教えてくれるのは……ウェルスナビ株式会社 小松原さん
働く世代が豊かさを実感できる社会をつくりたいという理念に共感し、ウェルスナビにセミナー講師として入社。これまでに、500回以上の資産運用セミナーに登壇し、参加者からの多くの質問にも答えている。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
そもそも「NISA」は何がお得?
NISAは「少額投資非課税制度」という制度の愛称です。時々「NISA」という商品がある、と勘違いされている方もいらっしゃいますが、投資をする際に「NISA」という制度を使う、というのが正しい理解です。
NISAは投資した時の利益に税金がかからないお得な制度です。
通常、投資をして利益が出たら、税金が約20%かかります。例えば10万円投資して15万円になった場合、利益5万円の20%として約1万円が税金としてかかり、手元に残るのは14万円になります。
しかしNISAの場合は税金がかからず、利益の5万円がまるまる残るのです。
毎月の給与でイメージするとわかりやすいでしょうか。
給与は税金や社会保険料が引かれたものが「手取り」ですが、それらが引かれずに手元に入るようなイメージです。
来年からのNISAは何が変わる?
1.二つのNISAが一つになる
これまでのNISAには「つみたてNISA」と「一般NISA」がありました。
どちらかといえば「つみたてNISA」は長期間コツコツ積み立てたい人向けの制度で、「一般NISA」は短い期間でまとまったお金を投資したい人向けでした。
新しいNISAでは、この二つのNISAが一つになります。「つみたてNISA」は「つみたて投資枠」に、「一般NISA」は「成長投資枠」という名前に変わります。
どちらも使えるので、自分にはどちらが合うだろうか、と選ぶ必要がなくなるのです。
2.1800万円まで投資できる
使える「枠」も大幅に広がりました。
新しいNISAでは、税金がかからずに利用できる枠が生涯で「1800万円」。これまでの生涯の枠は、つみたてNISAが800万円、一般NISAが600万円だったので、NISAで投資できる額が大幅に増えました。
3.無期限で使えるように
これまでのNISAは期間が決まっていたので、なくなったのも大きなポイントです。つみたてNISAは20年で、一般NISAは5年だったのが、いつまでも使えるようになりました。
例えば、30歳でつみたてNISAを始めていた場合は50歳で期限が来てしまいます。子供が巣立ってお金の余裕ができて、さあ投資をしようと思うタイミングで「NISAが使えない…!」といったことはなくなります。
使い方はどう変わる?
新しいNISAでは、二つのNISAが一つになったことで、「積み立て」も「まとまったお金で投資」も、両方できるようになりました。例えば、毎月積み立て投資をしながら、ボーナスでも少しまとまったお金を投資する、などの使い方もできるようになるのです。
また、NISA口座からお金を引き出しても、投資した枠が翌年復活することも覚えておきたいポイントです。これまでのNISAは、一度枠を使ってしまったら「再利用」はできませんでした。
つまり、人生の節目に応じて、お金が必要なタイミングでNISAのお金を使えるようになります。
例えば、住宅資金のためにNISAを始めて、一度売却して現金にしたあと、次は教育費に向けてNISAで積み立てる。そのお金を使った後、さらに老後資金に向けてNISAで投資をする…といったことが可能になります。
以上のように、NISAは2024年1月から大幅にパワーアップします。自分のペースで使うことができるようになり、ますます魅力が上がります。
これを機会に、資産運用を考えてみるのはいかがでしょうか。