「常に子どもと全力で楽しんだ」シングルマザーの女性が“子育てで意識していたこと”

家族・人間関係

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 「常に子どもと全力で楽しんだ」シングルマザーの女性が“子育てで意識していたこと”

2023.12.11

saitaで以前取材した “人力車の旅人”ガンプ鈴木さん。SNSを通して伝わってくる、明るく魅力的なガンプ鈴木さんを見ると、どんな育てられ方をしたのか興味が湧いてきますよね。そこでsaitaではガンプ鈴木さんに続き、お母さまにもインタビューを実施! 子育て中の方にとっても、とても参考になるお話を伺いました。

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お話を聞いたのは……ガンプ鈴木さんのお母さま

“人力車の旅人”として世界中を旅しながらSNSの発信を続けるガンプ鈴木さんの母。今まで一度も結婚せず息子を育て上げる。ガンプ鈴木さんの活躍を見守りながら、時に厳しく、的確なアドバイスを送っている。

病院到着から3時間で出産!

ガンプ鈴木さん子ども時代のガンプ鈴木さんとお母さま

――今、世界中を旅しているガンプ鈴木さんですが、ガンプさんが生まれた日のことを教えてください。

5月7日生まれなんですけど、予定日はもう少し後でちょっとだけ早産で生まれました。連休中に母とベビー用品を見に行ってるときに尿漏れをしているような感覚があったのですが、実は、破水だったんです。

――ええ! 尿漏れだと思っていたら破水……。初産だとわからないですよね。

ちょっとずつ破水していたみたいなのですが、まさか破水とは思わず……。「連休明けに病院に行きなさいよ」と母から言われて、「そうするわ」って言って別れたんです。そしたら、明け方にお腹が痛くて目が覚めたら出血していて……。母に電話をしてタクシーを呼んで病院に行って、そこから3時間で生まれました。

――病院到着から3時間ってことは安産だったということですよね?

それがですね……。私、不思議な体質みたいで、究極の痛みがきたら一瞬気を失うんです。あまりの痛みにふっと意識がなくなって、痛みが引いたらまた目が覚めるんです。何万人に1人という体質のようなものらしいのです。

頭が半分くらい出たときに、また痛みで意識がなくなったせいで、とんがりコーンみたいな形の頭で生まれてきました。かわいいとか思うよりも先に、「この頭、どうしよう……。元に戻るかな」と心配になりました。なので、しばらくの間は帽子をかぶせてました(笑)。

この子には、持って生まれたものがある

子ども出典:stock.adobe.com

――最初の感想は、「とんがりコーン」だったんですね(笑)。

でも、人差し指を出したら、生まれたばかりなのにぎゅーっと私の指を握ってくれて、そこで愛おしさがこみあげてきました。「あぁ……、私の子やぁ」と。でも、その後、「私のもの」という気持ちから、息子を客観的に見られるようになる出来事があったんです。

――客観的に見られるようになった出来事とは?

出産後、数時間してから新生児室に息子を見に行きました。2日目からは母子同室の病院だったので、新生児室には同じ日に生まれた赤ちゃんだけがいるんです。

見に行くと、その日に生まれた5人の赤ちゃんが並んでいました。新生児室って、一人が泣きはじめると、みんなつられて泣くじゃないですか。4人の赤ちゃんがおぎゃーおぎゃーと泣いている中、真ん中にいる息子だけが、知らん顔してふてぶてしい感じで寝てたんです(笑)。私、それを見た瞬間「この子には、何か持って生まれたものがあるな」と思ったんです。

――すでに大物感が出ちゃっていたんですね。

というより、母1人、子1人だから、 私が子どもに依存しないように神さまがお告げをしてくれたのかなと思ったんです。その息子を見たときに感じたものを、とても良いメッセージと捉えました。「この子にはこの子、私には私の考えがある。親子とはいえ別々だ」と。この気持ちが、いつも私の心の中のストッパーになっています。

常に全力で遊んだ子育て

ガンプさん学生時代のガンプ鈴木さん

――親子とはいえ別の人間という意識を持つのはとても大事ですよね。ガンプさんのお話を聞いていても、お母さまがガンプさんの生き方を尊重しているのを感じました。ところで、ガンプさんがサッカーをやめることになったとき、「ブラジルに行きなさい」と言ったのはなぜですか?

ブラジルに行くように言ったのは、直観です。息子が最初にサッカー選手を目指すきっかけになったのは三浦知良選手なので、三浦選手がブラジルで経験したようなことを経験できたら良いなと思ったんです。

息子が目指していたプロサッカー選手というのは、Jリーガーとか日本代表というステージでした。でも、親の目から見て、社会人のプロサッカー選手にはなれたかもしれないけど、目指しているステージは厳しいだろうなと。自分が目指しているステージと、手が届くステージが違うという壁にいずれぶつかるだろうと思っていたので、私の中で彼がサッカーをやめるというカウントダウンははじまっていました。そのときに、それをどう乗り越えていくんだろうということは気になっていたので、サッカー以外のこともたくさん吸収してきてほしいなという気持ちもありました。

――母一人、子一人というチームで家族を築いてこられたお母さまにとって、子育てとはどんなものでしたか?

二人して、常に全力で遊んでいたのでどんなときも楽しかったですね。小学3年生からサッカーをはじめたのですが、週末は車を出して試合に行くとか、練習会場にいくとか、親の協力なしにはできないスポーツでした。必然的に、私も息子のサッカー中心に生活をすることになったけど、それもすごく楽しかったです。ママ友もたくさんできて、子どもたちも一緒に遊べたりして充実していました。

――お話を聞いていると、子育てにおいてやれるだけのことはやってこられたんだなぁと感じます。

そうですね。やれるだけのことをやったというか、一緒に楽しんだぞ! が正しいかもしれません。サッカーをはじめてからは、同じ世界を見て過ごしてきたし、一生懸命頑張っている姿を見て、私も同じ夢を追いかけていたあの時間はすごく大事な時間だったと思います。同じものを見て過ごすというのは私たちにとってすごく良かったと思います。でも、これは一人っ子だからできたことだなと。2人、3人いたら同じことはできないですもんね。

――子育てをする上で、意識していたことはなんですか?

今しか見ることができない姿を満喫しよう! と思っていました。でも、自己犠牲はしないと。私はいつも、通勤バスの中で、日々の段取りを考えていたんです。家に帰った瞬間から、家事と育児を同時進行で進めていかなくてはいけないので、何から手をつけたら10分でも早く終われるかということを常に考えていました。まさに、自分との勝負です。

そういう段取りをバスの中で考えて、職場に到着したら育児や家事のことは一切忘れて、仕事の段取りを考えていました。いかに早く終わらせて、いかにさっさと帰るかという(笑)。仕事や家事をやりくりして、全力で子育てを楽しみました。

手を繋ぐ出典:stock.adobe.com

ガンプ鈴木さんを見ていると、「どのように育ってきたんだろう」と感じることが多かったのですが、お母さまのお話を聞いてその答え合わせができたような気持ちになりました。子どもと自分をそれぞれの個として捉え、それを子育てに反映するというのは、理想ではありますがなかなか難しいこと。それを実際にやってこられたお母さまのお話は、子育て真っ只中の方にとっても参考になるお話が多かったのではないでしょうか。

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