大量の汗をかく理由とは?
そもそも汗の役割は体温を下げ、調節することです。からだの表面で蒸発し、気化熱で体温を下げるという仕組みがあります。人間は体温を一定に保たないと生きていけない生物で、汗をかくことは非常に重要です。
しかし、さまざまな理由により汗をかきすぎると、体臭や衣服のシミ、肌のかぶれや集中力の欠如など、汗自体が悩みになってしまう場合があります。
汗をかく原因は、主に以下の3種類あります。
(1)「温熱性発汗」……暑いときや運動時にかく汗
(2)「精神性発汗」……緊張やストレスを感じたときにかく汗
(3)「味覚性発汗」……からいものを食べたときにかく汗
普段からからだを動かす習慣がなく、汗をかかない人は汗腺の機能が衰え、いざ汗をかいたときにベタつく汗になります。
全身に分布しているエクリン腺という汗腺から出る汗は本来無臭です。しかし、ベタつく汗には細菌のエサとなるタンパク湿や脂質が含まれるため、これを皮膚の常在菌が分解するとガスが発生し、ニオイの原因になります。
とっさのときにも使える!汗を抑える方法
ここからは、すぐに行える「汗を抑えるセルフケア」をご紹介します。汗が目立ってしまい、人目が気になるときなどにとても便利です。
首周り・ワキ・そけい部・ひざ裏を冷やす
首まわりやワキ、そけい部、ひざ裏を冷やすことでクールダウンの効果を得ることができます。汗が引き気分転換にもなるので、不快なダラダラ汗をかいている場合にも最適です。
汗を抑えるツボを押す
(1)大包(だいほう)
ワキの下の中心から下あたりにある「大包(だいほう)」というツボは、顔や上半身の汗を抑えてくれるツボとして有名です。
(2)屋翳(おくえい)
乳首から3~5センチ上にある「屋翳(おくえい)」というツボも汗ストップにはおすすめです。痛みを感じない程度に1~2分程度抑えましょう。
圧迫する
半側発汗という反射を利用すると、一時的に汗を抑えることができます。
京都の舞妓さんが実践していることで有名なこの方法は、からだの圧迫した側の汗が抑制され、反対側の汗の量は増えるという皮膚圧の発汗反射という仕組みを利用しています。舞妓さんの場合、帯を胸の高い位置にしめることで顔の発汗を抑えています。
顔の汗を止めるには市販されている汗止め帯が便利です。乳首の上部あたりを巻き、痛くならない程度に締め付けます。また緊張による顔の汗を抑えたいときには、両手で胸のあたりを圧迫してみてください。
ただし、長時間の圧迫は自律神経を乱す原因になるため、一時的に汗を抑えたいときのみ試すようにしましょう。