教えてくれたのは……細田明美(ほそだあけみ)先生
東京医療保健大学 医療保健学部 医療栄養学科 准教授。管理栄養士、健康運動指導士、健康咀嚼指導士。2006年より東京医療保健大学医療保健学部 医療栄養学科に在職。臨床栄養学などの講義・実習を担当。子どもの入院に付き添う親への食事支援や、子どもから高齢者の口腔機能と食習慣についての研究に従事している。TV、雑誌など各メディアでも活躍。
食べるとうれしいことづくめ!キウイの栄養素
細田先生「キウイは、果物の中でも健康に欠かせない栄養成分が豊富に含まれています。特に黄肉種は、抗酸化作用のあるビタミンCが非常に多く、いちごや柑橘類の約3倍近くの量を含んでいます。
日本人の1日のビタミンC推奨摂取量は、成人で100mgです(厚生労働省「日本人の食事摂取基準」2020年版より)が、キウイは皮を除く可食部だけで、1個(約100g)あたり緑肉種71mg、黄肉種140mgのビタミンCが含まれています(文部科学省「日本食品標準成分表2020年版八訂」より)。」
キウイを1個程度食べると、1日分のビタミンCが摂れるのですね……!
これから積極的に食生活に取り入れたいという方も多いと思います。キウイを食べることで、どのような効果が得られるのでしょうか?
細田先生「上記の栄養素に加えて、ビタミンEも比較的多く含まれています。2つの抗酸化ビタミンの相乗効果により、感染症やがん予防に加え、アンチエイジングや美肌効果なども期待できます。
ほかにも、葉酸、カリウム、食物繊維などの栄養素が多く含まれており、さらに抗酸化作用のあるポリフェノールといった機能性成分も含まれています。
また、キウイの酸味はクエン酸やリンゴ酸で、これらの酸は、疲労を回復する作用があることが知られています。」
さらに、キウイにはたんぱく質分解酵素のアクチニジンも含んでおり、肉料理や魚料理の後にキウイを摂取すると、消化と吸収を助けてくれるとのこと。身体を整えるために、キウイを上手に取り入れるとよさそうです。
皮ごと食べると、どんなメリットがある?
キウイの栄養をより多く摂取するためには、どのような食べ方がおすすめなのでしょうか?
細田先生「日本人は、キウイの皮をむいて食べている人が多いですが、キウイの本場であるニュージーランドでは皮ごと食べる人も多く、実は、キウイの皮も食べることができるのです。
皮ごと食べることで、果肉だけ食べた場合と比べて食物繊維は1.5倍、ビタミンEと葉酸は約1.3倍摂取することができます。また、ポリフェノールに関しては、全体の約30%が皮に含まれています(ゼスプリ社のサンゴールドの場合※)。
ただし、食物繊維が多く含まれているため、消化器系の弱い方や未発達なお子さんは、皮をむいて食べるようにしてください。」
皮をむいてスライスしたり、半分に切ってスプーンですくって食べたりしていた方が多いと思いますが、皮を捨ててしまうのはもったいないですね!
キウイを皮ごと食べやすくなる!おすすめレシピ
キウイの皮は固くチクチクしたイメージがあり、皮ごと食べるのに抵抗があるかもしれません。どのような方法が食べやすいのでしょうか?
細田先生「皮を含めて丸ごと食べる場合は、よく洗ってから召し上がってください。表面の毛が気になる方が多くいらっしゃると思います。毛が気になる場合は、軽くこするなどして毛を落としてから料理にお使いください。」
そこで今回は、細田先生おすすめの皮ごと食べやすい方法を教えていただきました。
手軽な方法としておすすめなのが、スムージーやミックスジュースです。家にある野菜や果物と組み合わせて、手軽にビタミンやミネラル補給をしましょう!
材料(1人分)
- キウイ……2分の1個
- バナナ……2分の1本
- 牛乳……100ml
- はちみつ(お好みで)……5g程度
※1歳未満のお子様はちみつの使用は避けてください。
作り方
1.キウイはよく洗い、ヘタを取り除く。1cm幅のいちょう切りにします。
2.バナナは、1cm幅に切ります。
3.ミキサーにキウイ、バナナ、牛乳、はちみつを入れ、滑らかになるまで混ぜて完成です。
キウイの栄養を余すことなく摂取するなら、皮ごと食べるのがベストです。ぜひお試しくださいね!
参考:
(※)Sivakumaran S, Sivakumaran S (2017) Partial nutritional analysi of ZespriR SunGold kiwifruit skin (HN1745). In: ConfidentialReport for Zespri International Ltd. Plant and Food Research,Palmerston North