教えてくれたのは……島本美由紀さん(料理研究家)
旅先で得たさまざまな感覚を料理や家事のアイデアに活かし、手軽に作れるおいしい料理レシピを考案。 料理だけにとどまらず、家事全般のラク(楽しくカンタン)を追求する「ラク家事アドバイザー」、エコの観点から食品保存や冷蔵庫収納を提案する「食品ロス削減アドバイザー」、「冷蔵庫収納&食品保存アドバイザー」としても活動。公式YouTube「島本美由紀のラク家事CH」では家事がラクになるアイデアを発信中。著書は『ムダなく使いきれる! 冷蔵庫収納術』など多数。
『ムダなく使いきれる! 冷蔵庫収納術』
著者:島本美由紀
価格:1,100円(税込)
ポイント1:買いもの前に在庫を確認!スマホ撮影が手軽でおすすめ
島本さん「食材をせっかく買っても食べきれなかった、こんな食材があったこと忘れていたということ防ぐためにも、買い物に行く前に、冷蔵庫や食品庫に何がどれくらいあるのかを確認して、買うものをメモしておきましょう。ダブり買いを防ぐことができます。
メモするのが面倒なときは、スマホで冷蔵庫・野菜室・食品庫の写真を撮影してから買い物へ。スーパーで写真を見返すことができ、うっかりフードロスを減らせます」
ポイント2:食材を買うときは「使いきれる量」を買う
島本さん「『豆腐二丁で3割引き』などの表示が目に入ると、つい手を伸ばしたくなりますが、使いきれる量を買うのが買い物の鉄則。量が多いと割安になる調味料類も、使いきれる少し小さめのサイズを選びましょう。割高だと感じるかもしれませんが、ムダなく最後まで使いきることができ、結果的にお得になります。
また、意外と盲点なのが、空腹時の『ムダ買い』。おなかが満たされている状態で買い物をすると、余計なものまで買わずに済みますよ」
ポイント3:冷蔵庫にしまう前にひと工夫を。パッケージははがし、薬味は切る
島本さん「買い物から帰ってきたら、しまう前にひと工夫するのがおすすめ。納豆・ヨーグルトなどまとめて包装されているものは、外側のパッケージをはがしてから冷蔵庫へ。残量が把握しやすく、取り出す時間も短縮できますよ。
また、少量ずつ使うものは、あらかじめ切ってからしまいましょう。万能ねぎなどの薬味は小口切りに、バターは10gずつに、塩蔵わかめはひと口大に切ってから、透明の保存容器で保存しましょう。必要なときにすぐ使うことができ、使いきりやすくなります。
空いているスペースにしまいがちな肉類・魚介類は、チルド室に入れると長持ちしますよ!」
ポイント4:余りがち野菜は「丸ごと冷凍」がおすすめ!
ハウス食品グループ本社株式会社の「食品ロスに関するアンケート調査」によると、「最近捨ててしまった食品・食材ランキング」夏場の3年連続1位は「きゅうり」でした。野菜室で傷んだきゅうりを発見した経験がある方も多いかもしれません。余りがちな野菜は、どうしたらムダなく食べきれるのでしょうか?
島本さん「きゅうりは『丸ごと冷凍』するのがおすすめ。水洗いして水気を拭いて、1本ずつラップで包んでから冷凍用の保存袋に入れて冷凍室へ。使うときは、取り出して室温で5分ほどおくと、包丁で細切りにするなど好きな大きさに切れます。そうめんや冷やし中華など冷たい麺のトッピングにすれば、氷がわりになって、ひんやりおいしく食べられますよ。
また、夏野菜の代表であるトマト・なすも、丸ごと冷凍できます。きゅうりと同じように、水洗いして水気を拭いて、冷凍用保存袋に入れて冷凍室で保存しましょう。どちらも室温に5分ほどおけば、簡単に包丁で切れますよ」
ちなみに島本さんは、夏はめんつゆを製氷皿に入れて氷にしているのだそう。
島本さん「ストレートのめんつゆは、開封後の消費期限が意外と短いもの。余ったときは、製氷皿に入れて冷凍すると、冷たい麺の氷がわりになり、薄まることなく最後までめんつゆの味を楽しめます。濃縮タイプは、希釈してから凍らせるといいですよ!」。
賢くムダなく、最後までおいしく。暑い季節に、ぜひ試してみたいアイデアですね!