「学校に行きたくない」と言われたときに親がやらない方がいいコト

家族・人間関係

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2023.08.21

夏休み明けは「学校へ行きたくない」という子どもたちの声が、たくさん聞こえてきます。 そんな声に対して「学校なんて行かなくても大丈夫だよ」という大人の言葉も耳にするようになります。 でも、親としては「このまま子どもが不登校になったらどうしよう」という不安な気持ちになるものです。 僕はこれまで自分が学校に馴染めなかった経験から、不登校のご家族へのインタビューをしてきました。 今日は、それらインタビューを元に「学校に行きたくない」と子どもが言い出したらどうすればいいかについてお話します。

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「学校に行きたくない」「不登校」はめずらしくない

文部科学省の調査によれば、不登校の子どもは以下のようになっています。

小学生:53,350人(全小学生の約0.8%)
中学生:127,922人(全中学生の約3.9%)
※高校生:50,100人(全高校生の約1.6%)

これは文部科学省の定める「不登校」に該当する子どもの人数で、「学校に行きたくない」と言う子どもの人数はもっと多いと予想されます。

調査結果出典:www.mext.go.jp

参考:令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果

またこの20年、不登校の子どもの人数が増え続けていることも、この調査からわかります。

子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら、親としては焦るし不安になります。
「うちの子が不登校になったらどうしよう」と思い、どうにかして学校に通って欲しいと思うのも当然かもしれません。

ですが「学校へ行きたくない」と言い出すこと。それ自体は、特殊なことでも、珍しいことでもありません。

不安から感情的に叱ってしまったり、無理やり学校へ行かせてしまう前に。
一度冷静に、子どもの言葉を受け止めてみましょう。

「なんで行きたくないの?」と問い詰めない

子どもが「学校に行きたくない」と言い出したときに、「なんで行きたくないの?」と聞きたくなります。
でも、この言葉はよくNGワードとしてあげられています。

子どもと話す母出典:stock.adobe.com

その理由は、子どもは自分でもはっきり理由がわかっていないことも多いから。

これは本当にそうです。
インタビューをした方々も「不登校になった理由ははっきりとは解らない」というケースも多い。

でも大事なのは「聞かないこと」ではなくて「問い詰めないこと」です。

学校に行きたくない理由を聞くのが悪いわけではありません。
でも、子どもが口にした言葉を疑ってかかるのはよくありません。

「夏休み明けだから行くのが面倒なだけでしょ」
「本当は何か、学校で嫌なこと(いじめとか)があるんじゃないの?」
「怒らないから、ちゃんと理由を話して」

「お腹が痛い」とか「行きたくない」と言っているのに、親が納得してくれない。
そう思うと子どもは親が納得する答えを探さざるを得なくなってしまいます。

親が納得できる答えでなかったとしても、子どもの言った理由をまずは信じてあげてみましょう。

明るい“現在”を過ごす

「学校に行かないと、将来困るよ」「ちょっと辛いからってすぐ逃げてたら、忍耐力のない大人になるよ」ついそんな言葉で子どもを説得しようとしてしまうかもしれません。

子どもと話す母出典:stock.adobe.com

でも、学校に行きたくない子どもに必要なのは遠い未来の話じゃなくて、「現在」の話です。

僕が学校に行くのが嫌だった子どもの頃。
抱えていたのは将来への不安ではありませんでした。
いま布団から出られない、歩きたくない、教室に入りたくない、一刻も早く家に帰りたいという“現在”の苦しさばかり。未来のことなんて何一つ考えることもできずにいました。
「どうしたら転校できる?」「どうしたら学校に行かなくてもよくなるの?」
そればかり考えていました。

学校に行きたくないという子どもたちは、「いま」苦しみ、迷っています。

不登校にあるご家庭をたくさん見てきた中で感じるのは、学校へ行かなくても「現在を明るく楽しく過ごしている子」は、親も子どもも将来への明るい希望を普通に抱いているということ。

不登校出典:stock.adobe.com

「お腹が痛いって言うから学校休んだのに。ご飯もよく食べるし、全然元気じゃないか」

そうやって子どもをチクリと責めないように気をつけましょう。
お腹が治って、元気なのは、もしかしたら学校を休めたおかげかもしれません。

ずっとお腹が痛くて苦しんでいるより、ずっとずっといいじゃありませんか。

学校に行かないと、ろくな未来が待っていない。…というのは、今の時代すこし結論が早すぎます。
まだ多いとは言えませんが、学校以外でも学べる選択肢は色々とあります。

「学校に行かないと、人生が詰む」なんてことはありません。
子どもを未来で説得するのではなく、一緒に現在を明るく過ごす気持ちが大切です。

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