上司のパワハラでPTSDを発症。家にいても、何をしていても思い出してツラくてどうしたら…。<46歳女性のお悩み>

カルチャー

2022.12.30

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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相談:パワハラでPTSDを発症。何をしていても思い出してツライ…。

ひとりで悲しむ女性出典:stock.adobe.com

(兵庫県    なな 46歳)

会社でかれこれ7年ほどパワハラにあっています。
PTSDを発症しパワハラ加害者を見るとフラッシュバックが起きるなどの症状が残りました(PTSDは精神科医の診断済)。

パワハラ上司の部署からは異動できたのですが、現在の部長と課長から“パワハラ被害と妄信して騒ぎ立てている”として腫れ物のように扱われています。
……ただ本当のところはパワハラ加害者は数年後に会社役員となる方なので表立って逆らえないという事情。パワハラの可能性もあると薄々気がついていると思います。

会社にこれ以上パワハラのことを訴えなければ表面的に穏やかに過ごせるのかもしれません。でもPTSDの症状が残っており会社内での配慮が必要な以上、定期的に伝えざるを得ません。会社側はパワハラ加害者と別フロア勤務にするなど対応してくれます。

悩みは、毎日まいにち過去のパワハラを思い出してイライラ、今の会社の対応にもイライラ。腫れ物扱いされて他の管理者からも距離を置かれ、自分の明るい未来も描けずにイライラすることです。

毎日嫌な思いがいっぱいとなりヘトヘトクタクタです。転職は40代後半で難しいため、ギリギリまで退職はしないつもりです。毎日を少しでも心地よく過ごしたいと思いつつも、会社の時間だけでなく、自宅や趣味の時間までも思い出してイライラしてしまって苦しいです。せめて自宅や休日の時間だけでも、心地よく過ごすためのコツとか、イライラしたときの気持ちの切り替え方のコツなど、もしなにかヒントを頂けると嬉しいです。
 

イライラは自分を守ろうとしてるサインかも

回答

とても辛くて苦しい体験をされたのですね。
今現在は部署移動をして、当時の上司と別フロアで勤務できるようになったとのことですが、今の状況が整うまでにはたくさんのご苦労があったことと思います。

そしてまだ、思い出したくないのに思い出してしまう「フラッシュバック」の症状が続いているのですね。
イライラが頻発するのも、PTSDの症状のひとつかもしれません。
 
7年も同じ会社にいるということですから、長い時間、怖い気持ちや不安な気持ち、悔しい思いや理不尽な思い等を感じてこられたのではないかと思います。

ストレスに長時間さらされていることで、どうしてもネガティブな感情を感じやすくなってしまう部分はありますし、ストレスによって自律神経が乱れてしまうことも、イライラや怒りを感じやすくなってしまう原因のひとつとして考えられます。
 
精神科の先生の診断を受けられているとのことですので、PTSDのケアについてもご相談されていることと思いますが、PTSDのケアとしてさまざまな心理療法やカウンセリングもありますので、ぜひ主治医の先生とも相談されながら、専門家のサポートを受けられてみてくださいね。
 
イライラは、もしかしたら、ななさんが一生懸命に自分を守ろうとして発しているサインなのかもしれないな、と感じました。もう二度とイヤな目に遭わないように。もう二度と傷つかないように。注意深くいることで、自分を守ろうとされているのかもしれません。
 
イライラや怒りは、表面の感情として出やすいのですが、実は、その奥には、恐怖や不安、悲しみなどが隠れていることが多いです。
 
会社に困っていることをきちんと伝え、一生懸命に自分を守ろうと頑張ってきた自分に「ありがとう」と伝えながら、「もう二度とイヤな目に遭わないように。もう二度と傷つかないように」と必死になるくらいに恐怖や不安を感じていた自分に、ぜひやさしく寄り添ってあげてほしいなぁと思います。
 
もしかしたら、そこには、ぶるぶると震えているような、か弱いイメージの自分がいるかもしれません。そんな自分は、なんと言っているでしょうか。本当はどうしたいと言っているでしょうか。ぜひその声も受け止めながら、「怖かったね。辛かったね。もう大丈夫だよ」と、自分を癒してあげてくださいね。

ななさんは、ひとりではありません。専門家のサポート等も上手に活用しながら、安心できる心を取り戻していってくださいね。きっと心も状況も変わっていきます。応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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