「レモン」はビタミン豊富なだけじゃない!日々の食生活に“レモンを取り入れるべき理由”

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 「レモン」はビタミン豊富なだけじゃない!日々の食生活にレモンを取り入れるべき理由

2021.11.28

レモンにはビタミンCが含まれていること以外に、どのように体にいいのか具体的に知らないという方もいるのではないでしょうか? そこで、レモンの生産量日本一を誇る広島県の離島、大崎上島の住民の方を対象にした健康調査についてご紹介します。日々の生活にレモンを取り入れると、健康にこんな影響があるようですよ!

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教えてくれたのは……飯田忠行(いいだただゆき)先生

飯田忠行先生

県立広島大学保健福祉学部 理学療法学科教授。レモン健康科学プロジェクト研究センター長。医学博士・県立広島大学保健福祉学部理学療法学科教授。レモン健康科学プロジェクト研究センター長も兼任し、広島県戦略作物であるレモンの効果検証を行っている。専門は応用健康科学、地域健康疫学、 公衆衛生学、老年医学。

全国平均より“約7歳“も高い! 健康寿命は平均80歳

レモン

飯田先生が2017年2月〜2018年2月に実施した島民90名(61.9歳 ±10.8歳、男性26名女性64名)を対象にした健康調査によると、大崎上島の方々のレモン平均摂取量は、約5日に1個という結果でした。全国平均が年間に5個なのに対し、15倍多い(※)ことが分かります。

また、大崎上島町の人たちはレモン果汁を醤油さしにいれて常備している家庭も多く、レモン果汁をお湯やお水、牛乳などに入れて飲んだり、皮ごと使った家庭料理も多くレモンを丸ごと食べていたりするとのこと。

飯田先生によると、レモン島の住民の健康寿命は、平均80歳と全国平均よりも7歳も高いようです。性別で見ると、男性は全国平均が72.14歳に対し、大崎上島の方々は76.4歳と4歳高く、女性は全国平均74.79歳に対し83.7歳と約9歳も高いという結果でした。

※参考:USDA「World Markets and Trade」世界のレモン・ライム国別消費量と日本人の人口より算出
全国の健康寿命:第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会 資料
大崎上島町の健康寿命:大崎上島町第II期健康増進計画・食育推進計画(平成24年11月)広島県による算出

レモンを多く摂取している島民は、骨密度が高い!

骨密度

飯田先生が実施した上記の健康調査によると、女性では同年齢平均の骨密度よりも、島民の方の方が高い傾向が見られました。さらに、レモンを多く摂取している島民は、骨密度が高いこともわかりました。

「骨密度が高い理由のひとつとして、レモンに含まれるクエン酸が持つキレート作用が関係していると思います。
キレート作用とは、カルシウムをはじめ、ミネラルを腸から吸収しやすい形に変えることです。そのため、血中カルシウム濃度が維持され、骨密度を維持することにつながります。

通常カルシウムは、人体には吸収されにくく、食物から摂取した場合約70%は体外に排出されてしまいます。特に高齢になると腸から吸収されるカルシウム量は低下傾向にあり、体は骨に蓄えられているカルシウムを使って補おうとします。その結果、骨粗しょう症になりやすくなるのです。

島民の皆さんは、普段から多くのレモンを摂ることで、自然とカルシウムが体内に吸収されやすくなっているので、平均よりも骨密度が高くなった理由の一つにレモンの摂取が考えられます」(飯田先生)

レモン出典:stock.adobe.com

レモンを多くとっている島民は血圧値も低かった

血圧値

また飯田先生が実施した同調査によると、レモンを定期的に摂取している方の方が、最高血圧が低く抑えられていることがわかりました。

「レモンが血圧を下げる理由は、皮に含まれるレモンポリフェノールと、果汁に含まれるレモンフラボノイドが関係しています。高血圧自然発症ラットを用いた研究でも、レモン果汁やレモンフラボノイド類が血圧に影響を及ぼす可能性が示唆されています(※)」(飯田先生)

レモン出典:stock.adobe.com

ビタミンCが豊富なこと以外にも、レモンは骨密度や血圧などにも関係する事がわかりました。健康を維持する上で効果的なレモンは、果汁のみも売られていますよね。
切ったり絞ったりすることが手間だと感じる方は、手軽に取り入れられる方法で、日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか?

※1Suppressive Effect of Components in Lemon Juice on Blood Pressure in Spontaneously Hypertensive Rats Food Science and Technology International, Tokyo 1998, Vol. 4, No. 1, P 29-32

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著者

mamiWaka

mamiWaka

語学系出版社でワーキングマザーを経て、現在はフリーのライター・編集者。分かりやすく読みやすい、役立つ記事を目指しています。

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