教えてくれたのは……ウェルスナビ株式会社 小松原さん
働く世代が豊かさを実感できる社会をつくりたいという理念に共感し、ウェルスナビにセミナー講師として入社。これまでに、500回以上の資産運用セミナーに登壇し、参加者からの多くの質問にも答えている。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。
1.いつ買ったか思い出せないものがたくさんある
身近なところに「無駄遣い」はあるものです。バッグの中には、なんとなく買ったコンビニのお菓子が入りっぱなし。財布の中にはレシートがたまり、中身を見ても、いつ買ったかを思い出せない。
「なんとなく」使ったお金は、その時は数百円単位でも、積もり積もっていくものです。
「今買わないともったいない」と必要かどうかも分からないのに、ネットショッピングで買ってしまったセール品や、SNSで見て「みんなが持っているから」と買ってしまったものなど、あまり思い入れがないものはありませんか。
「ほしいかも」と思ってもすぐに買わずに、ノートに書きだしてみたり、値段を自分の時給に換算してみたりするのが、「本当に必要か」を考える手段としておすすめです。
2.収入と支出の計画を立てていない
毎月の収入に応じて、支出の計画を立てるというのは単純作業ですが、意外とやっていない人は多いのではないでしょうか。
支出は大きく「固定費」と「変動費」の二種類に分かれます。
固定費は、定期的に支払わなければならない支出で、金額がある程度固定されているものをさします。家賃、光熱費、通信費などが当てはまり、生活に欠かせない支出が多く、一気に削るのは難しいです。
変動費は、そのほかの自分の意思で自由に決められる支出です。食費、交際費、娯楽費、衣服費などが当てはまります。
何にお金を使うのか、というのは個人のアイデンティティに関わります。なんでもかんでも削るのではなく、メリハリをつけることをおすすめします。
例えば、「月に一度の楽しみにしている、家族で外食するためのお金」や「仕事の生きがいになっているコンサートに使うお金」などは、削ってしまうと、頑張って稼いだお金を使う満足感が薄れてしまいます。無理に削ると、継続もできません。
大切なことは、自分が何にお金を使いたいかを明確にすること。
「外食費」や「交際費」などとざっくりと分けているところを、細かく見直して、削れるものがないかを見てみましょう。
3.家計簿を誰にも見せたことがない
収入と支出の計画は立てて、家計簿はつけているのに、まだお金がたまらない。そういう人は、家計簿を一人で管理している場合が多いです。
自分の支出を記録した家計簿を、第三者に見てもらうことはとても大事です。家族でもよいですし、外部のフィナンシャルプランナーに見てもらうのも手です。
自分以外の人が支出項目を点検することで、「この買い物は本当に必要だったのか」を見直すいい機会になります。
「なんとなく」続けているサブスクも、どうして必要なのかや使う頻度を説明しようとすると、意外と「もういらないかも」と納得する場合があります。
直感で削りたくないと思ったものでも、「なぜ自分にとって大事なのか」を言葉にしてみると、本当に必要かどうかを考えるいい機会になります。
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以上の3点をお伝えしましたが、共通しているのは「なんとなく」の支出をなくすこと。お金は自分の生活を豊かにするためのものです。本当に自分にとって必要な支出かどうかを丁寧に見直すことが、「お金が貯まる」習慣につながります。