早く治る効果が期待できる!3つのコツ
1)ぬるめのお湯に浸かって血行を促進する
大切なポイントは「ぬるめのお湯」という点です。熱いお湯は、交感神経を高めて心身を緊張させてしまいます。理想は38~40℃程度の湯船に、15~20分程度浸かること。
じわじわと身体を温めることで副交感神経が高まり、筋肉の緊張もほぐしてくれます。血行も促進され、疲労回復効果も高まります。
できれば、筋肉痛になったときは、入浴時以外でもなるべく体を冷やさないようにしましょう!
※ただし、痛みを感じはじめたときに幹部を触って、熱を持っているようであれば、氷や保冷剤を使って冷やすことをオススメします。
2)いつもよりタンパク質と水分を多く摂取する
筋肉痛の発生時は、筋肉細胞が傷ついている状態です。その傷を修復してあげる栄養素を取ることで、治りを早める効果が期待できます。
栄養素の中でも「タンパク質」は、筋肉を作る主成分です。おすすめの食材は、豚肉・鳥ささみ・カツオやマグロなど赤身の魚。これらはタンパク質の補給と同時に、摂取した糖質を体内エネルギーに上手く変換する役割も担っています。
疲労回復の効果を高める「ビタミンB1」を含む食べ物も同時に摂取すると、より効果的です。豚肉は「タンパク質」と「ビタミンB1」の両方を含んでいるのでおすすめです。
また筋肉痛が起こっているときは、動くことが億劫であったり、疲れが残っていることから、体の循環機能が低下していることが多いのも特徴です。
血液循環を良好にし、老廃物の排出を促して身体の巡りをよくするためにも、いつもより意識して水分補給を行いましょう。
ポイントは、一回にたくさん水分補給するのでなく、コップ一杯(150~250ml程度)を一日数回に分けて摂取すること。一日で1.5ℓ以上を目安に実践してみてください。
3)できるだけ睡眠時間を確保する
睡眠時に身体の中で積極的に分泌される「成長ホルモン」は、筋肉組織の修復や回復に必要な働きをしてくれます。睡眠不足の状態が続くと、成長ホルモンがうまく分泌されず、疲労回復や筋肉痛の治りを遅くする可能性が高くなってしまいます。
成長ホルモン分泌のゴールデンタイムは、午後10時~深夜2時といわれています。可能であれば、深夜0時までに就寝するようにしましょう。
まとめ
ちょっとしたコツを知っておくことで、7日間筋肉痛に苦しむところを、3~5日で治せたら嬉しいですよね!
痛みさえ取れてしまえば、家事や筋トレなどの作業効率も上がっていきます。どれもお金のかからない方法ですので、ぜひ実践してみてくださいね!
医師監修/河野 亜紀先生
整形外科医。東海大学卒業後、父の後を継ぐために整形外科医として東京医療センターで勤務。
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