何度片付けてもまた散らかる理由
お部屋を片付ける際に多くの人がやってしまいがちなこと。それは「ただモノを収納する」ということです。
そんなの当たり前じゃないかって? じつはそこがプロの考え方との大きな違いなのです。
私たち整理収納のプロは、片付ける際にまずは「片付く仕組みをつくる」のです。
モノたちにベストな定位置をつくってあげる。そんなイメージでしょうか。
「片付けても片付けてもまた散らかる!」というお家は、そのモノにとってのベストな定位置が間違っているのかもしれません。
しまいたいものがしまえない
実際に私にご相談くださった方のお家を例にしてお話ししますね。
まずこちらのお宅では、廊下にある収納場所に子どものアウターが山のように入っていました。
その結果……
まとめ買いしている飲料の段ボールがしまえずに、廊下に出しっぱなしの状態に……。「本当ならばしまいたいモノがしまえない」状況が当たり前になりつつありました。
ただ片付けるのではなく暮らしの動線を想像する
では、先ほどの廊下収納にしまいたいものをしまえるようにするにはどうしたらいいのでしょうか。
先ほども書いたように、ただそこにある収納場所に収納するだけでは、根本的な解決にはならず、また散らかってしまうでしょう。
ここで大切なのは「暮らしの動線を見直してみる」ということです。
お子さんはきっと、家に帰ってきて廊下収納にアウターをしまっていたのでしょう。
でも先ほどの廊下収納のすぐ横には子ども部屋があり、クローゼットもありました。
子ども部屋のクローゼットの中にはご夫婦のアウターが入っていましたが、ここに子どものアウターもしまえたらベストですよね!
家族の動線で考えてみても、子どものアウターは子ども部屋のクローゼットに入れるのが良いでしょう。
そこでまずはご夫婦のアウターをいるかいらないかで分けていただきました。その結果着ているものはたったの数着ということが判明。
これなら子どものアウターも一緒に片付けられます。
ここに長いS字フックを使えば、少し空いている下段も有効活用できそうですよ。
廊下収納の上段にてんこもりになっていた子どものアウターを、子ども部屋のクローゼットに収納することができたので、もともと下段にあったトイレットロールなどのストックをそこへ移動。
こちらも動線を意識してみると、下段よりも上段にあるほうが取りやすくて便利です。
いかがですか? 自分や家族の動線を想像してみると「これはここに置くと便利」というのがはっきりわかってくるはずです。
「片付けたい場所」だけではなく「景色全体」を見てみよう
廊下収納の下段がきれいになったので、ここに廊下に出しっぱなしになっていた飲料などの段ボール箱を収納することができました! これがベストな定位置で片付く仕組みです。
ここにキャスター付きの荷台を追加すれば段ボール箱が取り出しやすくなり、もっと便利になります。
「ここを片付けたい」と思うと、ついその場所ばかりを見てしまいます。
でも、その場所だけでなくおうち全体を、そしてそこに住まう家族の動線やルーティーンなどを見直してみることで、そのモノたちがあるべき場所が見えてきますよ。
片付かない原因と、片付く仕組みのつくり方さえわかればどんどん片付くタイプの方も多いです。
みなさんもぜひ実践してみてくださいね。