救急車を呼ぶと8000円!?でも出産などの医療費は無料…!?カナダの救急車・病院事情を聞いてみた!

カルチャー

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2023.02.18

日本で救急車を呼ぶと基本的に無料で迅速に救急隊員が駆けつけてくれますが、カナダでは州により値段は異なるものの、救急車は有料です。有料であることのメリット、デメリットとは? また、観光でカナダに行ったときに、気をつけたいポイントについてお話ししたいと思います。

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救急車を呼ぶには911

救急車イメージ出典:www.photo-ac.com

日本で救急車を呼ぶときは119番に電話をしますが、カナダでは逆の911にかけます。これは、救急車を呼ぶときだけでなく、消防車、警察など、全ての緊急時に共通な番号です。電話をしたら、まず警察(Police)か、救急(Amburance)か、消防(Fire)かを聞かれます。そこから、場所、名前、電話番号、どうしたかなどを伝えます。旅行で緊急事態に直面した場合に備え、この番号だけは覚えておきたいですね。

カナダの救急車は呼ぶのも有料!そのメリットとは

医療費イメージ出典:pixabay.com

救急車の料金は州により異なりますが、例えばバンクーバーMSP(BC州の保険)に加入している人は約$80(8000円)、それ以外の人は約530ドル(53000円)かかります。有料なので日本のように気軽には呼べませんが、その分救急車を本来は必要としない軽傷の人が、安易に呼ぶことを防げるというメリットがあると言えます。

そうは言っても……。有料化であることのデメリット

救急車イメージ出典:www.photo-ac.com

救急車を呼ぶのが有料なので、不要な呼び出しは防げますが、逆に経済的に余裕がない人が必要なときにも救急車が呼びにくいというデメリットもあります。ただこちらはドラッグなどで人が倒れている場合に、通行人が救急車を呼ぶことも多いので、そういう場合の請求がどうなっているかはわかりません。旅行者がカナダで救急車を呼んだり、病院に行ったりすると巨額のお金がかかるので、海外旅行保険に入ることを忘れずに!

救急車で病院に行ったからと言って処置が早いわけではない。カナダの医療問題

病院イメージ出典:www.photo-ac.com

日本でも人手不足や本来必要のない救急車の呼び出しで同じような問題が起こっていると思いますが、カナダは日本以上に医療機関へのアクセスが悪いです。救急車で運ばれても、そこでトリアージ(治療優先度)が低いと判断されれば何時間も待たされます。実際、わが家は主人が腎結石で救急車を呼びましたが、痛み止めを打ってもらって帰ってきたのは7時間後でした。日本では、風邪を引いたら内科、子どもが熱を出したら小児科、骨折したら整形外科というように、すぐに病院にかかることができますよね。

ところがカナダでは直接専門医にアクセスすることができないのです。専門医にかかりたければ、まずファミリードクターを受診して、紹介状を書いてもらわなければいけません。そこでも緊急性がないと判断された場合以外は、専門医の予約がすぐには取れず、予約が数週間から数ヶ月先になってしまうこともざらです。レントゲンなどの医療機器の数も少ないので、例えば命の危険がないケースでMRIを撮りましょうとなっても、予約が半年先ですということもあります。

ファミリードクター出典:stock.adobe.com

また、ファミリードクターを探すのも大変で、ファミリードクターがいないという人も沢山います。そういう人は代わりにウォークインクリニックという簡易医療施設を受診することができます(ファミリードクターがいても受診することはできます)が、大体ウォークインクリニックも数時間待ちです。病院が閉まっていたり、救急車を呼ぶほどではないけれど早くみてもらいたいときは救急外来(エマージェンシー)に行くわけですが、こちらもトリアージが低いと判断された場合さらに待ち時間が長く、筆者も最長13時間かかったことがあります。

それだけ待ち時間が長いと、待っている間に他の病気がうつる可能性が高いわけですし、長時間待ったところで「あと数日様子を見てください」だけで終わって薬の1つも出ずに終わることも多いので、病院に行くべきか否かの判断が日本にいるときより慎重になります。普通の風邪では行っても時間の無駄で終わることが多いので、わが家はあまり行きません。

ファミリードクターのメリットは?

ファミリードクターイメージ出典:pixabay.com

ファミリードクターは探すのも大変だし、いなくてもどうにかなるものではありますが、それでもファミリードクターをみんなが探すのはなぜでしょう? ファミリードクターは患者の既往歴、内服薬、他の病院で受けた検査結果など全ての情報を持っています。健康状態全般を把握してくれているので、困ったときに相談したり、紹介状を書いてもらうときにファミリードクターがいた方が安心なのです。

救急車は有料だけど医療費はタダのカナダ

病院イメージ出典:pixabay.com

救急車は有料ですが、歯科治療、鍼灸、リハビリなど保険でカバーされないものを除いては、MSPに加入していればカナダの医療費は基本的に無料です。これは普通の風邪だけでなく手術、出産なども当てはまります。無料なのは助かるのですが、医療機関へのアクセスの悪さ、待ち時間の長さを考えると、もう少しお金を払ってもいいので、よいサービスをしてもらいたいというのが本音です。

日本でも高齢化が進んだり、コロナなどで医療費や医療ひっ迫などさまざまな問題があると思います。これから見直しや変更もあると思いますが、日本ほど軽い医療費の負担で、手厚い医療が迅速に受けられる国はそうないと思います。健康でいられればそれが一番ですが、救急車や病院のお世話にならなければいけないとき、感謝の心を忘れないようにしたいですね。

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著者

Shiko

Shiko

カナダ、バンクーバーと日本でやんちゃな息子達と旦那と一緒に暮らしています。 音楽、ヨガ、アウトドアが大好き! 歯科医師、ヨガインストラクターです。時々ジャズを歌っています。 Zoomヨガ教えてます。レッスンご希望の方はインスタからメッセージくださいね!@fumikokusuhara

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