お話しを伺ったのは…本橋へいすけさん、井上ゆかりさん
本橋へいすけさん
feppiness株式会社代表取締役 『しあわせを感じられる社会をつくる』をvisionに事業を行う。 感性をみがいて自分にやさしくなれる手帳pure life diary開発 。著書 『人生の純度が上がる手帳術』 『KPI・目標必達の動画マーケティング 成功の最新メソッド』
井上ゆかりさん
feppiness株式会社プロジェクトマネージャー。pure life diary共同開発。内向型コンサルタント。著書『人生の純度が上がる手帳術』『もう内向型は組織で働かなくてもいい』
「人生の純度」を上げる?
──書籍のタイトルにある「人生の純度」という言葉がパワーワードで刺さりました。全編を通して「自分の本質に合った選択をして生きましょう」というメッセージが伝わります。
本橋へいすけさん:本の中の言葉で言うとまず「have to=するべきこと、しなければならないこと」を頭の中から外して、ありのままの自分を取り戻します。ありのままの自分の状態が描く、なりたい自分へ日々意識を向ける、実践していくことが「人生の純度が上がる」に繋がっていきます。
have toを書く手帳からto beを綴る手帳へ…
──そう言われて気が付きましたが、手帳にはスケジュールやTo Doを書き込むのが普通ですが、それらは全て「やらなければいけないこと」ですね。
本橋さん:have to、to doを外してto be…つまり、なりたい自分に近づくことが自然ですよね。日本人は「こうあるべきだ」という意識が強く、今の大人たちが幼少期の頃は多様性が認められにくい時代でした。何かひとつ個性があったとしても「異端」と捉えられ、否定されることも多く、その結果、好きなようには振舞えず、自分のありのままではいることが難しいため純度が低い生活を強いられることになり、自己肯定感が低い人が多いと感じます。
もがき続けた自己否定の日々
──本橋さんは認知科学をベースにしたコーチングが専門で、そのメソッドを生かした手帳を井上さんとともに考案され、今回もおふたりで手帳術の本を著作されました。井上さんは内向型カウンセラーとして活動されていますが、ご自身が内向型ということですか?
井上ゆかりさん:はい。実はアパレル品を海外で買い付け、ネットで販売をするビジネスを始めた2015年頃に起業塾に通っていたんですが、いつも「他の人と比べて何かが足りない」と悩んでいました。カリスマ性のある人は人を巻き込む力があって共感を得やすいし、トークが上手な人は発信上手でキラキラしていて「私にはとても無理だ」と焦ったり自己否定の日々が続きました。
アドリブが苦手=じっくり考えることができる
──ここ数年「繊細さん」「HSP=Highly Sensitive Person=非常に感受性が強く敏感な気質もった人」という言葉が世に出て、周りの理解も得やすくなったと思いますが、当時はどうでしたか?
井上さん:当時は今ほど情報がなかった中で、自分の悩みを検索していたところ「内向型」という言葉にヒットしました。自己肯定感が低く、人からの評価がとても気になり、自分のやりたいことがわからなくなっていて…完全に自分を見失った状態の時でした。この言葉に出逢って「実際に苦手なのはどんなこと?私にできることは?」と冷静に探してみました。
最初に見つかったのは「物事を解釈してアウトプットするのに時間がかかる」ということで、当時このことを私は「頭の回転が遅い」「アドリブが利かない」と落ち込む材料にしていたんですが、逆に言えば「じっくり考えて答えを出すことができるし、待つこともできる」という得意なことも見つかりました。それからは、このことを自分自身のコミュニケーションにおける強みにしていこうと考えました。
こびりついたhave toを外してみよう!
──「みんなと同じようにできなくちゃ」というhave toを外すと、自身の強みが見つかったというわけですね。
本橋さん:例えば純粋な夢でさえ「目標を達成する!」という言葉で自分を縛るとhave toになってしまう、まじめながんばり屋さんほどこの傾向が強くて、目標達成のためのto doがこなせないと落ち込む材料にしてしまいがちです。
強みを知ることが「なりたい自分」への近道
──この本でキーとして使われている言葉は、スッと心の中に落ちて沁みわたるものが多いのですが、特に「なんかやれる気がする」というワードには「それってあるある!」と共感しました。根拠はないけど「なんだかちょっと自信がある」というか…。
本橋さん:これは自己効力感と言って「自分が何かを達成するための能力に対する自己評価」です。「自分の強みを知る」ことが強化のポイントになります。本の中の「強みを知るワーク」では、さまざまな角度から自分の強みに気づく仕掛けを作っています。
40代女性に伝えたいこと
井上さん:おそらく家庭や仕事、子育てなど複数の役割を担っている人が多いと思いますが、みんなのために良かれと思って…と、自分のことを後回しにしている人が多いんじゃないでしょうか。そのことで人生の純度が下がってしまったり自分を苦しめていることもあるかもしれません。さまざまな役割を手放すことは現実的には難しいでしょうが、自分が背負ってしまっているhave toに気づくだけでも彩りのある人生を送るきっかけになるので、自分の相棒としてこの本や手帳がお役に立てればと思います。
まじめにがんばる人たちにこの本を
本橋さん:多様性を認め合い、自己表現や自己実現が得意なZ世代に対して、40代は同調圧力やhave toが強い世代であると言えます。この本はまじめながんばり屋さんが感性を磨いて自分にやさしくなれる…というコンセプトで作りました。have toに対する思いが強かったり、不公平な目に遭っている人には、特に自由に自分らしく純度の高い人生を生きて欲しいですね。