教えてくれたのは……管理栄養士・関口絢子さん
料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。「健康な体と豊かな心を育む食卓」をテーマに、季節の体の変化や旬の食べ物にフォーカスした食の知恵をお届けします。YouTubeでも体に優しいレシピや知識を発信。
熟れすぎたバナナをさらにおいしく!
完熟バナナを超えて、熟れすぎてしまったバナナを早く消費したいけれど、いい方法がわからないということはありませんか?
そんなときに活用したい、周りはサクサク、中はふんわりとしたパンケーキの作り方をご紹介します。
熟したバナナは運動前や朝食にぴったり!
バナナはスーパーなどで買ってきたときは、皮がきれいな黄色い色をしています。きれいな黄色い皮の状態のバナナは、未熟な状態です。時間が経つと熟してきますが、バナナは未熟と完熟で栄養が変わってきます。
- 未熟なバナナ……難消化性(なんしょうかせい)でんぷんが多い。食物繊維と同じ働きがあるが、消化にはあまりよくない。腸内細菌によって分解されるので、腸内環境を整えるのに役立つ。
- 完熟のバナナ……難消化性でんぷんが、ブドウ糖、果糖、ショ糖に分解される。素早くエネルギーに変わるので、運動前や朝食に食べると効果的。
糖が分解された状態になると、バナナの皮の表面にシュガースポット(茶色いポツポツとしたモノ)が出てきます。このシュガースポットが出ているのが、完熟された目印です。
バナナは栄養豊富な食材
バナナには、ビタミンB6、ビタミンC、マグネシウム、マンガン、鉄、食物繊維など、ビタミンやミネラルが豊富です。それに加えて、トリプトファンというアミノ酸を含みます。
ビタミンB6とトリプトファンは、セロトニンの材料です。心が幸せになったり、張っていた気持ちが穏やかになるリラクゼーション効果をもたらすホルモン(ハッピーホルモン)の材料になります。
完熟させるとどうなるの?
バナナは完熟させることで、抗酸化物質が増えます。そうなると、免疫力アップでがん予防、血圧降下作用、骨の強化、便秘改善、美肌効果などに役立ちます。
買ってきたバナナを早く熟したいときは、紙袋に入れて、封をするのがおすすめです。紙袋に入れて封をすると、バナナからエチレンガスが出てきます。このエチレンガスは果物を追熟させる効果があるので、バナナが早く熟れます。
「バナナのふわふわパンケーキ」の作り方
材料(パンケーキ2枚分)
- バナナ(完熟)……1本
- 卵……2個
- かたくり粉……大さじ1
- ココナッツオイル(バターや米油などでも代用可)
今回はココナッツオイルを使っていますが、バターや米油などお好みの油をお使いください。ココナッツオイルは早くエネルギーに変わり、脂肪がつきにくいのが特徴です。また、独特な風味がありますので、リッチな味わいにしあがります。
作り方
1.バナナを手でちりぎ、ボウルに入れます。フォークの背を使って、バナナを潰します。完熟したバナナの甘みのみです。甘さが足りないと感じる方は、お好みので少し砂糖を加えてください。
※熟れていない硬いバナナを使う場合は、電子レンジで少し加熱をすると柔らかくなり、潰しやすくなります。
2.卵を卵黄と卵白に分けます。卵白は1とは別のボウルに入れ、卵黄のみ1のボウルに入れます。
3.卵黄とバナナが入ったボウルにかたくり粉を入れ、混ぜ合わせます。
※かたくり粉は使わなくてもいいのですが、加えた方が生地が安定します。小麦粉を使わないのでグルテンフリーになります。またつなぎ程度のかたくり粉の量なので、糖質も少なく、ヘルシーです。
4.卵白がツノが立ち、ツヤが出るまで、泡立てます。
5.泡立てた卵白に、3を入れます。サックリと混ぜ合わせて、全体がなじめば、生地のできあがりです。
6.フライパンに油をひいて、弱火から中火にして、フライパンを温めます。弱火にしてから、フライパンに生地を入れます。2~3分ほど、ふたをします。
7.生地とフライパンの間に、フライ返しが入ると、生地がひっくり返せる合図です。生地をひっくり返して、ふたをしないで1分加熱します。
8.お皿に盛りつけて、できあがりです。お好みでメープルシロップやはちみつをかけてもおいしく召し上がれます。
バナナのやさしい甘さが楽しめます。パンケーキの周りはサックリ、中はふんわりとした食感です。生地は軽く、ほんのりとバナナの甘さと風味が口の中に広がります。
いかがでしたか? 熟したバナナには、未熟なバナナにはない体が喜ぶ栄養があります。バナナと卵で作れるパンケーキですので、朝食にぴったりです。ぜひ、作ってみてください。
▼詳しい作り方は動画で確認できます。
※こちらの記事は元動画の提供者さまより許可を得て作成しております。