子どもが親の言うことをそのまま聞いていたら危険な理由 #ビリギャル著者に聞いた

家族・人間関係

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2021.12.28

「やりたいことがわからない人は、自分がダメな人間だと思う必要はありません」とビリギャルの著者の坪田信貴さんはいいます。悩んでしまうのは懸命に生きている証拠。目の前のことを諦めず自分の力を信じることが大切です。坪田さんに著書『やりたいことが見つからない君へ』から自分らしく生きていくヒントを教えてもらいました。

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教えてくれたのは……坪田信貴さん

120万部超のベストセラー『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話(通称:ビリギャル)』の著者。『やりたいことが見つからない君へ』から自分の人生を自分らしく生きるためのヒントを見つけましょう

書影出典:www.amazon.co.jp

やりたいことが見つからない君へ』(小学館Youth Books)
著者:坪田 信貴
価格:990円(税込)

 過ごす環境で人は変わる 

学校出典:stock.adobe.com

「人は周りの人間や環境によって変わるのも事実です。どんな環境で生きてきたかによって物の見方が大きく変わってくるということです。特に、10代は自分の土台をつくる大切な時期です。人は環境に大きく左右されるし、居場所を変えるだけで世界がガラッと変わることもあるからです」(坪田さん)

例えば、学校やクラスに仲のいい友だちができないことはよくあることです。でもそれは、たまたま同じクラスの人との関係がうまくいかなかっただけ。違うクラスに変わったり、違う学校に転校すれば、世界は変わり、そこで仲のいい友だちができるかもしれません。学校でなくても、クラブ活動や、習い事、塾、バイトで楽しい仲間ができることもあります。

「ある場所では当たり前とされている価値観や考え方が、他の場所ではまったく通用しないこともあります。ですから、一つの環境でうまくいかなかっただけで自分はダメな人間だなどと思い込まないでほしいのです」(坪田さん)

自分の居場所を変えてみたり、居場所を増やしたりして、学校以外の世界をいくつも持っておくことが大切なのですね。

親の話はどこまで聞くべきか

親子出典:stock.adobe.com

自分の生きる環境について考えるとき、親との向き合い方はとても重要な問題です。もっとも近くにいて、ずっと自分を見てきた存在です。坪田さんは子どもたちに向けて「子どもを育てる親の苦労を思い、最大限の誠意やリスペクトを払うのは大前提ですが、しかし基本的に、親の言うことはそのまま聞いてはいけません」と話します。

「それはなぜかと言えば、親というのは前時代に育ってきた人たちだからです。 子どもたちは、これから数年後や10年後に大人になる人たちです。親御さんたちが過ごしてきた時代とは30年も40年も違います。そうなると、生活環境も成功法則もすべて変わってくるのは当然です。今の時点ですでに時代の流れに追いついていない人が、子どもたちが大人になる数年後や10年後に、世界はこうなるだろうとか、こうしたら成功するはずなどと言えるでしょうか。僕は疑問だと思います」(坪田さん)

親は子どもを温かく見守る最大の支援者にもなり、邪魔をする最大の抵抗勢力にもなるのだそう。

「親がすべきことは、子どもがやりたいことを見つけ、努力して自分の可能性を広げていこうとしているときに、決して『お前には無理だ』と否定しないことです。子どもの言葉を信じて、信念を持って温かく見守ることです。子どもの才能を開花させるためには、それしかないと思います」(坪田さん)

悩んでいることが宝物

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大人になっていない「今こそ、この時期を大切に生きてほしい」というのが坪田さんの願いです。

「自分が未熟だとか、うまくいっていないとか、ダメな人間だと思っているかもしれないけれど、実はそう思えるその感性こそが『宝物』なのです」(坪田さん)

10代の子どもたちの感性は、人生の中で一番研ぎ澄まされていて、繊細に心の動きを感じています。なにかをやりたいと思う欲望はある意味、純粋さの表れ。
大人になると、新しい感情に出会ったり、欲望を感じることすら少なくなってしまうもの。物事をうまく調整しようとしたり、人をコントロールしようとしたり、人に従うフリをして心の中で舌を出すていたりと、ある意味汚れていってしまうのです。

「『悔しい』『悲しい』『切ない』といった感情も、この時期だからこそ繊細に感じ取れるもの。『自分にはやりたいことがない。何とか夢を見つけなければ』と焦っているかもしれませんが、本当はその焦りや悩み自体が素晴らしいことなのです」(坪田さん)


10代でやりたいことがわからないのは当然のこと。親も子も不安になる必要はありません。今は土台を作り上げていく時期であり、自分の選択肢を増やすために、知識と経験を積んでいくことが大切です。やりたかったことを自分には無理だと諦めることがないよう、親も我が子を信じてサポートしてあげたいですね。

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