やることがわかれば、子どもも動ける
子どもに片づけを促すときは、とにかく具体的に伝えることが効果的だそうです。実際、5歳になったばかりの長女に「片づけて!」と言ってもちっとも動かないけれど、「○○を▽▽に戻してきて」とか「ブロックを○個だけでいいから箱に入れて」と伝えれば、嫌々ながらも動き出します。
でも、毎回声かけをするのは、親も大変です。そこで、意思疎通がしっかりできて、かつ、ある程度自分をコントロールできる小学生以上の子どもたちに向けては、「片づけスケジュール作り」をおすすめします。
私の著書『時間が貯まる 魔法の家事ノート』(扶桑社)の中では、家事を担当する人向けの、家事スケジュール作りを提案しています。どういうものかというと、すべての家事を洗い出して、毎日・週1回・月1回・1シーズンに1回……というように頻度設定をするものです。
このように見開き1ページの表を使って管理していきます。
今回は、このメソッドをより手軽に、片づけに絞って、子ども向けのものとして考えてみました。
お片づけスケジュールのつくりかた
「お片づけスケジュール」では、子ども自身が行う片づけを「毎日」と「曜日ごと」に分けて考えます。
たとえば、毎日行うことは「プリント類を親に提出する」「かばん・ランドセルの中身をすべて出す」「タブレットを充電する」といったことです。一方、曜日ごとに行うことは「金曜日に上履きを出す」「○曜日に習い事の次回の準備をする」といったものです。
1.片づけリストを作ろう
親が行うことは、まず、子どもと一緒に「片づけリスト」を作ることです。子どもが行う片づけをすべて書き出してみて、一緒に「いつやるのか?」を考えてみてください。嫌がるようだったら、とりあえず親のほうで作ってしまっても構いません。
2.片づけスケジュール表をつくろう
そして、これを1週間分の「片づけスケジュール表」にします。スケジュール表をつくり、実際に進捗を書き込むことで「片づけた?」「早く片づけて!」と声かけする必要もなく、できたかどうかをお互いに可視化することができます。
Excelでも手書きでもいいので、画像を参考に、表をつくりましょう。
大変に見えるかもしれませんが、3つのポイントを押さえれば大丈夫。
1.縦軸には片づけリストを書く
2.横軸には曜日を書く
3.作業予定日の欄に○を書いておく → 実行したら子どもがぬりつぶす
手書きで作るなら、罫線の入っているルーズリーフを使うと、縦線を書き込むだけでいいので便利ですよ。
お片づけスケジュール表の使い方
作ったお片づけスケジュール表は、LDKなど親子が一緒に過ごす場所に置きます。毎週コピーして、書き込んで使いましょう。
もし、コピーするのが面倒な場合や、自宅にプリンタがないときは、少し割高になりますが、100円ショップで「トレーシングペーパー」を買うのがおすすめです。重ねて使うと、下の文字が透けた状態で記入でき、原本はきれいなままです。よりお得に使いたいなら、Excelで表を4つ作って「2枚を1枚に印刷する」「両面印刷」の設定で印刷すれば、1ヵ月分がA41枚でできあがります。
なお、はじめに作った片づけリストは、家の中の実際に作業する場所に貼っておきましょう。たとえば、ランドセル置き場に置いておけば「あ、プリント出さなくちゃ!」と、子ども自身が気がつけるはずです。子ども部屋に貼っておけば「机の上をきれいにしなくちゃ!」とわかります。
子どもが小学生低学年の場合は、なるべく親が声かけをしながら進めてみてください。それでも、表があるだけで、子ども自身も「自分のやること」を把握できるはずなので、ずいぶん楽になると思います。高学年から中学生くらいの場合は、週に1度、進捗を聞いてみるだけでもいいと思います。
スケジュールに組み込みたい内容例
さて、どんな内容を入れるべきか分からないという方のために、小学生ママに聞いた内容を参考にした「片づけリスト」例を紹介します。これを見て「これは必要だな」と思うものを片づけリストに組み込んでいってくださいね。不要なものは省き、足りないものを足して、ご家庭に合わせたリストを完成させてください。
なお、一度で完ぺきなリストが完成することは恐らくないと思います。どうしても抜けや漏れはあるはず。だから、思いついたときに追加していくといいですよ。
【スケジュールに組み込みたい内容例】
◆毎日する片づけ
- かばん・ランドセルの中身をすべて出す
- プリント類を親に提出する
- 宿題など提出物の確認、実行
- 宿題など提出物の準備(かばん・ランドセルに入れる)
- 机の上をきれいにする
- 教科書を整理する(収納場所)
- 明日の教科書を準備する(かばん・ランドセル)
- タブレットを充電する(学校用)
- タブレットを充電する(自宅用)
◆曜日ごとにする片づけ
- 体操着を出す
- 体操着をかばんに入れる
- 部活の持ちものを出す
- 部活の持ちものをかばんに入れる
- 習い事の持ちものを出す
- 習い事の持ちものをかばんに入れる
- 上履きを出す
- 上履きを洗う
- 上履きをかばんに入れる
- 給食着を出す
- 給食着を洗う
- 給食着をかばんに入れる
小学校低学年向け セリアのシール活用法
小学校低学年の子ども向けですが、セリアのシールを使ってやることに気づいてもらう方法があります。「ひとことウォールステッカー」という商品です。
片づけにまつわる吹き出し付きのシールが6種類入っています。
このように、散らかりがちな場所に貼っておくことで、子ども自身が気づきやすくなります。
「片づけた?」「早く片づけて!」と何度も細かく声かけをしていると、子どもにうるさがられることはありませんか。正しいことのはずなのに、子どもには嫌がられるし、毎回言い続けていたら親自身もどっと疲れてしまいますよね。お互いにストレスフリーになるためにも、こうした仕組みづくりは有効だと思います。できることからぜひ試してみてください。