「ガムを噛む」と薄毛予防になる!?“意外な理由”とは

心と体

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2023.04.15

いま、若年世代でも性別にかかわらず薄毛に悩んだり、不安を抱えたりする人が増えているといいます。そんな中、株式会社ロッテの研究結果に注目が集まっています。なんと、ガムを噛むだけで頭皮の血流が改善され、毛髪への効果が期待できるかもしれないというのです。気になるその内容を、詳しくみていきましょう!

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教えてくれたのは……Dクリニック 院長 小山 太郎さん

慶應義塾大学医学部卒。慶應義塾大学形成外科を経てDクリニック東京(旧城西クリニック)に入職し、AGA(薄毛)の診療実績を積み上げる。2021年よりDクリニック新宿院長に就任。日本臨床毛髪学会評議員、日本メンズヘルス医学会幹事なども務めている。

プロフ 

若年世代にも、薄毛の悩みは広がっている

薄毛といえば、高齢者というイメージが強いかもしれません。しかし株式会社ロッテが全国の20~50代の男女に対して実施した「頭髪に関する意識調査」によると、近年、比較的若い世代にも、薄毛の悩みが広がっていることがわかりました。

一方で、普段から薄毛や抜け毛の予防・対策を行っている人は過半数を切り、「全く行っていない」と回答した人が52.0%にのぼりました。薄毛や抜け毛に悩んでいても、予防・対策は、経済的・時間的にハードルが高い、薄毛治療への抵抗感があるなど、さまざまな理由から、なかなか一歩を踏み出せない方も多いのかもしれません。

「頭皮血流」の低下が薄毛に関係している?

小山院長:加齢に伴う薄毛では、男女ともに、初期段階において、頭皮の血流が低下していることが報告されています。

薄毛の進行に伴って、血流が低下していくのか、血流低下そのものが薄毛を引き起こす原因になっているのかは、わかっていません。ただ、クリニックの患者の中に抜け毛の増加と合わせて、肩こりや冷えといった、末梢の血流低下を示す症状のある人がいることから、頭皮血流の低下が薄毛進行の一因となりうると考えています。

また、頭皮血流の改善が期待できる頭皮マッサージによって、毛が太くなるという報告もあることから、頭皮血流の改善は、薄毛進行の予防になる可能性があると考えます。

頭皮マッサージのイメージ出典:www.photo-ac.com 

ガムを噛むと「頭皮血流」が改善する!?

「噛むこと」について、さまざまな研究をしているロッテ。以前実施した研究では、ガム咀嚼習慣が多い群は、頭頂部の毛髪径が優位に太いという結果が得られました。しかし、その因果関係については、まだ証明されていません。

そこでロッテは今回、ガムを噛むことによる、頭皮血流への影響を検証。25~53歳の健常な男女20名に対し、ガム咀嚼時と無咀嚼時の頭皮血流(前頭部、頭頂部)を測定しました。その結果、ガム咀嚼により頭皮血流は頭頂部で44.0%、前頭部で47.1%の上昇が認められました。

研究結果株式会社ロッテ

頭皮血流の増加は毛髪に影響を及ぼす可能性があると考えられますが、ガム咀嚼により毛髪に効果があると認めた研究成果はまだ出ていません。ロッテは、今後もガム咀嚼による長期的な研究を行い、毛髪の太さや密度などへの影響を検討していくそうです。 

小山院長も研究結果に注目

小山院長:手軽に行える頭皮の血流改善方法として、私は、1日1回しっかりお風呂につかること、頭皮を傷つけない程度の力で頭皮マッサージをすることを、実践しています。そのほか、進行する前の薄毛対策として、シャンプーや育毛剤による頭皮環境のケアも効果が期待できます。

しかしこれらは、通勤中や仕事中は行えないので、ロッテの研究結果をふまえて、いつでもどこでもできるガム咀嚼に、今後注目していきたいと思います。

ガム出典:www.photo-ac.com

ガムをかむだけなら、何かをしながらでも実践できますよね。より確かな研究結果が出るのが待たれますが、薄毛にお悩みの方、不安を抱えている方は、やってみる価値アリかもしれませんよ!

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