「髪の保湿」はいいことばかりじゃない!かえってダメージに!?
「髪が乾燥してる」「髪の保湿が大事」といった文言はよく聴きますが、本当にそうなのでしょうか? 健康な髪の構成成分は約80~90%がケラチンというタンパク質。水分量は約12%と、そこまで多くありません。逆に、水分量が多いと毛髪の形を作る「水素結合」が切れてしまい、非常に脆い状態に。アイロンはもちろん、ブラッシングなどの摩擦や引っ張り、曲げなどの物理的刺激によってダメージを受けやすくなってしまいます。
また、ヘアアイロンやホットカーラーなどによって毛髪が急激に熱されると、毛髪内部で水分が気化する「水蒸気爆発」が起きてしまい、ダメージホールとなってしまうのです。
うねり毛の原因は2つの細胞の分布にあり!
そもそも、うねり毛の要因とは何でしょうか?それは、毛髪内に存在する「コルテックス」という2種類の細胞の分布にあります。水分を含みやすい「オルトコルテックス」と水分を含みにくい「パラコルテックス」の分布が偏ると、一部だけが膨潤することで髪がねじれてしまうのです。逆に、直毛の方はこれら2つのコルテックス分布が均一になっていると言えます。
コルテックス細胞の分布の偏りは、毛髪ダメージやエイジングによっても進行すると言われており、年齢を重ねるごとにツヤが低下する要因でもあります。
濡れた髪にヘアアイロンなどの高温処理をすると、かえってくせ毛を助長させてしまうことになりかねないのです。
濡れた髪に使っていいのはドライヤー!
それでは、くせ毛・うねり毛ケアはどのようにしたら良いのでしょうか?
例えば寝ぐせなど癖が強くついてしまっている場合には、髪を濡らしてからドライヤーで乾かしましょう。水素結合は水が乾くと再結合してくれるため、髪が濡れた状態でハンドブローをしながら髪の形を整えると、理想の髪型に近づけることができます。
熱風を送りながら髪を乾かすドライヤーであれば、水が蒸発する過程で髪の表面温度を下げてくれるため傷みにくくなります。一箇所に熱がこもらないように、根本からまんべんなく乾かしていくのがポイントです。
ヘアアイロン&ホットカーラーは乾いた髪に。
髪がしっかり乾いたら、ヘアアイロンやホットカーラーの出番です!
アイロンの場合、温度設定は100~150℃で素早くケアしましょう。160℃以上ではコルテックス細胞が変形してしまうことがわかっています。
熱がこもりやすいホットカーラーの場合は80℃以下の温度設定がベスト。100℃以上の熱処理で毛髪内部が空洞化してしまいます。
どちらにせよ熱ダメージは免れませんが、濡れや温度に配慮することで、最低限のダメージでケアをすることができます。
トリートメントには毛髪補修効果のある成分を
毛髪がダメージを受けていると湿気を含みやすく、時間が経つとうねりが強く出てしまうことも。そのような時には、毛髪補修効果のある成分配合のヘアケアがおすすめです!
最もおすすめな成分は「加水分解ケラチン」や「加水分解エンドウタンパク」。毛髪の内部に浸透して吸着し、ダメージ補修をしてくれる上に、髪に弾力を与えサラサラ感を向上させてくれます。トリートメントの成分表を見て探してみましょう。
また、ドライヤーの熱の力で髪表面のタンパク質と結合し、髪表面を保護してくれる「γ-ドコサラクトン」もおすすめ。シャンプーをしても洗い流されないため、続く毛髪補修効果が特徴です。ヘアドライの前に使用する「洗い流さないトリートメント」に配合されているアイテムを探してみてくださいね。
今回は、うねり毛対策に気をつけてほしいヘアケアについてご紹介をしましたが、最も大切なのは元気な毛髪細胞を作るための頭皮環境。食事からたっぷりの栄養素を摂ることや、栄養素を運ぶための血流を良くするために睡眠をしっかり取ったり、マッサージをしたりすることも大切です。健康的な生活をベースに続けながら、正しいヘアケアで美しい髪を守っていきましょう。