教えてくれたのは……抗菌博士 梶浦義浩さん
1985年、株式会社シナネンゼオミックに入社。以来、抗菌剤「ゼオミック」の研究・開発に従事。現在は同社プロジェクト担当として、市場開拓も担当。抗菌試験管理士、臭気判定士の資格も有する。イベント等では抗菌博士として講師を務める。
お風呂場のカビ+菌の危険スポットはここ!
<カビが発生しやすい場所>
壁面・床・天井などお風呂全体に発生する
<菌が発生しやすい場所>
椅子・排水口・シャンプーなどのボトルで菌が繁殖しバイオフィルム(=ぬめり)が発生する
お風呂場は菌が増殖しやすい場所
【お風呂場には菌が増殖する3つの条件】
- 湿度(70%RH以上)
- 栄養分(人の垢、石鹸カスなどの汚れ)
- 温度(20~30度)
が揃っています。
人に付着したり、風に乗ってお風呂場に持ち込まれた菌は最適な環境である風呂場で急速に増殖します。
1. お風呂場の菌の危険性
ぬめり汚れは菌が増殖した証拠
ぬめりは、色々な菌が原因となって起こります。
ピンク色のぬめりの原因は、ロドトルラという酵母やメチロバクテイルムという菌です。
ロドトルラは栄養価が少ない場所でも発育します。そして増殖速度も速く、ぬめりの汚れとして非常に目立つ形で現れます。
ぬめり汚れを好むレジオネラ菌
レジオネラ菌はお風呂のぬめりを好むため、ぬめり汚れの多い場所で増えます。
浴槽のぬめり汚れはシャワー等で洗い流した程度では取れないため、家庭でも浴槽内にレジオネラ菌が増殖する可能性があります。
ぬめりそのものは健康被害はありませんが、レジオネラ菌が増殖すると肺炎などを発症させてしまうので注意が必要です。
2. お風呂場のカビの危険性
お風呂で増殖する主なカビは、黒カビ(クラドスポリウム)です。
この黒カビは、菌糸を深くはるため一度生えるとなかなか取り除くことが難しいカビです。
カビの胞子はアレルギーの原因にってしまいます。
清潔なお風呂を保つための5箇条とは!
1. お湯の再利用は慎重に
2日目の同じお風呂のお湯は菌がかなり増殖した状態になっています。節約のためのお湯の再利用は慎重になったほうがいいかもしれません。
2. 浴槽内は洗剤で擦り洗いを
浴槽内には、人のアカや汚れが付着しています。毎回、洗剤を使用して擦り洗いするように心がけましょう。
3. シャンプーボトルなどの底の掃除も忘れずに
シャンプーボトルなどの底面はぬめりが発生しやすい場所です。掃除を忘れがちな場所でもあるので、汚れる前に掃除をしてぬめりが発生しないようにする事が大切です。
4. カビ取り剤やカビ燻煙剤を定期的に使用して
カビが生えてしまった場合は、カビ取り剤を使用して掃除しましょう。
また、お風呂用の「カビ燻煙剤」を定期的に使用するとカビの発生を抑制する事が出来ます。
5. 換気を心がける
お風呂場の湿度が高い状態が続くと、菌やカビが発生しやすくなります。
使用していない時は窓や戸を開けて換気をし、浴室内を乾燥した状態に保つようにしましょう。