「子どもと夫が幸せならいい」は間違いだった。専業主婦が気づいた“今が人生最高の点数”の生き方とは【引田かおりさんインタビュー】

家族・人間関係

 「子どもと夫が幸せならいい」は間違いだった。専業主婦が気づいた“今が人生最高の点数”の生き方とは【引田かおりさんインタビュー】
広告

常にその時が人生最高の点数で生きている

――引田さんのお話の中でとても印象の残るのが「自分らしく生きる」ということです。「自分らしく生きる」ために、どんなことを意識すればいいでしょうか?

今回の本のタイトルじゃないですけど、「どっちでもいい」というのをやめてみることです。それは、他者に自分の人生を任せないということだと思うんですよね。急に大きいことを自分らしく決断するのはなかなか難しいので、小さいところから自分の選択、何を選んでいくかということを積み重ねていくことは大切だと思います。そうしないと、大事な局面に来たときに選べないんですよね。

そういう意味では、本当に自分の人生を生きるために、何かを選び取っていくという練習は必要だと思います。「これはどっちでもいいよ」という部分があってももちろんいいし、それは調和でもあるんだけど、人生を振り返ったときに「いい人生だった」と思いたいのなら、選んでいくということが大事ですよね。

――選ぶことが苦手な人も多いと思います。「選んでいく」人生を生きるために必要なことはなんですか?

選べないと言っている人でも、実は選んでいるんですよね。「今日の夕飯は何しよう」とか、「何を着よう」とか。日常で小さな選択をたくさんしています。いろんな種類のケーキがでてきたときに、どのケーキにするか選ぶ練習をするとか。意識するかどうかだと思いますね。

大人になってよかったことの一つに、「選ぼうと思えば選べる」と言うことがあると思うんです。少なくとも、いやいや結婚させられたわけじゃなくて、自分で選んだ旦那さんと夫婦になっているし、住む場所だって選んでいるでしょ?

――最後に、引田さんご自身の人生に点数をつけるとしたら、今は何点ですか?

今は85点くらいにしておきましょうか。あとの15点は、もうちょっとこれから増えていって、MAXになるのはまだ先です。私は60代、70代の人がもうちょっと元気になったほうがいいなと思うんです。30代40代の人たちが、「歳を重ねていく先に、あんなに良い人生が待ってるんだ」と思える人たちがもっとたくさん出てきてくれたらいいなと。だから、63歳の私の人生は85点。常にその時が人生最高の点数で生きています。

saita読者の多くは40代。「これからの人生」について考えている世代だと思います。引田さんの今回のお話から、40代からでも人生が大きく変えられるという希望をもらったという方は多いのではないでしょうか。20代30代ではできなかったことができるようになるのが、40代、50代です。人生はいつだって、自分が「今だ」と思った瞬間から変えられる。全ては自分の気持ち次第。たった一度の人生、自分の気持ちに正直に、自分らしく生きていくことで開けていくということを引田さんが教えてくれました。

お話を伺ったのは……引田かおりさん

引田かおりさんPhoto by 濱津和貴

夫の引田ターセンと共に、2003年より東京・吉祥寺にある「ギャラリーfève」とパン屋「ダンディゾン」を営む。さまざまなジャンルの作り手と交流を深め、新しい魅力を引き出し、世に提案していくことを大きな喜びとしている。著書に『私がずっと好きなもの』(マイナビ)、ターセンとの共著に『しあわせな二人』『二人のおうち』『しあわせのつくり方』(すべてKADOKAWA)『「どっちでもいい」をやめてみる』(ポプラ社)がある。

 

引田かおりさん書籍 『どっちでもいいをやめてみる』

「どっちでもいい」をやめてみる
著者:引田かおり
出版社 : ポプラ社

広告
saitaとは
広告