教えてくれたのは……料理研究家で冷蔵庫収納アドバイザー・島本美由紀さん
料理研究家としてレシピを考案するほか、家事全般を楽しく簡単に行うことを追求する「ラク家事アドバイザー」、エコの観点から食品保存や冷蔵庫収納を提案する「冷蔵庫収納&食品保存アドバイザー」などとしても活動中。テレビや雑誌・講演会など多方面で活躍し、これまでに80冊以上もの著書を出版している。
『ムダなく使いきれる! 冷蔵庫収納術』(コスミック出版)
著者:島本美由紀
価格:1,100円(税込)
節約&フードロス削減を叶える冷蔵庫を作るポイント
みなさんのお宅の冷蔵庫内は、あちこちに食材が散らばってはいませんか?
島本さん曰く、一目で食材を見渡せない冷蔵庫は食材を重複して購入してしまったり賞味期限が切れてしまったりと、フードロスの原因になりやすいのだそう。
食べ物を無駄にするのはお金を無駄にしているのと同じこと……。節約の面でもよくありませんよね。
まずは、フードロス削減のための冷蔵庫を作るポイントを見ていきましょう。
ポイント1:見える化してまとめる
まずは、透明の保存容器を使って「中身が何か」「どのくらい残っているのか」を一目で把握できるような冷蔵庫作りを意識しましょう!
ここまではすでに実践している方も多いかもしれませんが、島本さんによるとこれらを置く場所にもポイントがあるとのこと。
冷蔵室の温度は、最上段は下段に比べると温度が2℃ほど高めなのだそう。
つまり、上段に傷みやすい食材を置くとフードロスにつながりやすくなってしまうのですね。
冷蔵室に食材を保存する際、上段には比較的保存期間の長いものを置き、下段には傷みやすい豆腐や油揚げなどの日配品を置くといいそうですよ。
家で作り置き用に調理したものも、下から1〜2段目で保存しましょう。
ポイント2:冷蔵室は詰めすぎ注意!
冷蔵室の中に食材をパンパンに詰めているご家庭も珍しくはないかもしれませんね。
しかし、冷蔵室にたくさん食材を詰めすぎてしまうと冷気が効率よくまわらないため食材が傷みやすくなります。
さらに冷却機能も多く働くようになるので電気代もアップしてしまい、まさに二重苦……。
冷蔵室は食材を詰めすぎず「7割収納」を意識しましょう。
棚の横幅を3等分したとき、3分の1くらいのスペースが余るようにするのがコツですよ。
ポイント3:冷凍室はたくさん詰める!
冷凍室では反対に「7割以上収納」がおすすめなのだそうです。
冷凍の場合には食材が少ないと冷気が逃げやすくなるため、余計に電気代がかかってしまうとのこと。7~9割を目安に詰めましょう!
しかし、「たくさん入れればいい」と無造作に収納してしまうのはNG !
取り出すのが大変になると、冷凍室を開けている時間が長くなり冷気が逃げてしまいますよ。
冷凍室では、ブックスタンドなどの仕切りを使って「立てる収納」を行いましょう。
スペースを効率よく使えるように意識してみてくださいね。
冷蔵室や冷凍室に食材を保存する際のポイントをお話しましたが、島本さんによると庫内の無駄なスペースをカットするにはさらに2つのコツもあるようです!
庫内の無駄なスペースをカットするには?
冷蔵室や冷凍室の限られたスペースでは、いかにコンパクトに収納できるかが大切になってきます。
島本さん曰く「ある2つのコツ」を実践するだけで庫内の無駄なスペースをカットし、効率よく食材を保存・使用しやすくなるのだそうです。
コツ1:保存容器はメーカーを統一する
保存容器はメーカーによって幅が異なるため、違うメーカーのものを使っていると冷蔵庫内が嵩張る要因の1つになるのだそうです。
容量が違っても幅を同じ設計で作っているメーカーも多いとのこと。
保存容器はできるだけ同じメーカーで、同じ幅のものに統一して使いましょう!
先ほどお話したように透明のタイプを使うことも忘れずに。
コツ2:下味冷凍で食材を平らに!
「下味冷凍」は時短のために行っている人も多いですよね。
島本さんによると下味冷凍は時短だけではなく「食材を平らに冷凍できる」といった部分も嬉しいポイントなのだそう。
食材を薄く平らにした状態で冷凍すると、立てる収納も行いやすいですよね。
それに、薄い分素早く凍らせることができるので、食材の新鮮さも保ちやすくなるのだそうです。
調理の際にもラクになりますし、お肉やお魚を凍らせるときには積極的に下味冷凍を実践してみましょう!
上手に収納してフードロス削減に
冷蔵庫の収納テクニックについて、ご紹介しました。
収納の見直しがフードロスの削減になり、さらには家計の節約になるとは嬉しい限り!
島本さんに教えていただいたテクニックは、どれもすぐに実践できる簡単なものばかりです。
ぜひ、ご家庭でもお試しくださいね。