ポイント5:低温でじっくり揚げる
11.140℃の油で10分間揚げる。
140℃の油でじっくり揚げて、水分をほどよく蒸発させます。でんぷんと水分を蒸発させることによってポテトの周囲に分厚い層の壁ができ、フライドポテトがフニャフニャになりません。
揚ムラができたり、ポテトどおしがくっつかないように、途中で散らばせるようにしましょう。
12.10分間揚げたポテトを一度取り出します。
10分間も揚げていたにもかかわらず、じゃがいもの表面の糖分をしっかり処理したので、焦げずに程よい色合いのままです。
13.150℃にした油で2~3分揚げます!
油の温度を150℃に上げてポテトの周りに分厚い壁を完成させて、サクサク食感にしていきます。2度目の揚げ時間は2、3分程度。
14.油から取り出し、ポテトが重ならないように油切りをしておく。
テクニックを使わないポテトと比較
【左:処理をしないフライドポテト】
- 糖分が比較的多いメークイーンを使用
- 水で糖分を洗い流していないため、油に入れてから2、3分ほどで焦げ茶色になってしまう
- ポテトのでんぷんによってポテトどおしがくっついてしまう
- ポテトどおしがくっついてしまったことによって、加熱ムラが出る
- 焦げる前に仕上げたため、中の水分が蒸発しきっておらず、フニャフニャ
- 香り、味が焦げによって苦い
- 時間が経つとさらにフニャフニャ
【右:処理をしたフライドポテト】
- 揚げ物に最適なトヨシロ・男爵イモを使用
- 水洗い、下茹で、乾燥などの下処理をしたため、長時間揚げても色合いがいい
- 水分をしっかり蒸発させたことで、ポテトの周りに分厚い層ができ、サクサクに仕上がる
- 時間が経っても水分が表面に浸透しないので、サクサクが続く
- 水分を蒸発させているので、時間経過による縮みがなく、時間が経っても見栄えがいい
- いもの甘みと香ばしさをしっかり味わえる
切ってを揚げるだけの簡単な料理だと思っていたフライドポテト。いろいろな要因があって、お店の味とは違うフニャフニャポテトになっていたことがわかりました。理屈をわかって、きちんと下処理すればするほど、驚愕のおいしさにたどり着くことができます。ぜひ一度試してみたくなるテクニックです。
おうち時間が長い今、ぜひ「ほんとかな?」と半信半疑でいいのでやってみてください!
今回教えてくれたのは、岩野上幸生さん
岩野上 幸生(いわのうえ こうせい)さん
1985年生まれ。長崎県出身。18歳から料理の修行を始め、24歳で独立。現在は東京で飲食店を複数手がける人気料理人となり、企業コンサルティングや料理の技術指導なども手掛け、マルチに活躍中。YouTubeチャンネルの「飲食店独立学校 /こうせい校長」では、さまざまな料理のテクニック、役立つ情報を発信している。YouTubeチャンネル登録者数30万人。