“人力車の旅人”ガンプ鈴木さんに聞いた。辛いときに背中を押してくれる「おかんの口ぐせ」

家族・人間関係

 “人力車の旅人”ガンプ鈴木さんに聞いた。辛いときに背中を押してくれる「おかんの口ぐせ」

2023.10.28

“人力車の旅人”としてSNSを中心に話題になっているガンプ鈴木さん。人力車を引きながら世界中を旅する彼の発信は、ただ旅を応援するという視点を越えて、その生き方、考え方が人々の心を揺さぶります。旅をしながら配信される動画を見ていると、人たらし、コミュニケーションのプロといった言葉が浮かび、「この人のことをもっと知りたい」という気持ちが湧いてきます。今回、そんなガンプ鈴木さんのインタビュー2回目です。

広告

お話を聞いたのは……人力車の旅人 ガンプ鈴木さん

ガンプ鈴木さん

1990年、京都府生まれ。23歳の時に人力車と出会い、2016年から世界初となる人力車による世界5大陸走破にSNSで動画を発信しながら挑戦中。アジア、ヨーロッパ、オーストラリアを巡り、コロナの影響でアメリカ横断を中断。一時帰国し北海道から沖縄までの3000kmを縦断。その後ニューヨークからロサンゼルスの5100キロを横断達成YouTubeチャンネル登録者数約6.3万人、TikTokフォロワー約35万人、Instagramフォロワー約13万人。

おかんの名言がパワーの源

ガンプ鈴木さん

――ガンプさんを育てたお母さまのことがとても気になります。どんなお母さまですか?

おかんは、僕のプロデューサーです。何かやるときには必ず相談をするし、「それで本当にいいの?」とか、「もうちょっとこうした方がいいんじゃない?」と、常に的確なアドバイスをくれるんです。そのおかげで僕は今、人力車の旅人をやっているわけなんですけど(笑)。

――人力車の旅を応援してくれているんですね。

人力車の旅の間は、おかんと一緒に走っている感じがします。「もっとこうした方がいいんじゃない?」という声が聞こえてくるんですよ。ライブ配信もコメントでいろいろアドバイスが届きます(笑)。うちのおかんて、名言みたいな一言が多いんです。

――お母さまの名言。例えば、どんなものですか?

バックパッカーで旅に出たときのことです。バックパッカーって荷物が20kg以上あってすごく重たいんです。最初の頃はその荷物が全然持てなくて、それを伝えたら「カバンの重みは家族の重み」ってLINEが送られてきました。それを見た瞬間、「あ、これは持たなあかんな」って(笑)。

――それは、弱音を吐けなくなりますね(笑)。ガンプさんに響く言葉を知っていらっしゃる。

最近、四国のお遍路(弘法大師(空海)が修行した88の霊場をたどる巡礼のこと)をしたんです。88カ所巡って、1つ1つ煩悩を消していって願いが叶うと言われているんですけど、僕、お遍路を回ったことで逆に煩悩が増えたんです。お遍路って大変なんですよ。辿り着くまでに、「お酒飲みたいな」とか、「休憩したいな」とかいろいろ考えるんです。

それに、巡っているうちにいろいろなことに興味をもってしまったんです。「あれ? これ煩悩が増えるわ」って思いながらゴールしたら、そのタイミングでおかんから「煩悩は生命力の源」ってLINEが来たんです(笑)。

背中を押してくれるおかんの口ぐせ

ガンプ鈴木さん 

――お母さま、何者ですか? すごいですね。

煩悩って、言い方を変えると“楽しみ”なんですよ。お遍路を作った空海も、お遍路をしたことで人間から煩悩が消えることはないと気づいたそうなんです。おかんは空海と同じことを、しかもゴールした瞬間に送ってきたので大興奮しました。

――本当にお母さまと仲良しなのがわかります。反抗期はなかったのでしょうか。

あります。おかんとケンカして、「こんな家、出ていってやる!」って、サッカーボールだけ持って家出したことがあります。それで、家の近くでサッカーボールを蹴っていたらすぐつかまりました(笑)。3時間くらいの家出です。

――お母さまのほうが強いんですね。

おかんのほうが100パーセント強いです。だいたい、僕が間違っているからいつも僕から謝ります。あと、おかんはよく「しゃあないやん」って言うんです。理不尽なことが起きても、「起きたことはしゃあないやん」って。おかんの「しゃあないやん」は、「確かにそうだな」って気づきをくれます。

ネガティブなことや、いやなことが起きたとしても、起きた時点でそれを受け止めて前に行くしかないじゃないですか。だから、前に行こう! という気持ちになれるんです。

――人力車での旅の間は、その言葉に支えられたことが多かったですか?

アメリカ横断中はまさにそうでした。警察に人力車を持っていかれたり、壊れたり……。こんなにトラブルが続く!? ってくらいトラブルが続いたことがあるんですけど、起きたことはもう戻せないので、「しゃあないやん!」と受け止めて走り続けました。

その結果、アメリカ横断が達成できたんです。僕は、小さい頃からずっと言われ続けてきたおかんの「しゃあないやん」という言葉の中に、「前に行けよ」っていう思いが隠れているなと思っています。

ガンプ鈴木さん

ガンプ鈴木さんを見ていると、どのように育ってきた人なんだろうということがすごく気になります。実際、ライブ配信でも同じような質問をよく目にしていました。今回、お母さまのお話を聞いて、ガンプ鈴木さんがどんなときも前向きに突き進むのは、お母さまの影響が大きいということがわかりました。お母さまのお話をするときのガンプ鈴木さんの表情がとてもキラキラしているのが印象的でした。次回もお楽しみに。
 

【ガンプ鈴木さんインタビュー連載】

第1回人力車でアメリカ横断達成した「ガンプ鈴木さん」が旅をはじめるキッカケになった“母親の一言”
第2回
:(当記事)“人力車の旅人”ガンプ鈴木さんに聞いた。辛いときに背中を押してくれる「おかんの口ぐせ」
第3回
“衝撃的な失恋”と“世界を旅する目的”
第4回
「一人で旅をしている女性が多い」人力車で世界を旅するガンプ鈴木さんが出会った“パワフルな人々”
第5回
【11月6日公開予定】:「あなたが楽しければ家族も楽しい!」人力車の旅人ガンプ鈴木さんが40代女性に伝えたい幸せになる考え方

広告

著者

山田かほり

山田かほり

フリーライター歴10年。読んだ人の心にふわっとした空気が流れるような記事や情報をお届けできるよう心がけています。

気になるタグをチェック!

saitaとは
広告