イライラするのも、倦怠感がぬけないのも、身体がむくむのも、日々の生活では確実にツライことなのに、軽視されがちです。
女性は特に更年期を迎えると、女性ホルモンの変化により心身ともに不調を感じやすくなります。我慢してやり過ごす……それはあまりに過酷です。
しかし希望はあります。これらの不調は「自律神経」を整えるだけで改善するかもしれないのです。年齢のせいだからしかたないと諦めず、改善のためにできることをしましょう。今回は、保健師の小阿瀬が自律神経を整えるためのちょっとしたコツをお伝えします。
よく耳にする「自律神経」ってなに?
自律神経は心臓や腸、胃、血管などの働きを調整して、私たちの命を維持するために働いています。
自律神経は自分の意思で動かすことはできませんが、交感神経と副交感神経の2つに分かれ、交感神経は身体を活発に動かすときに働き、副交感神経は身体を休めるときに働き、臓器をコントロールしてくれています。
ストレスを受けると自律神経のバランスが乱れ、慢性疲労、めまい、イライラしやすい、食欲がない、下痢、便秘、動悸、多汗、冷え、のぼせなど、生活を不快にするさまざまな症状があらわれます。
乱れた自律神経を整えるためには、規則正しい生活リズムを心がけることが基本ですが、今回はその中でもおすすめの3つの方法を紹介します。
まずは簡単にできることから。【食事】で改善!
肉+抗酸化成分を積極的に摂って
自律神経の原料となる栄養素はたんぱく質(植物性より動物性たんぱく質)です。そのため、肉や魚、卵などは毎日欠かさず積極的に取りましょう。
ただ、動物性たんぱく質には脂肪がつきもので、取りすぎると、余分な脂肪が血液中で酸化し、腸内環境の悪化につながります。
そうならないためには、抗酸化成分が豊富な野菜や果物を一緒にとればOKです。
たとえば、肉を食べるときは野菜の付け合わせやサラダを一緒に食べたり、野菜炒めを選んだり、食後に果物を取るなどの工夫してみましょう。
【運動】で血流UP!エスカレーターを階段に変えるだけでも◎
適度に体を動かして血流を促す
デスクワークや在宅勤務などで長時間座ったままでいると、血の巡りが悪くなります。
これも自律神経のバランスを崩すことにつながりますので、体を動かして解消しましょう。
たとえば、デスクワークの合間に20回スクワットをする。
これだけで血流は改善されます。
また、朝夜に3~5分の簡単なストレッチをするのもおすすめです。寝起きの縮こまった体や、疲れや凝りをほぐしてくれます。
他にも、エスカレーターやエレベーターを使わず階段を使う、歩くときは背筋を伸ばして姿勢を良くするなど、日頃の習慣を少し変えるだけでも十分血流は良くなりますよ!
焦りが禁物!【メンタル】を整える一番簡単な方法
今やるべきことを一つずつ
忙しい私たちに一番大事なことは「焦らないこと」です。仕事でもプライベートでもやるべきことを「あれもこれも」と焦って考えてしまうと、自律神経が乱れる原因になります。
やるべきことがたくさんありすぎるとき、まずは思いついたことをメモに書き出してみましょう。
リストアップする項目は小さなことでも大丈夫ですので、それぞれに優先順位をつけます。
重要なのは決めた順番の通り、優先すべきことに集中し、一つずつ確実に処理していくことです。リストをやり遂げることで自信と達成感が生まれ、自律神経の安定にもつながっていきますよ!
まずはできることから
今回は自律神経を整えるコツについて、食事、運動、メンタルの面から1つずつ紹介しました。
自律神経は自分の意思で動かすことはできないからこそ、日々のセルフケアが何より重要になってきます。
生活習慣の工夫や考え方を少し変えるだけで、ストレスが軽減するとともに、ストレスに強くなり、自律神経を整えることにつながります。
これを機に日常の過ごし方を見直し、心も身体も内側からきれいに整えて、快適な毎日を手に入れましょう。