太らないための食事は「5」がカギ! 「5つ」の栄養素グループ、「5色」ルールを取り入れよう
カロリーの数値ばかりに気をとられがちなダイエット中ですが、食べても効率よく痩せていく代謝の高いカラダを作るためには、栄養バランスのとれた食事が欠かせません。
今回の対決「豆腐の味噌汁」VS「豚汁」の結果にあるように、さまざまな栄養素を摂れる食事を選択することが必要なのです。
太らないために役立つ食品グループは、大きくわけて5つ。
それぞれの栄養素がカラダの中でどのような効果を発揮するのか、ポイントを押さえておきましょう。
太らないために毎日食べたい5つのグループ
1.「たんぱく質」
◆役割
運動で傷ついた筋肉を修復。大きくしなやかな筋肉を作り、代謝のよい脂肪を燃やしやすいカラダに。サプリや野菜だけでなく、食品からしっかりとたんぱく質と摂ることで筋肉が痩せてしまうのを防ぎます。
◆代表的な食品
肉、魚、卵、大豆食品、乳製品。
2.「カリウム」
◆役割
カラダの均衡をとってバランスのよい肉体を作ります。水分バランスを整え、むくみ解消にも。ほかの野菜と一緒に摂ると、相乗効果で便秘予防にも役立ちます。
◆代表的な食品
トマト、キュウリ、セロリなどの野菜類、果物類。
3.「糖質」
◆役割
脳やカラダを動かすエネルギー源。水分を含み、ハリのあるカラダを作ります。糖質が多い食品はダイエットの敵だと思われがちですが、リバウンド知らずで健康的に痩せたいのなら、糖質抜きは避けたほうがベターです。
◆代表的な食品
ごはん、パンなどの主食。ダイエット中は、玄米や雑穀がおすすめ。いも類。
4.「食物繊維」
◆役割
カラダの中の余分な脂質やナトリウムを腸内で絡め取って体外へ排出。デトックスやコレステロール値を下げる効果があります。ダイエット中は、蒸す、煮る、味噌汁やスープの具にするなど調理法に工夫して摂りましょう。
◆代表的な食品
きのこ類、海藻類。
5.「カプサイシン」
◆役割
発汗作用があり、カラダのエネルギー代謝を高めて体脂肪を分解。ドレッシングに混ぜて使う、味噌汁やスープに入れるなどして上手に使い、ダイエット中には積極的に料理に取り入れたい栄養素です。
◆代表的な食品
唐辛子、カレー粉、こしょう、山椒などのスパイス類。
また、栄養素以外にも注目しておくとよいのは、食品の「色」です。
さまざまな色がそろっている食卓ほど栄養バランスも優れているので、色を意識してメニューを組んでみるのもよいでしょう。
5色ルール
1:「赤」
脂肪のたまりにくいカラダ作りに効果的な色が「赤」です。
赤身肉やカツオ、ブリ、マグロなどの身の色が赤い魚は、筋肉を作るのに必要なたんぱく質や鉄分を豊富含む食品。赤身に含まれるL-カルニチンは脂肪燃焼効果があります。
2:「緑」
太りにくいカラダを作る強い味方の色が「緑」です。
ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜は、ビタミン群や食物繊維、抗酸化作用のあるファイトケミカルが含まれる食品。生、ゆでる、煮る、炒めるなどの調理法でレシピのバリエーションを増やし、積極的に摂りたい色です。
3:「白」
健康的なダイエットを支える色が「白」です。
豆腐や豆乳、納豆、おからなどの大豆食品は、たんぱく質や食物繊維が豊富に含まれています。大豆のたんぱく質に含まれるレシチンはコレステロールや中性脂肪を減少させる効果も。低カロリー・高タンパクで、ダイエット中に頼りになる存在です。
4:「黒」
ダイエットに取り入れやすく、欠かせない色が「黒」です。
海藻やきのこなど黒グループに属する食品は、食物繊維がたっぷりで低カロリー。特にきのこは、1年を通して手ごろな価格で買いやすい身近な食材です。満腹感が得られるので、料理のかさ増しにおすすめ。便秘や肌荒れなど、女性が抱えやすい悩みを解消する役割も期待できます。
5:「黄」
効率的に痩せやすい体質に導く色が「黄」です。
唐辛子やカレー粉、こしょう、山椒などのスパイスは、発汗作用が期待できる食品。カラダの代謝をアップして脂肪を燃焼し、効率よく痩せ体質に。“ちょい足し”などで賢く使うと、塩分や砂糖を減らすことにもつながります。
このように見ていくと、「豚汁」が5つのグループにも、5色ルールにもあてはまる項目が多く、理想的な汁物であることがわかりますね。唐辛子をかけると、なおよしです。
太らないカラダのための食事は、「5」がカギであると覚えておくとよいですよ!
教えてくれたのは 新生暁子さん
管理栄養士、博士(スポーツ健康科学)、日本スポーツ協会 公認スポーツ栄養士。
マラソンの高橋尚子氏率いる「チームQ」に栄養・調理担当として加わり、日米合宿に帯同、食事全般をサポート。「チームQ」解散後はフリーとして活動。ラグビーやサッカーなどのアスリートへの栄養・食事のサポートや、スポーツ栄養の啓発に力を入れる傍ら、子どもや親御さんなど幅広い年代に、食と健康に関する情報を発信している。15年からは東京健康科学専門学校栄養士科の講師に着任。
参考文献:セブン&アイ出版 新生暁子『カラダにいいのはどっち?』