あなたの最適な睡眠時間を知っていますか?「生活するだけでキレイになる」魔法の時間割りの決め方

心と体

2021.04.23

理系美容家のかおりです。「科学的根拠のある正しい美容知識」をお伝えしています。 美と健康は、表裏一体。健康的な生活とは、すなわち美しさの土台を作るものです。 心と身体の健康を保つために大切な「睡眠」から、次の日のスタートを心地よく切るための一日のルーティーンを一緒に考えてみましょう。

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生活するだけでキレイに!?「シンデレラ時間割」を見つけよう!

キレイに直結する1日の過ごし方出典:stock.adobe.com

基本となるのは7時間寝ること

皆さんは、最適な睡眠時間を知っていますか?

正解は「人によって違う」だそうです。少しずるい答えですが、特に女性の場合は生理や妊娠・出産、閉経などによってホルモン分泌量の変化が大きく、それに伴い必要な睡眠の長さに変調をきたしやすいのです。
一方で睡眠時間と死亡リスクの関係について、米国の110万人以上の男女を対象にした約6年間の追跡調査では、男女ともに「7時間睡眠」の時に死亡リスクが最も低く、それ以上でも以下でも良くない結果となったのだそうです(1)。

最適な睡眠時間には個人差があることに留意しつつ、まずは7時間寝られるスケジュールを確保してみましょう。

そして7時間睡眠以外に必要なのは「規則正しい生活」!自分を一番キレイにしてくれる「シンデレラ時間割」を見つけてみましょう!

手順1:最適な起床時間を見つける

昼食の時間から起床時間を逆算

朝に活動的な人や、出社ギリギリまで寝たい人。様々だとは思いますが、起床時間は昼食の時間から逆算してみるのも一つの手です。
昼食と朝食の時間の感覚は4~5時間が理想でしょう。食べ物が胃に留まって消化される時間は約2~3時間と言われています。揚げ物などの脂っこい食事では約4~5時間かかることもありますが、朝食にそこまでヘビーな食事をする方も少ないと思います。
時間が空きすぎると空腹の状態が続き、低血糖状態になってしまいます。そうすると、食事をとった時に血糖値が急上昇してしまい、それに伴い中性脂肪の合成命令を出すホルモン「インスリン」の分泌も過剰になってしまうためです。つまり、太りやすくなってしまうのです。
昼休憩が12時の場合は、朝の7~8時くらいに朝食をとるのがベスト。朝の準備の時間を考えると、起床時間を6時頃がよさそうです。

朝は少し早めに起きて、15~30分程度散歩やヨガなどで身体を起こしてあげると、よりスッキリと一日を始められますよ。

手順2:就寝時間を決める

朝の起床時間が決まれば、7時間前を就寝時間にします。

ここで大切なのは、できるだけ毎日同じリズムで生活をすること。ホルモン分泌の変動により体調も変動しやすい女性の場合には、生活リズムを整えることでがとても大切です。
起床時間が6時の場合は、23時就寝が目標です。

手順3:お風呂から上がる時間を決める

お風呂の時間出典:stock.adobe.com

就寝時間が決まったら、理想の出浴時間(お風呂から出る時間)が決まります。というのも、良質な睡眠を取るためには、出浴後90分後程度で床につくと良いと言われているからです。

出浴直後は身体に熱がこもっているためにすぐに眠りにつくことはできませんが、やがて四肢末端から体温が放出されると、約90分後に深部体温が下がり、そのタイミングが入眠すると深い眠りにつくことが出来るのです。第一睡眠が深いほど、成長ホルモンが分泌されて疲れが取れやすくなります。

この理想状態を実現するためには、出浴後にスマホを見たり、TVを見たりしては逆効果です。せっかくお風呂でリラックスモードになっていても、それらのブルーライトにより脳が覚醒状態になってしまうからです。

出浴後は間接照明などで部屋の光を抑え、読書やストレッチをするなどしてリラックスして過ごしましょう。
就寝時間が23時とすると、21時半頃に出浴しましょう。

手順4:お風呂に入る時間を決める

お勧めの入浴方法は、39~41℃のぬるま湯に10~15分の全身浴です。
ある研究によると、入浴によって最もリラックスできる上昇体温は「1.1℃」と報告されており、1.6℃以上ではストレス度が上昇してしまうことが報告されています(2)。

個人差はありますが、約40℃の湯温で10-15分入ると、体温が約0.9-1.4℃上昇し(3)、出浴後に速やかに熱を放出することができるのです。
42℃以上の入浴では、脳が興奮モードになってしまうためにお勧めしません。

頭髪や身体を洗う時間や、入浴の諸準備の時間を考えると、出浴の30分前、21時頃に入浴の準備を始めましょう。

手順5:夕食の時間を決める

では、夕食は何時頃がベストでしょうか。先に述べたとおり、食事の感覚は4~5時間後程度にしたいので、17時…と言いたいところですが、これは少し早すぎますよね。そのような時は、ナッツなどの糖質の少ないおやつを摂ったり、帰りが遅くなる方は軽めの食事で分食をするとよいでしょう。

私がお勧めしたい夕食の時間は、入浴の1時間半~2時間前です。一日の終りの食事は30~1時間程度の時間をとって、リラックスした時間を過ごしましょう。
大切なのは、食後30分~1時間後に入浴すること。食事直後は消化吸収のために内臓へ血液が集中するため、体表面に血液が集める入浴は消化不良の要因になりかねません。

ところが、ある程度消化が進んだ30分後程度で入浴をすると、内臓の消化・吸収機能が落ち糖分の吸収スピードもダウンします。それに伴いインスリンの分泌速度も低下するため、健康的なダイエットアプローチになるのです。

入浴時間から逆算すると、夕食は19時頃スタートが理想。最近が盛んな時計遺伝子の研究でも、朝食から12時間以内に夕食を摂ると健康に良いとされており、先に設定した朝食の時間から考えても、ぴったりの時間帯です。

理論は”目安”。出来ることから始めよう!

このように、理想の睡眠を考えて、寝る前の行動、ひいては翌日の昼食の時間から考えると非常に合理的に一日のルーティーンを決めることができます。

一点気をつけて頂きたいのは、「しなければならない」と考えてはいけないということです。脳は義務感を感じるとモチベーションが下がってしまうため、あくまでも理論は目安として、ご自身の生活に柔軟に取り入れることが大切です。
「試してみたけど、自分には合わなかった」でも全然OK。皆さまのより健康的なライフスタイルのために、ひとつの参考になれば幸いです。

参考記事
(1)大塚製薬 睡眠リズムラボ「睡眠時間は長ければ良いということでもない?!」

(2)石澤太市.ストレス解消入浴法は体温を1.1 ℃上げる. 日本健康開発雑誌(2018) , vol.39 : 6-14

(3)石澤太市.入浴法および入浴習慣が心身に及ぼす影響に関する研究.博士論文.石川:金沢大学学術リポジトリ.2014.

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著者

理系美容家かおり

理系美容家かおり

⼀般社団法⼈美容科学ラボ代表理事。理系美容家。化学専攻のリケジョという背景から、「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に従事。研究会や学会などで取得した知見を美容業従事者、消費者へわかりやすく情報公開し、美容の情報リテラシー向上に努める。美容セミナー講師や美容メディア監修、化粧品開発・PRコンサルティング等を行う。科学的観点から消費者に心理的・時間的負担を軽減した「お金と時間をかけない美容法」を提案。 MAQUIA(集英社)公式ブロガー、@コスメ ビューティースペシャリスト、入浴指導士 クイズ!脳ベルSHOW(BSフジ)出演など幅広く活動中。

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