「自分を犠牲にしたと思ったことは一度もない」子育てを終えた女性が語る“人生を楽しむ考え方”

家族・人間関係

 「自分を犠牲にしたと思ったことは一度もない」子育てを終えた女性が語る“人生を楽しむ考え方”

2023.12.15

saitaで以前お話を伺った “人力車の旅人”ガンプ鈴木さん。底抜けに明るく、魅力的なガンプ鈴木さんを見ると、どんなお母さんが育てたのだろう? という興味が湧いてくるもの。そこでsaitaではガンプ鈴木さんの“オカン”ことお母さまにもお話を聞くことに! 今回は、人生の先輩として、saita読者への大切なメッセージをお話しいただきました。

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お話を聞いたのは……ガンプ鈴木さんのお母さま

“人力車の旅人”として世界中を旅しながらSNSの発信を続けるガンプ鈴木さんの母。今まで一度も結婚せず息子を育て上げる。ガンプ鈴木さんの活躍を見守りながら、時に厳しく、的確なアドバイスを送っている。

がっつり自分と向き合った更年期

更年期出典:stock.adobe.com

――子育ての先輩として、貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。ここからは、人生の先輩としてのお話を聞かせてください。身体の変化や更年期といった問題と向き合う世代の読者に、お母さまの体験談をお聞かせいただけるとうれしいです。

私は今56歳です。更年期は終盤にきていると思います。私にとっての更年期は、体力が失われて、これまでのように頑張れなくなることでした。ちょっとした風邪でも長く寝込んでしまったり、今までならなかった胃腸炎になったり……。あとは、「なんでこんなにイライラしてるんだろう……」という自覚症状もありました。そんなことが10年くらい続きました。

――とてもパワフルな方に見えるお母さまでも、そんなに辛い10年を過ごされてきたんですね。

私の場合、更年期がはじまったのが、ちょうど息子が完全に独立しはじめた頃。子育てとかぶっていなかった分、がっつり自分と向き合えたのでよかったと思います。これが子育てとかぶっていたら大変だなぁと思います。

――たしかに、多くの方は子育てと更年期がかぶりますよね。しかも、思春期の一番難しい時期だったりします。どのように過ごすことがおすすめですか?

体調を崩しはじめたときは、更年期だという自覚がなかったんです。息子も家を出て、ずぼらになってしまったのかな……と。同時に太りはじめてもいたので、成人病を疑って、運動をするためにトレーニングジムに通いはじめました。走ったり、動いたりして汗を出したあとは、頑張ったご褒美にスーパー銭湯に行くという時間の使い方をしました。そしたら、いろいろな不調がある程度落ち着いたんです。

――やはり、運動をするのは大事なんですね。

すっきりするんです。汗と共に心の中の汚いものが全部出る感じがして(笑)。ぐっすり眠れるようになるのも大きいと思います。私は、最初の頃にほてりがありましたが、運動をするようになって改善されました。

ジム出典:stock.adobe.com

一生続くわけではない更年期

――更年期という言葉って、なんだかとてもネガティブなイメージがあるじゃないですか。お母さまは、ご自身の更年期をどのように捉えられていましたか?

一生続くわけではないしな~という気持ちはありました。来年はないかもしれへんし、明日は治っているかもしれないという感じ。病気ととらえるほうがしんどくなるでしょ? 成長期の子どもが膝が痛くなるのと同じようなもので、みんな経験することだし、来年は笑ってるかもしれないから、今日はとりあえず寝よ! と。

――病は気からではないですが、更年期も気の持ちようで自覚症状は変わりそうですよね。

女性って、自己犠牲しがちだと思うんですね。仕事も家事もちゃんとしたいという意識を持っている方が多いです。仕事ができる方のほうが、より育児をちゃんとしたいと思ってる。向上心があるということだと思うけど、そういう人ほど自分を犠牲にしてしまうところがあると思うんです。

でもね、自己犠牲、これは絶対しない方が良いと思います。一番に自分を大事にするんです。手を抜くときはとことん手を抜いて、遊びたいときは遊んで良いんです。これから更年期を迎える方に、更年期が終わりかけている私から伝えられることは、「一番に自分を大事にするのが大切!」ということです。

自分を犠牲にしたことは一度もない

――シングルマザーとしてガンプさんを育ててきたお母さまも、一人で頑張りすぎたとか、自分を犠牲にしてきたという時期はあったのではないですか?

犠牲にしたというのはないですね。子育てに関しても、初めてのことだし、彼も人間になって0歳、私も母になって0歳だから、お互い0歳同士。どちらが偉いわけでもない。ただ、常識的なことは、人間年数が長い私のほうが知ってるだけのことであって、母年齢は子年齢と一緒。だったら、このお家の中で楽しく暮らそう。楽しく二人が暮らせたら楽しいよなって思って暮らしていたので、自分を犠牲にしたと思ったことは一度もないですね。

ガンプさんのお母さま子ども時代のガンプ鈴木さんとお母さま

――とても響くお話をたくさんありがとうございます。最後に、育児や家事、仕事にがんばるsaita読者に向けて、人生の先輩としてメッセージをいただけますか?

今しか見られない世界って、本当に今しか見られないんです。子育てにしてもそう。だから、今を楽しみましょう! まさに「JUST FOR FUN」ですよね。

子育ては、いずれ終わっちゃいます。あるとき突然、カウントダウンがはじまるんです。そのカウントダウンはじまると、たまらなく寂しい気持ちになるんです。「もっと一緒に遊んだらよかったな」とか、「もっといろんなところに行ったらよかったな」って気持ちが溢れてきます。

私は、「やりきったぞ!」と思うくらいやってきたのに、息子が家を出た後しばらくは、「ごはんどうしよう……と、ポカーンとすることがありました。この時間をどう過ごしたら良いんだろう。寂しいなと思うことがありました。だからこそ、今子育て中のお母さんたちに伝えたいのは、今しか見られない姿をしっかり目に焼き付けて、満喫してくださいということ。

イヤなことも楽しいことも全部。でも、自己犠牲はせずに! 抜くところは抜いて。「お母さん、今日はしんどいからカップラーメンね! いつもは30分かかるけど、今日は3分で夕飯ができるよ!」とか言って(笑)。楽しみながら、頑張るところや手を抜くところを切り替えて生活していけば、お母さん自身も楽になると思います。

親子出典:stock.adobe.com

笑顔が絶えず、笑い声が絶えないインタビュー時間でした。母として、女性として、一人の人間として、尊敬する部分がたくさんあるガンプさんのお母さま。育児だけではなく、女性としての年齢の重ね方でも、役立つアドバイスをたくさんいただけました。この記事を書きながら、思わず涙が溢れてきました。自己犠牲という言葉に、ハッとする方は多いと思います。お母さまの言うように、抜けるところは抜いて、自分を大切に生きていきましょう!

【ガンプ鈴木さんのお母さまインタビュー連載】

第1回人力車の旅人ガンプ鈴木さんの“オカン”に聞いた。息子が旅好きになったワケ
第2回
忘れられない3時間の家出。お父さんがほしいと言う息子。21歳でシングルマザーを選んだ女性の子育て論
第3回
「常に子どもと全力で楽しんだ」シングルマザーの女性が“子育てで意識していたこと”
第4回
:(当記事)「自分を犠牲にしたと思ったことは一度もない」子育てを終えた女性が語る“人生を楽しむ考え方”

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