コーヒーの味や飲み方が多様化しているいまだからこそ、豆知識を増やして効果的な飲み方をしたいもの。コーヒーを飲むことの効果、食べ物との組み合わせや飲むとよい時間帯を知るだけで、これまでと同じコーヒーでも40代女性に嬉しいメリットをさらに引き出すことができます。第1回目は「コーヒーが40代女性にもたらす精神的メリット」について、医学博士の豊田さんにお話を伺った元バリスタライターがポイントをお伝えします!
香りを嗅ぐだけでメリットがある
おうちコーヒーやコンビニコーヒーのクオリティ向上とともに、コーヒーがからだに与えるメリットについてメディアで特集される機会が多くなりましたね。コーヒーを飲むことで40代女性が得られるメリットは「精神面」「身体面」の大きく2つに分けられます。
精神面に与えてくれるメリットは、なんといっても香りによるリラックス効果でしょう。
人間の脳は心地よい香りを嗅ぐと、それだけで幸福感を感じて気持ちが落ち着くといわれています。匂いの感覚(臭覚)は、脳の中枢部である大脳辺緑系という部分で処理されます。ここで情緒・意欲・記憶などをコントロールしており、コーヒーの香りが大脳辺緑系に良い影響を与えることは精神面に好影響をもたらすと考えられています。
コーヒの香りは更年期の悩みにも効果あり
40代女性は、自分でも気がつかないうちにホルモン(内分泌系)や自律神経が変化してくる年齢です。初期の更年期に差しかかる人もおり、身体的な悩みのほか、コントロールできない情緒不安定な心の状態に悩まされる人も多くいます。これが、いわゆる“更年期うつ”につながることも……。
コーヒーの香りはリラックス効果があるだけでなく、「ドーパミン」の分泌を促進させる効果があります。
ドーパミンはやる気やモチベーション向上などに影響を与える神経伝達物質のひとつで、分泌が低下するとうつ状態になりやすくなります。
さらに、コーヒーの香りには脳波の一種であるα波をたくさん発生させる効果があるといわれており、このα波は“癒しの脳波”ともいわれるほど、精神との関わりが深いもの。α波によって心身のストレス軽減・リラックス効果・うつ状態からの回復が期待できます。
更年期うつ解消には、いつ飲むのがベスト?
人間には体内リズムがあります。これは主に副腎(ふくじん)という臓器から分泌されるストレスホルモンのコルチゾールによってコントロールされており、コルチゾールの分泌にはカフェイン摂取と同じく覚醒作用があるといわれています。
ですが、両者は同じ作用があるゆえに、お互いが相殺し合ってしまうという特性があります。コルチゾールが分泌される時間にカフェインを摂取してしまうことで、どちらの効果も薄れてしまう可能性があるのです。
コルチゾールは朝6時ごろから分泌量が増えていき、午前8~9時ごろに最高値となります。つまり朝起きてすぐの時間は、本来カフェインを摂取せずとも自然にからだが覚醒する時間帯ということ。その後、午前9~11時になるとコルチゾールの分泌が減少する時間帯に入るため、眠気やだるさを感じやすくなってきます。
この午前9~11時のタイミングを目安にカフェインを摂取することで、コーヒーの持つ良い効果が最大限に発揮されます。一日の始まりにコーヒーを飲む習慣がある方は、ぜひ午前9~11時の時間帯を目安に摂取してみてください。
……次回は「コーヒーが40代女性にもたらす身体的メリット」についてご紹介します。お楽しみに!