怒りたくて怒っている人はいない
「妊娠中で、つわりも酷いのに。夫は毎晩のように飲み会に行ってしまった」
「料理をしてくれるのはいいけど、あまりにもキッチンが汚すぎる」
「洗濯物のしまう場所が、ぜんぜん違う」
例えばこうした妻の声は本当に多いものです。
一方で夫にしてみたら。
「自分がいても、とくに役に立たないし、やることもないから」
「料理をしなくて済んだんだから、その分楽になったんじゃない?」
「しまう場所までは知らなかったな」
なんて具合です。
妻に突っ込まれれば、まぁ悪かったところもあるかな、とは思うものの。
なぜそんなに鼻息荒く怒るのかは、よくわからない。というケースも多いんです。
「よくわからない」ことに対応するのは、まあ難しい。
だから結局「子どもが生まれてから妻は変わった」「女の人は感情的になることもある」などと、まるで天変地異のような扱いをしてしまう。
そうなると天災扱いされた妻は、より一層腹が立つ!! という悪循環です。
100人のママから聞いた、5つのイライラポイント
以前、ママさんたち100人にアンケート調査をしたことがありました。
その調査の中では色んな、イライラのポイントを答えてもらっているのですが。
大きく共通している5つのポイントがあるのです。
■夫へのイライラの5大ポイント
- 家事育児は妻がなんとかしてくれると思ってる
- 家事は「妻を助けること」と思ってる
- 自分にしかできない家事育児こそ頑張りどころ、という幻想を持っている
- 妻が変わってしまったことを不思議に思っている
- 自分も変わらなくてはならないとは気がついていない
順番にそれぞれ見ていきましょう。
1.家事育児は妻がなんとかしてくれると思ってる
これは、本当に手を変え品を変え現れてくる不満です。
「最終的には妻がなんとかしてくれるでしょ」という楽観的な関わり方(厳しく言えば無責任)は、痛いくらいに伝わるもの。
子どもの行事のスケジュールだって「妻がやり取りしてるから、俺は知らなくても大丈夫か」と思っていたら……伝わっちゃいますね。
買い物だってそうです。
「お風呂の洗剤買ってきて」と言われていたのに「忘れちゃった」と疲れた顔をされて。「じゃあ、私が明日買っておくからいいよ」と言われたとして。それって結局、尻拭いを妻にやってもらってることになります。これが続くと「結局、妻が最後にはなんとかする」という暗黙の了解が家庭内に蔓延していってしまう。
これって、責任を取る人にしてみたらたまったものじゃありません。
2.家事は「妻を助けること」と思ってる
一見、良さそうにも思えますが、大前提が全然間違っているのがこれ。
「家事を”手伝う”と言わない」なんて言葉は、もう10年も前から言われていますが。姿を変えただけで、これも同じことですよね。
前提が「家事=妻」であることに変わりはありません。
この前提こそがイライラの原因だったりするのだから、言葉だけキレイにしてもやっぱりイライラされてしまう結果になってしまうようです。
家事は「家族みんなが気持ちよく生活するため」にするものです。
3.自分にしかできない家事育児こそ頑張りどころ、という幻想を持っている
「自分しかできない」ことへの責任感って湧きやすいものです。
たとえば、長時間の抱っことか、子どもと公園で走り回って遊ぶとか。こうした育児は「さすがパパ!」ってありがたがられやすい。
それに対して、子どもの爪を切るとか、鼻を吸ってあげるとか、細かい作業はパパならではってことでもありません。
でも、家事育児に貴賤なし。
得意なことも、そうでないことも、結局は誰かがやらなくてはならないのが現実です。
得意なことを得意な人がやる、のはお互いのためにもなるでしょう。
でも、不得意なことは基本「妻」になっていることは、問題です。
頑張りどころは、お互いが苦手とする家事育児にこそ、あるのではないでしょうか。
4.妻が変わってしまったことを不思議に思ってる
5.自分も変わらなくてはならないと気がついていない
4と5は一緒に見ていきましょう。
育時期というのは、子どもも大人もダイナミックに変化し続ける時期です。1ヶ月前には想定していなかった変化が、突如起こるのが育児。
それだけ子どもの成長は目覚しく、親もそれに伴う環境の変化がすごい時期です。
そんな中、何も変わらないという事は、家族の中で置いてけぼりされている状態なのです。
妻がどんどんアップデートされていく中、いつまでも古いOSを搭載したままの夫だとしたら。
会話が通じなくなるのも、当然かも知れません。
さいごに
「妻から怒られる」のは辛いかも知れません。事情はそれぞれなのでなんとも言えないこともありますが。
でも妻は母ちゃんではないのですから。
妻からケアされることを、当たり前と思わないほうが、いい関係を築けるのだと思います。